あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

ほぼ知られていない日本映画12本を語ります! 「鬼子母神の子守唄」(2013)の巻

鬼子母神の子守唄

 

S原:今回のDVDには2作品収録されていますよ。

Y木:これってもしかして……

S原:イエース、その通り! カルト映画の雄、WHDジャパン製ですよ!

 

『鬼子母神の子守唄』

何一つ不自由のない幸せな家庭のたった一つの、そして、けして人に知られてはならない秘密。犬神家の一人娘・直子は満月が近づくと人肉を食べなければ生きていけなかった。母は月に一度、愛する娘のための餌食を探す。しかし良心の呵責に苛まれる父はこの生活に終止符を打つことを決断する。呪いをかけられた少女『直子』の物語。

 

映画 鬼子母神の子守歌 に対する画像結果

 

S原:まずは「直子」の話です。これは簡単に言うと、現代の吸血鬼ものです。

Y木:直子というのが吸血鬼?

S原:そうそう。あらすじは上のままで、それ以上のサムシングはナッシングです。

Y木:ラッパーかよ。

S原:直子は女子高生で、普段はまったく普通。だけど満月の頃は異様な状態になって血を飲まないといけなくなる。そのために母親が、必死で血を集めています。

Y木:血を集める?

S原:まずは自分の腕に傷をつけてペットボトルに血を貯めます。

Y木:はあ、ペットボトル。

S原:それでも血が足りないので、周辺をウロウロして人を殺します。

Y木:その血を娘に飲ましてるんやな。

S原:その通り。短編(45分くらい)やから、ストーリーや設定は単純でいいと思う。ただ、話が一本調子で「こうなるやろうな」と思った通りにすすむ。ここがちょっとな。

Y木:B級とか低予算と言う話ではなくて?

S原:うん。もちろんチープやけど、そこはそれやん。両親が娘を守るために罪を犯すという話なら、別の視点を加えたほうがよかったと思う。

Y木:視点?

S原:そういう謎の夫婦を怪しむ刑事をだすとか、他に殺人事件が起きてこの夫婦が関係しているのかどうか?とか。

Y木:それもどうかな。

S原:たしかにベタやけど、この映画は「吸血鬼の娘がいる夫婦」をそのまま映してるだけやからな。パッケージには「あまりに悲しく切ないホラー」とあるから、この夫婦の哀しみもテーマやと思うねん。それなら、もう感情もなく仕事のように淡々と人を殺す夫婦とかそういう感じで描けば、反対に哀しみがでたと思うねんけどな。

Y木:相変わらず後出しジャンケンやな。

S原:すいません。まあそういう感じのシンプルな映画でした、はい。

 

 

 

 『鬼子母神の子守唄 愛梨』人里離れた山道を一人歩く少女、愛梨。そこへ襲い掛かる強姦。たまたま通りかかった男、沢田に助けられ、彼の車に乗るのだが、さらに少女に危険が待ち受ける。呪われた運命に翻弄される少女のせめてもの抵抗と、その結末とは・・・・少女「愛梨」の物語。

 

映画 鬼子母神の子守歌 に対する画像結果

 

S原:つぎは「愛梨」の話です。前回の直子とは違って、愛梨は自分が無意識のうちに吸血鬼になって人を殺しているのではないか?と自分自身を疑っています。母親は否定しますが、雰囲気としてはバレバレです。

Y木:うん。

S原:愛梨は家を出て山の中を歩きます。するとホームレスっぽい汚らしいオジサンに襲われそうになります。あわやというところで、車が通りかかります。車に乗っていた沢田という中年男性に助けられます。沢田は雑誌のライターだと自己紹介して、安全なところまで送るといいます。

Y木:ええ奴やん。

S原:沢田は、この周辺で起きている連続殺人事件を調べているといいます。それを聞いてビクッ!となる愛梨。

Y木:わかりやすいな。

S原:沢田は、殺人事件は野生動物が犯人かもしれないが、満月が関係しているかもしれないと言います。それを聞いた愛梨はまたビクッ!

Y木:わかったって。

S原:疲れで車の中で愛梨は寝てしまいます。起きるともう夜中。しかも人気のない山の中で車が停まっていて、沢田がニヤニヤしながら愛梨をみています。沢田の様子をみた愛梨はまたビクッ!

