S原:いままで、かなりたくさんのマイナーな映画を観たけど、すっかり忘れているものもあれば、いまでも印象に残っている映画があるのよ。
Y木:そりゃそうやろうな。
S原:今回は、印象に残った映画をまとめて紹介しようと思うねんけど。
Y木:まえに、そういう企画せえへんかった?
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S原:今回も、もちろん好きな映画が大半やけど、「印象に残っている映画」基準で選んでみました。
Y木:映画として、出来が良いとじゃなくて?
S原:そうそう。出来は良くないけど、奇妙に心に残るとか、そんな映画ってあるやん? さあみなさん、映画を観るときのチョイスにぜひお役立てくださいませ~!
「ラスト・ムービースター」
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S原:まずはこれ。
Y木:バート・レイノルズか。そういえば褒めてたな。
S原:これは、好きやなあ。バート・レイノルズが、B級アクションスターの晩年を演じてるねんけどな。その主人公もええけど、まわりの映画ファン(バート・レイノルズの大ファン)たちが、すごく良いねん。自分たちの手作りの映画祭で、一所懸命に純粋にバート・レイノルズを歓迎する場面なんか、映画ファンなら涙ぐむんとちゃうかな。
Y木:地味な映画やなんやろ。
S原:地味です。でも、ヤングからベテランの映画ファンに観て欲しいっ!
「パララックスビュー」
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S原:これは映画史に残る傑作ではないけど、奇妙に印象に残るねん。何とも不可思議なムードがええのよ。
Y木:サスペンスやろ。
S原:いまのよく出来たハリウッド製サスペンスに比べれたら、技巧的には全然劣っていると思う。でも、この時代特有の何かを感じる。そういう空気感もふくめて、これはサスペンス映画ファンなら見て損はないと思うで。
「パワープレイ」
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S原:これはマニアのなかでは「隠れた傑作」と呼ばれてるみたい。初めて観て、その評価が正しいと分かったわ。
Y木:ポリティカルサスペンスやな。
S原:うん。とにかく、緊張感がたまらないねん。あとは、同じ目的のはずやのに、それそれのキャラがそれぞれの思惑で行動してしまう「人間らしさ」もある。単純に面白いので、機会があればぜひどうぞ~!
「プロジェクト・グリズリー」
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Y木:これ、覚えてるで。ロボットと熊と戦うやつやろ。
S原:うん。まあ熊と戦う準備するためのパワードスーツ(?)を作るドキュメントやねんけどな。もうバカと天然と天才と詐欺師の感覚が混然一体になってます。
Y木:世の中、いろんな人がおるよな……(苦笑)
「マルガリータで乾杯を!」
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S原:これは一部では有名やから知ってる人も多いかな。でも、いろんな要素(障がい、異国での差別、同性愛、家族のありかたなど)をぶちこんでいて、ここまで意欲的な映画を作る姿勢に関心したわ。
Y木:障がい者を演じた女優が絶賛されたいうのが有名やな。
S原:誰でも褒めるって。だってそのまんまにしか見えないもん。インドでこの映画を撮った意義もすごいし、主演以外の役者も絶品。後半は混沌となりかけて収容のつかなくなりかけたところでのラストシーン(ラストのセリフ)で一気に映画を引き締める……これぞ映画の魔術やと思う。
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S原:これはドキュメント。いまでも印象に残ってます。とにかく、でてくる女優たちのインタビューに答えている表情が良い。
Y木:(インタビューで)演技している人もおるやろ。必ずしも、監督の意図に賛同しているわけじゃない女優もおるやろうし。
S原:あーでてくる女優に中には、完全に「演技」して喋っている人もおるよ。でも、それも含めて面白い。80年代~90年代の映画ファンなら楽しめるはず。とくに女性は、いろいろと思うところがあるはず。
「マーダーボール」
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S原:これもドキュメント。とにかく、でてくる奴らの生き様やキャラがすごい。仕事や人間関係で悩んでいる人は、これをおススメします。
Y木:スポーツに興味がないと、厳しいんちゃう?
S原:試合の場面もすごいよ。興味がない人こそ、ぜひ観て欲しい。井上雄彦先生の「リアル」とはまた別の「リアル」がここにあります。
「狂覗」
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S原:これは賛否別れる映画。でも、もっとみんなに知って欲しいから、ここで取り上げます。
Y木:結構、強烈なんやろ。
S原:強烈と言うか、もう観ていて胸が詰まるというか閉塞感を感じるねん。でも、この個性をぜひ味わって欲しい。とにかく、偏見をもたずに観て欲しいなあ。
「友達のパパが好き」
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S原:これは、いまだにザラザラした感触が残ってます。すごいよ。
Y木:なんか、登場人物たちが変わっているとか言ってなかった?
