あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

便乗映画特集!サイレンじゃなくて「サイレン島」(2006)の巻

サイレン島 SILENT [レンタル落ち] [DVD]

S原:今回は、こちら!ごまかしタイトルの映画!

Y木:いやもう、なんかコメントできないレベルやわ。

(あらすじ)

“死の島”と恐れられる場所に残されたビデオテープから構成された衝撃作解禁。TV放映不可能!セルバージョン発売禁止!レンタルDVDのみで明かされる、その戦慄とは?新ジャンル、ドキュタッチ・ホラー。

 
S原:これはですねえ、最初がすごくイイ!タイトルにあわせて、どこかのおばさまが「サイレン島」を連呼します。「サイレントォ…………サイレントォォ………サイレントォォォ……!」とつぶやきます。だんだんこれが大きくなって最後は「サイレントォォォォ!!!」。もうヤケクソ!
Y木:あー!なんか今回は久々に大当たりの予感するわ(笑)

S原:いやー、いきなりの先制パンチでもう大笑いしたで。思わず巻き戻して確認したら9回もタイトルを叫んでた。もう、これだけで買ってよかったと確信した(笑)あの「ゾンビ・アイランド・マサカー」(1984)の予告編を思い出したわ。

Y木:あー昔、おまえに無理やり見せられたなー。あれもひっどい映画やった。それで、この映画はどうやったの?

S原:いやー期待通りの最低ランクの出来やった。

Y木:当然そうやろうな。今回は、驚かへん。というかちょっとワクワクする(笑)

S原:要するに「ブレア・ウィッチ・プロジェクト」(1999)以降に簡単に作られるようになった亜流の1本なんやけどな。手持ちカメラで撮影してたら、怖い目にあうという。

Y木:あー「食人族」(1980)な。

S原:相変わらずあなたの基準は、そこなのね。

Y木:それで、どんな内容なん?

S原:この映画では、驚くなかれ。なんとタイトルのあとに、あらすじがでる(笑)

Y木:それは…斬新やな(笑)

S原:しかもすごく単純で、普通に観て入ればわかるストーリーやのに。親切すぎてこっちが戸惑う(笑)さて、映画が始まると、テレビ番組?のロケで、2人の女性タレントがレポーターをしています。ひとりは田中麗奈を薄めた感じ、もうひとりは仲間由紀恵を薄味にした感じです。さらに、もうひとり太った男性ディレクターと男性カメラマン(声だけ)がでてきます。ディレクターは、かなりドンくさい奴で、本番の撮影しているあいだにつまみ食いしたりして、薄味の田中麗奈にビンタされます。

Y木:ビンタ…なんやよくわからんけど、まあええわ。

S原:いろんな場所をレポートをします。大根を食べたりします。とくに何も起こらない、薄味女性2名が延々と撮影しています。たまに薄味の田中麗奈がディレクターを「なにやってんだよ、デブ!」とキックしたりします。旅館で温泉のレポートもあります。11PMでおなじみのうさぎちゃんです。

Y木:ポロリ?

S原:ポロリはありませぬ。でも、温泉で雑談している場面は無駄に長いです。女性の胸元をズームアップしようとして、ピンぼけになります(笑)

Y木:ひさびさにピンボケの映画をみつけたな(笑)

S原:温泉の撮影のあとに、ディレクターを「このデブ、うっとおしいんだよ!」と服のまま温泉に突き落とされます。しかも3回も。キャーキャー言ってすごく楽しそうですが、観ているほうは楽しくないです。

Y木:というか話がすすまへんねんけど。

S原:そのあとは旅館で夕食です。夕食のレポートをしていると、女将がやってきます。女将は、変なお肉(たぶん人肉)を特別にだしてくれます。薄味の2人が「おめーが食えよ、デブなんだから」と無理やりデブに食わせます。そうこうしていううちに女将は「近くに無人島(音無島)がありますが、行ってはダメですよ」「いいですか、くれぐれも行ってはダメですよ」と言います。

Y木:それ、押すなよ押すなよのダチョウ倶楽部やがな。

S原:はい。ダチョウ倶楽部と同じで、もちろん無人島に行きます。

Y木:それで?

S原:そこでものんびりと島のレポートを続けます。晩ご飯がないから、大根を食べたします。ちなみにこの「サイレン島」は60分しかないのですが、この時点で何も起こらないまま、40分くらいたっています。

Y木:うわ、だるー…

S原:結局、無人島なのになぜか島の住民がいて、いきなり襲ってきます。ついでにデブの指を食いちぎったりします。いったん逃げますが、結局デブは捕まります。そして、夜になりキャンプファイアーの準備を始めます。デブを取り囲むひとは3~4人。キャンプファイアーの前でデブをSM器具に縛り付けてます。なぜか日本なのに、昔のマンガでよくある「アフリカの未開の部族」みたいな声をだしてます。「アチー!」「熱いって!」と悶えるデブ。そんなデブを見つめる島の男たち。そして、いよいよ始まる人肉パーティー!デブに牛乳やポン酢をかけて味を調えます!

Y木:うそつけ。

S原:いや、ほんまやねんって!でも遠くから隠しカメラで映しているという設定なので、ほとんど何をしているか分からんけどな。

Y木:なんやねん。女性たちはどうしてるの?

S原:遠くでデブを見ながら「あー食べられちゃう」とか「熱そー」という分かりやすいコメントのあとに、薄味の仲間由紀恵が「あいつは足手まといだから、置いていこうよ」と提案します。「それもアリだよな…」と薄味の田中麗奈とカメラマン(男性)も同意します。

Y木:ひどいなあ。

S原:そして、ナイスな作戦をたてます。

Y木:作戦?

S原:その名も『デブだから、食べるのに時間がかかる。そのあいだに逃げよう』作戦。

Y木:デブだからって…ん?ちょっと待て。この時点で逃げると決めるんかいな。もっと早く逃げろよ。

S原:やがて、人肉喰いのやつらに見つかって、追いかけられます。「はあ…はあ…」「怖い…」といいいながら真っ黒な画面が続きます。真っ暗でなにもみえませぬ。薄味の仲間由紀恵が急にゾンビになって襲ってきますが、薄味の田中麗奈に逆襲されて、死にます。

Y木:安易な演出やなあ。

S原:そして、朝になりました。薄味の田中麗奈とカメラマンがなぜか銃で撃たれて、カメラがバタンと倒れる!おしまい。

Y木:やっぱり、「食人族」やがな!(爆笑)

S原:これ、単純な映画の出来だけで言うと、たぶん最低ランクやと思う。それはええねんけど、なんかちゃうねん。「愛すべきバカ映画」ではないねんなー。最初のタイトル連呼で期待値が上がったけど、結局はただの出来の悪い映画やったわ。

Y木:そうかー。残念。なかなか「悪夢の銀河鉄道」(1984)みたいな、『出来が悪いけど、愛すべき映画』はなかなか出会えないよな。

S原:そうやな。まだまだ、理想の映画探しの旅は続くでござるよ…

Y木:まあゴールしても、その場所には「空しさ」しかないけどな。

S原:さあさあ、みなさま。この映画はスゴイで出来です。たぶん、Z級映画好きにはストライクです。世の中の99パーセント以上は、一生出会わない珍作ですが、タイトルコールだけは唯一無二です。ぜひご賞味あれ!