Y木:何回ビクつくねん。

S原:愛梨は気持ち悪くて車から降りようとしますが、ロックがかかって降りれません。その様子を見ている沢田がニヤニヤ……

Y木:おいおい……

S原:なんとか車から逃げ出して山の中に隠れます。沢田に見つかってあわや!というときに、雲の切れ目から満月が出てきて……!

Y木:なるほど、そういう話か。

S原:シンプルやけど、山の中で2回も怖い経験をする展開は面白かった。最後は、家に帰って母親と会う。その口にはべったりと血が付いているというオチです。

Y木:これも、わりとそのままやな。

S原:そのままです。でも、ぼくは直子よりも愛梨の物語のほうが面白かった。人を襲う場面をわざと省略しているのも良かったし。

Y木:これはおススメ?

S原:とまでは言えんなー。申し訳ないけど、どうしても安っぽい感じがあるかあるから、普通の人が観たら「なにこれ?」っていうレベルやろうし……。というわけで、これは期待せずに自主映画だと思って観てください~!

 

 

Yahoo!オークション - DVD 鬼子母神の子守唄 完全版 / 夢原まひろ 白澤...

ほぼ知られていない日本映画12本を語ります! 「頭狂23区外 〜眠レヌ〜」(2002)の巻

頭狂23区外 眠レヌ

 

Y木:なんやねん、このしょーもなさそうな映画は。

S原:はい、おそらく超レアなDVDを紹介しますよ。

 

(あらすじ)

新人看護婦の青田麻衣子(乾曜子)が初めて担当した患者の桃井准(若菜まい)が亡くなった。それを境に麻衣子の身の回りで、奇妙な事が起こり始める。不安と恐怖に怯える彼女にさらなる恐怖が襲う!突然死んだはずの准の病室からナースコールが・・・。次々に襲ってくる恐怖の影。果たして麻衣子の運命は・・・!?

 

S原:これ、ある人のブログで読んだんやけど、このDVDは100円ショップ(ダイソー)で売ってたらしい。

Y木:へえ、100均で。

S原:300円(税込み315円)やったらしい。画像検索したらベタッとシールが(笑)

Y木:ほんまや。しかも消費税5%。

 

頭狂23区外~眠レヌ~」 - メルカリ

 

Y木:そもそも100均に行って映画のDVDを買う人がおるんかという話やけどな。

S原:少しは買った人はおるんちゃう? 2002年やからまだサブスクは本格的に始まっていないし、今よりはDVDが売れていやろうしな。もしも当時買った人がいたらコメントお願いします~!

Y木:コメントなんか来ないって。で、肝心の中身は?

S原:うんまあ、ハッキリ言って出来は良くないです。

Y木:そうやろうな。

S原:2002年(平成14年)の作品やけど、昭和のテレビ番組の心霊再現ドラマみたいな感じやねん。

Y木:あーなんとなく分かる。

S原:「そのまんま」ってやつやな。関西では、相手がボケないと「そのまんまやがな!」ってつっこむやん。

Y木:つっこむなあ。

S原:そういうツッコミがしたくなる。だいたい「頭狂」と書いて「トウキョウ」(東京)よ? 

Y木:あー……(苦笑)

S原:どうもグラビアアイドル(女優?)主演ありきの企画みたい。他に2本あるけど、それもグラビアアイドル主演とのこと。

Y木:だれ?

S原:この作品は乾曜子主演。ほかは二宮優、衛藤美菜です。

Y木:知らん。

S原:ミートゥーです、はい。

 

アイドルブログ 写真家山岸伸・撮影日記 | 乾曜子写真集「ヒトリジメ」二宮優/出会い/無料/動画/壁紙/アダルト/アイドル/お宝/: 二宮優セクシーすぎる~!衛藤美菜

 

S原:話はめちゃくちゃ単純です。看護師が主人公。受け持ちで、子供(女子)の患者がいます。203号室に入院しています。子供は主人公と屋上で線香花火をしたりして交流します。子供は主人公を慕います。でも結局亡くなってしまいます。主人公は落ち込み悲しみます。主治医の医師は、主人公に慰めの言葉をかけます。そのあと主人公の周りで異変が起こり始めて……。こういう話です。

Y木:たしかに昭和っぽいな。

S原:夜勤をしていると、無人のはずの203号室からナースコールがなって主人公はビビります。夜歩いていると変な車に轢かれそうになります。ついには医師が殺されます。医師が死んだ場所は子供が入院していた203号室でした。

Y木:子供の霊ってこと?