S原:うん。普通の物語のはずやのに、全員が少しずつ狂ってる。いやーこの映画はもっと世に広まって欲しいわ。役者も演出もすごくよくて、映画自体はちゃんと出来ているのに全体的に歪んでいる。岸井ゆきのがこのあと大爆発したのは、この映画があったから……というのは言い過ぎかもしれんけど、映画ファンなら、いろいろ言いたくなること間違いなしですよ。
「さようなら」
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S原:これも良かったなあ。
Y木:アンドロイドと人間の映画やろ。
S原:元は舞台で、すごく実験的やねん。観ていて、「あーここは舞台で観た方がええんやろうなあ」と思う場面もあるねんけど、家の外に出る場面がアクセントになって、やっぱりここは映画ならではやと思ったわ。ラストも好き!
「タナトス」
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S原:これ、評判悪いねんけどな。ぼくは好きやねん。結局は好みなんかもしれんけど、個人的にはええと思うねんけどな。とにかく役者がすごく良い。
Y木:ボクシング映画やろ。映画で描きたいことと観客の期待が違うんとちゃうの?
S原:もちろん、「ロッキー」とか「あしたのジョー」みたいな映画ではないけど……これは役者の魅力に酔う映画です。役者志望の人はぜひチェックしてほしい。
「女経」
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S原:これは変な映画やったけど、妙に印象に残ってるなあ。
Y木:オムニバスやろ。
S原:うん。とくに市川崑の第2話がええ雰囲気やねん。ほかの市川崑の映画よりも好きかも(笑) いわゆる名作ではないやろうけど、奇妙な味わいが印象に残る映画やったわ。
「獣の戯れ」
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S原:「女経」とは反対に、わりと名作扱いされてることが多いけど、これは変な人たちがでる映画やったわ。
Y木:これって、すごいストーリーやな。
S原:うん。原作の力なのか監督の力なのかわからんところも、いい意味で「気味悪い」ねん。しかし若尾文子、河津清一郎、伊藤孝雄はすごい。昔の日本映画は、こういう映画をポーンと撮ってたんかなあ。今、こういう映画を撮るとしたら、どんな風になるのか……いろいろと考えさせられます。
「オトコタチの狂」
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S原:この中ではたぶんダントツでマイナーやけど、これを埋もれさせてはいけません。
Y木:えらい評価するなあ。
S原:他のブログを書いている人(相当なマニア)からコメントをもらって、すごく嬉しかった。この映画を「低予算でチープ」と切って捨てることは簡単。でも、お金をかけても日本映画なんか死屍累々やん? こういう姿勢で作ってる人を、映画ファンは大切にしてほしいなあ。
------ここからはおまけ------
どちらかというと、B級/Z級作品として楽しんでください!
「ホーム・アローン4」
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S原:これは、もうメチャクチャ(笑) ヒットシリーズでもこんなぶっとんだ映画になってしまうという見本です。
Y木:これ、記事の中ではボロクソやったな。
S原:だって、主人公の目が笑ってないもん、こわいでマジで。映画にでてくるキャラも、頭のおかしな人ばかり。知能の低い泥棒2人が一番、人間的にみえるという(笑)
「モスキートマン」
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Y木:こんなん、おまえも忘れてるやろ。
S原:いやこれは印象に残ってます。とくに全裸でギターをひく女性と、車のカーチェイスをカットバックで映す場面は、映画ファンなら一度観ておいて損はありませんよ。
Y木:うそつけ。
「サイレン島」
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S原:これも強烈やったな……(遠い冬の空をみる)
Y木:変な島に行くやつやろ。
S原:うん。POV風なんやけど、とにかく、なんといえばいいのか……まあ、これ以上はコメントできないので記事を読んでください。ワゴンコーナーでみつけても、買わなくてもいいと思います(笑)
「ウィジャ・シャーク 霊界サメ決戦」
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S原:これは完全にZ級映画やけど、妙に印象に残る場面があるねん。攻撃してきた幽霊サメにたいして、汚いおっさんが「ミスティィィィック、シーーーーールドォォ!!!」とかっこよく言い放つ場面! あそこだけは、必見やで。
Y木:だれも観ないって、そんな場面……
「ゾンビ・ドック」
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S原:これはすごかったなあ……
Y木:汚い犬のぬいぐるみが出る映画やな。
S原:映画自体もメチャクチャやけど、吹き替えと字幕が全く一緒やねん。文章と口語の違いを超えようという製作者のチャレンジ精神やろうな。21世紀の原文一致運動やろうな。
Y木:ちゃうわ。
S原:しかし、いろいろな映画を観たけど「字幕をそのまま話す吹き替え」って、後にも先にもこれだけ。他にそういう映画があれば、ぜひ教えて下さい~!
「スペース・インパクト」
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S原:最後はこれ。これ、やたらと複雑な設定の世界を全部言葉で説明してしまう珍作ね。
Y木:普通は、B級SFやと思って、スルーするやろうな。
S原:日本で一体何人の人が観たのかわからんけど、観た人は呆然としたはず(もしくは途中で寝たはず)。おそろしいのはおそらく監督はマジでこれを気に入っていると思われることやな(笑) ワゴンコーナーであれば、ぜひゲットを!