S原:今回は、アンジェリーナ・ジョリーが売れる前に出演した映画!
Y木:へえ。
(あらすじ)
11歳にしてウォール街をパニックに陥れ、18歳になるまでコンピュータを禁止された天才ハッカー少年デイド(ジョニー・リー・ミラー)。7年後、ついにキーボードを触ることを許されたデイドはニューヨークに引越して充実した毎日を送っていたが、「ハッカー・キング」と呼ばれる男の罠にはめられ、悪事の濡れ衣を着せられてしまう。
S原:これは、結構面白かったで。
Y木:ふーん。アンジェリーナ・ジョリーはどうやった?
S原:むっちゃ、エロかった(笑)
Y木:そうなんや。いや、そうやろうな(笑)
S原:べつに肌を露出しているわけちゃうんやけどな。とにかく、色っぽい。いやー「キャッツ・アイ」の実写版とかしてくれへんかなあ。もちろん、泪姉役で。
Y木:するわけないやろ。しかし1995年の映画かー。今観るとかなりハッキングと言うか、サイバー空間の描写が時代遅れやろ?
S原:いやーそれが今回は良かったのよ。
Y木:へえ、アナログな良さ?
S原:ネットの世界を描くのにアナログっていうのも変やけど、昔「トロン」(1982)ってあったやろ?
Y木:あったあった。おれ、好きやで。
S原:僕も「トロン」は好きなんやけどな。いまなら、たぶん簡単に再現出来ると思うねん。でも、あれはあれで味があるやん。
Y木:そうやな。デザインも良いしな。
S原:簡単にいうと、「トロン」みたいな感じ。さすがに「トロン」からほぼ10年たってるから、もう少し洗練されてるけど。同じ時期の映画で「JM」(1995)ってあったやろ?
Y木:あー、キアヌ・リーヴスのやつ。
S原:うん。あれよりもCGとかは稚拙やけど、ぼくはこっちの方が好きやな。なんというか、ちょっとバタ臭いねん(笑) そこがええのよな。
Y木:雰囲気は分かったけど、ストーリーは?
S原:サスペンスです。主人公は11歳でウィルス撒いてウォール街を混乱させたくらいの天才ハッカーです。だけど、裁判で「18歳になるまでPCに触れてはいけない」という判決が出て、しかも親には多額の賠償金支払命令が出て、結局離婚してしまう。高校生になって、ニューヨークに引っ越しする。その高校で出会うのがアンジェリーナ・ジョリーね。で、PCがきっかけで友人ができていく。
Y木:ほう。
S原:主人公はPCを触るのを解禁されて、早速ある石油会社のコンピュータに入り込む。侵入した証拠に、”ゴミ箱”を盗んで、ディスクにコピーする。
Y木:あー、そのごみ箱が実は重要なもので…という展開やな。
S原:その通り。いかにもアメリカ映画なんやけどな。ちいさな疑問や矛盾があるけど、そのへんは無視してどんどん話がすすむ。もちろん、悪事を働いている奴とか、FBI(CIA?)とか登場して、主人公たちがそいつらと対決していくのが面白さです。
Y木:まあ普通やな。
S原:うん。すごく直球で、あれよあれよと終わってしまう(笑) 頭を空っぽにして観るには十分です。
Y木:ふーん。
S原:でも、最初に言ったようにCGは相当古臭い。で、これを観て、思い出したんやけどな。うちの息子と少し前に映画を観たたら、ポケベルがでてきたのよ。それで息子が「ださー、古いわー」「観る気がせえへんわ」って観るのを止めてん。でも、いまの最新の技術やアイテムを使っても10年後には「ださー」やん?
Y木:まあな。
S原:だから、「こういうもの」として楽しんだらええと思うんやけどな。例えば、いまのプロレスって観たことある?
Y木:ない。
S原:いまのプロレスって、猪木とかスタン・ハンセンが活躍してた頃より、ハイレベルやねん。技も高度やし、攻防もスピーディで激しい。人によっては、みたことのないような技もだすねん。でも、観ていてどうも気分が盛り上がらない。
Y木:それは、おまえの思い入れ補正があるからやろ。
S原:そうなんやけどな。なんか観ていて空しいねんなー。もちろん人によって求めるものが違うけど、プロレスに「激しさ」「過激さ」「技の高度さ」を追求しても、あるレベル以上は、もう一緒ちゃうかなあ。人が死ぬところを観たいわけちやうし。
Y木:わかったわかった。で、そのプロレスの話とこの映画とはどう関係するの?
S原:結局、CGとかVFXとかをハイレベルにしていくんはええねんけど、ある程度いってしまうと観客は冷めるんちゃうかなあ……。究極に言うと、ブルース・リーそっくりにCGで再現出来るのはすごいけど、それって生身のブルース・リーと一緒やん?
Y木:まあな。言いたいことはわかるけどな。
S原:みたことのない映像空間もええねんで。「アバター」とかも最初はすげえ!と映像に興奮するけど、そのうち慣れるやん? やっぱり話が面白くないと飽きると思うねん。要するにあれよ。アントニオ猪木の異種格闘技戦をもう一回評価しなおしたほうがええってことよ。
Y木:わけがわからんけど、もう飽きたからええわ。この映画では、SFとかCGの他に時代を感じるのはあるの?
S原:あーあるで。登場人物たちがローラースケートをはいています(笑)
Y木:おお、それは……ん? 95年でも古くないか?
S原:たぶん、この頃でも「ださー」やと思う。でもええ感じやで。バックに光ゲンジの「パラダイス銀河」とか流れるしな。
Y木:嘘つけ。
S原:というわけでみなさん。古臭さを覚悟の上で観てくださいませ。アンジェリーナ・ジョリーのファンは観て損はないと思います。あ!そうや!
Y木:なんやねん。
S原:このブログ、ハッキングされたらどうしよ?
Y木:書き換えるほどの内容がないから大丈夫ちやう?
S原:あーそうか。よかったー。
Y木:……(無言)