S原:そういう雰囲気なんやけど、実はちゃいます。結局は、主人公と医師の関係を勝手に怪しんだ同じ勤務先の主任看護師が犯人でした。

Y木:えーそんなオチ?

S原:はい。ほんまにそれだけの話やねん。グラビアアイドルなのに、そういう場面もゼロ。まあ要らんけど(苦笑) 60分くらいなんやけどすごく長く感じます。

Y木:「時代のあだ花」って感じやな。

S原:はい、というわけで、これ以上話すことがない作品です。大真面目に作っている風なのが、観ていて余計に辛い……。まず中古店でもみかけないと思いますが、レア好きなら一度手に取ってもいいかも。あ、でも面白さは求めずに観てください~!

 

頭狂23区外~眠レヌ~ DVD - メルカリ

 

ほぼ知られていない日本映画12本を語ります! 「ペイル・コクーン」(2005)の巻

ペイル・コクーン

 

S原:今回はアニメ。ほぼ一人で作った短編です。

Y木:へえ。

 

(あらすじ)

歴史の連続性が途絶えるほどの未来。どこまでも続く巨大な廃墟の世界。海や大地は姿を消し、過去の風景は廃墟から発掘される『記録』の中にのみ存在していた。記録を発掘し、破損しているデータを復元し、そして、そこから過去の世界を分析する施設、『記録発掘局』に、ウラはいた。彼はあらゆる記録に、過去の世界に埋没していた。この世界のあらゆる人間は知っていた。過去を知ることは、この現実の不幸を知ることだと。ある時ウラは、奇妙な映像記録を復元する...

 

吉浦康裕監督作品における「他者」―『水のコトバ』から『アルモニ』まで - 宇宙、日本、練馬

 

Y木:どうやった?

S原:これでいいと思う。

Y木:いきなり上から目線やな。

S原:もう監督(吉浦康裕)のやりたいことが詰まっていて、「これが俺なんだ~!」という静かな叫びが聞こえます。

Y木:大仰な。要するに個性的なんやな。

S原:はい。個性のかたまりです。

 

ペイル・コクーン 映画」の検索結果 - Yahoo!検索ペイル・コクーン (Aoi Tamago) / Pale Cocoon – Soubenn ar geek

 

S原:これは簡単に言うとSFなんやけどな。主人公は、工場の内部のような閉塞感のある空間で仕事をしています。失われた記録を発掘する仕事のようですが、細かい説明はわざと省いています。どうも工場だけではなく、この世界にはが自然がなく機械だらけの空間になっているようです。

Y木:よくあるパターンやな。暗い世界のSFやろ。「ブレードランナー」とか「未来世界ブラジル」とか。

S原:あれよりもさらに閉じた空間です。なんというか観ていて息が詰まるねん。これ、23分しかないけど、90分の映画を観た気分になる。

Y木:だるいという意味ではなく?

S原:ちゃいます。それだけ濃厚なんやろうな。この映像美が好きな人は、ドはまりすると思う。で、主人公と同じ職場(?)で働いている女性がいます。主人公と恋愛関係にはならずに、静かな会話ややりとりをします。ある日、その女性が不思議な映像をみつけて……という感じです。

Y木:なるほど。短編向きかもな。

S原:最後は言わないけど、もなかなか上手いです。

Y木:へえ。じゃあ当たり?

S原:当たりと言えば当たりなんやけど……。

Y木:なにが不満?

S原:全く感情移入できない(苦笑)

Y木:そういう映画やろ。

S原:そうなんやけど、登場人物たちは暗くて息苦しい空間で暮らしていて、それが当たり前の世界になってるねん。観客が、同じように暗い気持ちになったり息苦しさを感じたら「傑作」になったと思うねんけど。

Y木:あーまあ分かるけど、そういうのよりも「映像」をみせたいんでしょ。

S原:そうなんかな。あとは好みなんやけど、キャラクターの絵がな。ちょっと好みではなかった。暗めの登場人物たちがボソボソと話す世界観にハマるかどうかちゃうかな。

 

ペイル・コクーン 映画 動画配信 オンライン 視聴アニメ「ペイル・コクーン(PALE COCOON)」 | KEI SAKAKI's PAGE.

 

Y木:でも個人で作ったんやろ。

S原:正直言って、ここまで作ったらすごいと思う。声優とか音楽とかはさすがに外部の人みたいやけどな。あとは新海誠みたいにブレイクするかどうか。

Y木:映画でもアニメでも自主製作って大変やからなー。

S原:そういう意味では頑張ってほしい! ……とまた上から目線になりましたが、なかなかの力作です。SF好きやアニメファンなら観て損はないです。予備知識無しで観てくださーい!

 

アニメ「ペイル・コクーン(PALE COCOON)」 | KEI SAKAKI's PAGE.

 

 

 

 

ほぼ知られていない日本映画12本を語ります! 「隙魔(すきま)」(2005)の巻

隙魔

 

S原:今回は隙間から、怖い顔をした少女がにらんでるぞ~!

Y木:気持ち悪いなあ、このジャケット。

 

(あらすじ)

サエコ先生との帰り道、団地の小道で誰かに肩を叩かれるルミ。噂を知らないサエコ先生は振り向いてしまった!そこには25号棟に住む少女のユキが迷子になって泣いていた。ユキを送ろうと25号棟を目指す3人は再び誰かに背中を叩かれる。

 

「隙魔」 予告

 

S原:これ、中古で見つけてジャケットがいいから即購入したんやけどな。

Y木:どうやったの?

S原:よくわからんかった。

Y木:ふーん。

S原:70分少ししかない作品やのに、すごく長く感じる。

Y木:スキマから、いろいろと怖いことが起きるんちゃうの?

S原:それがなー。そういうのを期待するやん? いたるところに隙間があるから、工夫したら気味悪くなりそうやろ?

Y木:そうやな。

S原:でも、残念ながら隙間がほとんど効果的にでてこない。これではガッカリよ。

Y木:振り向いたら死んでしまうという話か。

S原:一応そうです。団地がたくさん並んでいる場所が舞台です。その団地周辺では都市伝説がある。それは、「背中を叩かれても決して振り向いてはいけない」という。もし振り向いてしまうと3日以内(3日後?)に死ぬ、という都市伝説です。主人公(JK)は、バカバカしいと思って無視します。

Y木:なるほど。

S原:主人公は、あるコンビニで万引きをしたと問い詰められる。カバンをみるとお菓子が入っている。本人には万引きした記憶はない。あ、ちなみにお菓子は「甘栗むいちゃいました」です。

Y木:商品名は言わんでええて。

S原:いや、この「甘栗むいちゃいました」が、ストーリーのポイントやねんて。

 

隙魔】VD-966 |

 

S原:結局、学校の先生(サエコ先生)が店まで来てくれて「絶対にこの子はそんなことしません!」と逆ギレして店長を説得。

Y木:先生が逆ギレ……

S原:そのあと、主人公とサエコ先生が並んで帰宅する。団地の道をに歩いていると背後から何かの息遣いを感じる。ポンポンと誰かに肩を叩かれる。ハッとする主人公ですが、サエコ先生は噂を知らないのであっさりと振り向きます。

Y木:どうなるの?

S原:振り向くと少女(ユキ)が泣いていました。25号棟に住んでいるが、迷子になって帰れない、と言います。迷子になったユキを送ろうと、主人公とサエコ先生と少女は3人で歩き出します。そのとき再び誰かに背中を叩かれます。同時に、通りがかりのサラリーマンもどうやら誰かに背後から背中を叩かれたらしい。その時4人が同時に振り返る……こういう出だしです。

Y木:普通やん。

S原:このへんまでは結構イケるねん。夕暮れの団地の暗い雰囲気も良いしな。ところが、ここから失速してしまう。その日から、主人公の周りに異変が起きます。変な音が聞こえる。やがて団地の屋上にさっきの4人が集まる。そこでサラリーマンが団地から落ちます。一応、団地の「隙間」に落ちたらしいですが、死体は見つかりません。

 

隙魔】VD-966 |

 

Y木:それで?

S原:今度はサエコ先生の様子がおかしくなる。精神的に追い詰められて主人公にブツブツいいます。ここは気持ち悪いです。突然サエコ先生は道路に飛び出していく。そして車に轢かれて死にます。おいつめられた主人公は……という感じです。

Y木:ストーリーが典型的というよりも、ヒネリがなさすぎるんかな。

S原:そうねえ。それを補うのが「隙間」という設定やったと思うねんけどな。隙間から誰かが見ている感じがするでもいいし、リングみたいに何かがニューっとでてくるのでもいいやん。主人公が隙間が怖くて逃げるけど「あ、こんなところにも隙間が!」みたいなサスペンスも作れるやん。

Y木:隙間ネタがないの?

S原:ほとんどない。あったとしても大したことないです。

 

隙魔】VD-966 |

 

S原:さっきも言ったけど、はじまってから20分までは雰囲気は良いねん。でもそれ以降はわかりにくい。水が落ちるとか、無人のブランコが揺れるとか、暗めのカメラで主人公がトボトボ歩くとか思わせぶりな感じがあるのに、話がすすまない。イライラするるねん。たぶん伏線のつもりで、後半につながる怖さを出したかったと思うねんけど、うまく噛み合っていません。

Y木:なるほどな。

S原:結局ネタとしては、死んだ少女の怨念みたいな話なんやけど、その怨念のパワーも鉢植えの位置を変える程度。おいおい長年の怨いにしては地味すぎるって!

Y木:鉢植えの位置が変わる……なんか観てないからよくわからんぞ。

S原:あとは「甘栗むいちゃいました」ですな。

Y木:はあ、甘栗。

S原:製作者はなにかこのお菓子に恨みがあるみたいで、やたらとネガティブな扱いをされる。さっきも言ったけどカバンの中にいつの間にか甘栗が入っています。あとは甘栗が隙間に入ります。甘栗を床に落ちているのをみつけても、ずっと放置プレイ。甘栗をゴミ箱に捨てても、なぜか戻ってきます。しまいには甘栗にキレた主人公が「むいちゃいましたじゃねぇよ~!」「しょせん甘栗じゃねーか~!」

Y木:最後のセリフは言ってないやろ。

S原:はい、というわけで一応ラストは伏せておきますが、なんというか薄味のカールみたいな作品でした。ジャケットは怖いのに残念!

ほぼ知られていない日本映画12本を語ります! 「時空脱獄NINJA ジライヤ」(2014)の巻

時空脱獄NINJA ジライヤ

時空脱獄NINJA ジライヤ [DVD]

 

S原:今回からマイナーな日本映画を12本紹介します。まずはこちら。B級映画ファンにとっての約束された場所、WHDジャパンがおおくりするSF忍者映画!

Y木:WHDジャパンかあ……

 

 

(あらすじ)

突然現れ、ヤクザを皆殺しにしてしまった時空忍者ジライヤ。彼を抹殺する為に派遣されたサスケとキリガクレ、そしてジライヤの宿敵オロチ。ヤクザVS忍者、忍者VS忍者の激しい攻防。そしてジライヤの明かされる過去・・・。今、大阪21世紀夏の陣の火蓋が斬って落とされた!

 

S原:これ大木ミノル監督やねん。

Y木:だれ?

S原:このブログでは何故か縁のある人です。結構紹介してるで。

 

talksessionyands.hatenablog.com

 

talksessionyands.hatenablog.com

 

 

Y木:この人か。

S原:そうです。WHDジャパン関係の作品もたくさんあります。はい、えー、つまりそういう人です。

Y木:そういう人って言うな。

S原:でも、今回の忍者映画は結構良かったで。

Y木:えーまじか。

S原:いや普通の娯楽作品とは比べられへんで、もちろん。でも低予算で精いっぱい作ったのはよく分かる。大木ミノル監督作品の中では一番出来がいいんちゃうかな。

Y木:へえ。

S原:これは製作の経緯が面白い。はじめはパイロット版で、10分バージョンの『時空脱獄NINJA』を制作。出資があったのか、評価に手応えを感じたのかわからんけど、追加撮影して60分の短編映画として完成。『時空脱獄NINJA ジライヤ』を伊賀の國忍者映画祭に出品したとのことです。

Y木:伊賀の國忍者映画祭て。そんなんあるんか。

S原:あったみたいです。どういう人が観に行ったんやろな(笑)

 

 

S原:で、2014年8月に伊賀の國忍者映画祭 審査特別賞と映画少年短編映画際 技術賞をダブル受賞します。おめでとう、大木ミノル監督!

Y木:もう10年以上前やがな。

S原:さらに調子にのって(?)、さらに11分を追加した『時空脱獄NINJA ジライヤ 完全版』を完成。当時の大木監督のブログを読むと、構成も全部見直したらしいです。

Y木:大木監督のブログ……そういうのがあるんやな。

S原:年一回くらいしか更新されていない江口寿史の漫画みたいな状態やけどな。まあ、この作品はこういう流れで作られたわけです。

Y木:なるほど。その完全版がDVDになったと。

 

 

時空脱獄NINJA ジライヤ [DVD]時空脱獄NINJAジライヤ - 時空脱獄NINJAジライヤ

 

Y木:これ、結局どんな映画なん?

S原:SF要素のはいった忍者アクションという感じかな。特撮好きっておるやん。そういう人は楽しめると思う。舞台は現代。未来から忍者ジライヤが現代にやってきます。ヤクザにからまれていた女性を助けるような助けないような、よくわからない感じでヤクザとぶつかります。ターミネーターみたいにタイムスリップしてきて、マトリックスみたいに銃弾をよけます。

Y木:学生の自主映画っぽいなあ。

S原:でもアクションは頑張ってたと思う。飛んでくる弾丸をスッとよけるショットはよく出来てると思うで。スローモーションが結構使われてベタやなあとは思うけど、嫌な気はしません。俳優たちは、みんなアクションも雰囲気もかなり良かった。ちょっと変な喋りかたをする人もおったけどな。

Y木:変な喋り方?

S原:うん。あれが演出なのか演技なのか判断は出来ないです(笑)

 

最新作『時空脱獄NINJA ジライヤ 完全版』は全く異なる印象を受ける! | トンデモ・シネマの開祖最新作『時空脱獄NINJA ジライヤ 完全版』は全く異なる印象を受ける! | トンデモ・シネマの開祖

 

S原:ただ欠点もある。

Y木:どんな?

S原:ストーリーがいまいち分かりにくい。もっと直線的に盛り上がって欲しかった。いろんなサブキャラがでてきて、そのドラマも描きたかったんやと思うけど、どことなく散漫やねん。目的と言うかメインストーリーと言うか起承転結というか、そういうのが弱い。

Y木:でもそれって、特撮系あるあるちゃうの?

S原:そうかもなー。当たり前やけど作り手側は、観客に観せたいものがあると思うねん。この手の作品でいうと、アクションとかSFっぽい要素とかカッコイイ俳優たちのショットとか。

Y木:そうやな。

S原:特撮部分で「おお、結構やるやん」と思っても、それがドラマ部分に生かされないのよな。そこが残念。あ、これはないものねだりのつもりちゃうねんで。

Y木:わかるよ。

 

「時空脱獄NINJAジライヤ」ライトセイバーでなくレーザーセイバー

 

S原:あとは最後の展開やろうな。ネタバレになるけど……

Y木:どんな展開?

S原:ロボットがでてくるねん。しかもガンヘッドみたいな巨大ロボ。せっかく「忍者」で統一した世界観やったのにな……

Y木:おまえ、ロボット好きやん。

S原:好きやけど、この作品には不要ちゃうかな。とんかつ定食を注文したら。「これ定食につくサービスです」ってチョコレートだされても困るやろ。

Y木:(笑)

 

 

時空脱獄NINJA ジライヤ】冒頭5分 - YouTube時空脱獄NINJA ジライヤ [DVD]

 

S原:あとは途中で何回か音楽が流れるねんけど、僕は好みではなかった。歌入りではなく普通のBGMのほうが良かったと思うねんけどな。

Y木:結局、たくさん不満を言ってるがな。

S原:あー申し訳ない。とはいえ、みなさん。これはなかなかの力作でした。「バカみたい」と感じるか「お、頑張ってるやん」と感じるかは貴方の心の広さ次第! マストバイとは言えませんが機会があればぜひ観てください~!

 

 

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「ブラッド・ビーチ 血に飢えた白い砂浜」(1981)の巻

ブラッド・ビーチ 血に飢えた白い砂浜 [DVD]

 

Y木:あーこれ!知ってる!

S原:昔テレビで観て印象に残っている人も多い作品を紹介しますよ~!

 

(あらすじ)

浜辺で次々と人が消える怪事件が発生! 

海岸警備員のハリーは調査に乗り出した。しかし、その間に強姦魔が性器を抉られ、ハリーの仲間までもが失踪する。

遂にハリーは怪しい空き家を突き止めるが、そこにはとうてい人の手によるものとは思えない、バラバラの遺体が散乱しており・・・

 

Blood Beach Reviews - Metacritic

 

S原:これ、ビデオ時代に「血に飢えた白い砂浜/ブラッド・ビーチ/謎の巨大生物!ギャルまるかじり」でレンタルされてたやろ。

Y木:ギャルまるかじりか。あったなー(苦笑)

S原:あのタイトルをつけた人は天才よ、まじで。

 

ブラッド・ビーチ/謎の巨大生物!ギャルまるかじり 映画」の検索結果 - Yahoo!検索

 

S原:これ、ぼく見逃してたのよ。気になりつつ何十年もたって、ついに中古店で見つけて感慨深かったわ。

Y木:へえ初見やったんや。感想は?

S原:まあ……(微笑)

Y木:面白くなかったんやな。

S原:嫌いじゃないよ、もちろん。でも出来は良くないと思う。というか、アイデア一発勝負やな、これ。

Y木:砂に引き込まれる場面やろ。

S原:うん。

Y木:あそこは面白かったやん。そこしか覚えてないけど。

S原:ネットでも同じを書いている人は多いから、よほど他の場面は印象が残らんのやろうな。

 

HORROR 101 with Dr. AC: BLOOD BEACH (1981) movie reviewBlood Beach (Movie, 1980) - MovieMeter.com

 

S原:でも、人間が砂に一気に埋もれていく場面は本当に良くて来てる。あれ、どうやって撮ったんやろ?と思うわ。ただなー、それ以外のドラマパートとか展開がかなり下手でなー。かなり退屈やった。

Y木:ジャンルムービーやろ。

S原:そうそう。アメリカ人はあんまり頭が良くないから、こういうので喜んでるんやろうな。

Y木:おいおい。

S原:絶対そうやって。場末の映画館でポップコーンを食べながら、砂が動く場面で「ワオ!」「動いたぜ!」とか。「トランプに反対する奴らも砂に埋めてやりたいぜ」「そうだな、メーン!」みたいな。

Y木:偏見のかたまりやな、おまえ。

 

Blood Beach (1980)Blood Beach (1980) – Movie review | parlor of horror

 

Y木:これ、トレマーズの元ネタちゃうの?

S原:そう言われてるな。トレマーズくらい演出が冴えていれば隠れた傑作になったと思うねんけど、残念です。

Y木:うろ覚えやけど、ショベルカーで砂浜を掘り起こしている場面ってなかった?

S原:あるある。砂浜になにかいるに違いないと掘るねんけど、なにも出てこない。警察が捜査するねんけど、「また犠牲がでた」「あの砂浜はおれたちの管轄だぞ」「いや違うぜ、メーン」とか話し合っているだけで、全然進展しない(笑)

Y木:ダメなパターンやな。

S原:どうやって砂の中を移動しているのか?とか、なぜ人間を襲うのか?とか推理すればええのに、話し合ってイライラしているだけ。おまけに、よくわからんヤングの痴話エピソードも挿入されて、かなりテンポは悪いです。

 

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S原:あ、でも面白い場面もあるねん! 砂浜で女性をレイプしようとした男が襲われるねん。ご丁寧に、男のチョメチョメだけ食いちぎって持っていく! あそこは笑ったわ。

Y木:なんで、チョメチョメだけ?

S原:チョメチョメをつかんで引きずり込もうとしたら、ちょん切れたみたいよ。

Y木:つかみやすかったんやな(笑)

S原:しかも、あとで子供が見つける場面もあるねん。そんな場面は要るか?(笑)

 

 

Y木:最後は?

S原:一応怪物みたいなのがでるけど、はっきり映らないからよくわからん。怪物をやっつけたはずやけど、また砂がスーッと動いているショットでおしまい。この手の典型的なラストやけど悪くはないよ。

 

Worst thing you'll see all year: Blood Beach - Quarter to Three

 

S原:あー言い忘れてたけど、WHDジャパン/フォワード製なので画面はボヤボヤで、画面の下にノイズが入っています。

Y木:お得意の「アナログリマスター」やな(笑)

S原:こういう画質にキレている人もおるけど、こういう作品をリリースしてくれるだけでもありがたいって。感謝しないよダメよ。

Y木:まあな。

S原:というわけで、この作品は面白い場面もありますが、全体的にはイマイチです。やはり、この類の映画が好きな人のみにおススメします!

 

 

「喧嘩プロフェッショナル」(1975)の巻

喧嘩プロフェッショナル [DVD]

 

S原:今回は70年代のブラックエクスプロイテーションムービー!

Y木:おお、このブログでは珍しいかも。

 

(あらすじ/解説)

ルールもなにもない、ただ勝つだけのために戦いをかける男道を描くアクション。製作はピーター・S・トレイナーとウィリアム・D・スクラー、監督はティモシー・ギャルファス、脚本はティム・ケリーとメルヴィン・D・スクラー、原作はティム・ケリー、音楽はエド・タウンゼントが各々担当。出演はリチャード・ローソン、アナツェット・チェイス、ロバート・バー、デニス・ゴーディ、ダブニー・コールマン、フィリップ・M・トーマス、リチャード・ケイ、ジョン・ウェズリー・ロジャース、H・B・ハガティーなど。本編は正編 Bogard と続編 Black Fist を合わせたもの。

 

 

Y木:タイトルが「BLCK FIST」か。いかにもやな。

S原:ジャッキー・チェンが人気の80年代なら「黒人拳」とかで公開されてたかもな。

Y木:カンフーちゃうやろ。

S原:ちゃいます。これはストリートファイターものです。

Y木:出来はどうなん?

S原:正直に言ってかなり雑です。解説にもあるけど、「Bogard」と「Black Fist」という映画をくっつけたみたい。でもすごく単純やから、2本とも大した映画とちゃうやろな。

 

 

Y木:ブラックエクスプロイテーションって、あれやろ。黒人が活躍して、黒人の観客が喜ぶような映画。

S原:そうそう、タランティーノみたいに熱狂する白人もおるけどな。ぼくは「ジャッキー・ブラウン」(1997)を観て感心して、そのあと、さかのぼってこれ系の映画を観たのよ。「コフィ―」(1973)とか「スーパーフライ」(1972)とか「フォクシーブラウン」(1974)とか。どれも面白かったわ。

 

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Y木:そういや、おまえに「シャフト/黒いジャガー」(1971)を借りたな。

S原:あれは最高やったやろ。サミュエル・L・ジャクソン主演のリメイクも悪くないけど、小綺麗になってたからなあ。オリジナル版のほうは、話は単純やけど音楽とかかっこええし。

Y木:70年代のファンクか。たしかにかっこええな。

S原:うん、当時も人気があったみたいで「黒いジャガー/シャフト旋風」(1972)「黒いジャガー/アフリカ作戦」(1973)と3本作られたけど、だんだんつまらなくなっていった(笑)

Y木:ま、シリーズ物の宿命やな。

 

 

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Y木:で、この映画はどうなん?

S原:観る前にレビューを読んだらかなり低評価やったから覚悟をしたんやけど、面白かったで。

Y木:タイトル通り喧嘩するの?

S原:うん、いまでいう総合格闘技みたいな感じかな。賭けの対象やねん。極貧の主人公が喧嘩自慢を見込まれて、のしあがっていく。貧乏からは脱却するけど、賭けで儲けている奴ら(ギャング、悪徳警官など)がピンハネしているのを知って、次のファイトでやめると言う。今まで飼い犬のように扱っていた奴に反抗されてギャングたちはキレて、主人公の妻を殺す。そこから主人公は復讐の鬼となって……

Y木:なるほど、単純やな。

S原:はじめに言ったけど演出は上手くないし、編集もブツ切れ。でも主人公や悪役のキャラがブレていないから、最後まで一気に観れたで。

Y木:みどころは、ストリートファイト?

S原:そこはどうかな、そんなには…。いまはすごい格闘アクションをする人がいっぱいいるからな。撮り方も単純やし。それよりもやっぱり復讐していく過程が面白い。

Y木:ほう。

S原:車ごとガソリンをかけて殺すとか、食肉の冷凍庫にぶら下げて放置して殺すとか(笑)

Y木:それはすごいな。

 

kazzpの音楽&映画-blackfist04

 

S原:ということで、みなさん。アホみたいと突っ込んだらおしまいの映画ですが、当時の黒人向け映画として観るのも楽しいです。我らがWHDジャパンのDVDなので、画面はザラザラですがそれもまたご愛敬! なかなか観れないと思うので中古店で安ければゲット、プリーズ!

 

おまけ:このデザイン、たまりません!こっちのデザインでDVD化してほしかった~!

 

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