あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンセール・・・しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末に更新予定)

ヤクザ映画10本ノックを終えて…の巻

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(ヤクザ映画10本ノックを終えて)

S原:いままでの総括というと大げさやけど、今回、はじめてちゃんとほぼVシネマみたいなヤクザ映画を10本みたので、まとめて少し話をしようかな。

Y木:べつに要らんよ、そんなん。

S原:えー…10本も観て大変やったのに…ちょっとは聞いてよー。

Y木:知らんがな。好きで観たんやろ。

S原:まあ、10本を観た感想を言うとやな…

Y木:なんやねん、結局話すんかい。

S原:10本のなかには面白いものも、イマイチなものもあったわ。

Y木:当たり前やがな。

S原:まあ、なんというのかな。様式美ってあるやん?

Y木:様式美?

S原:たとえばメタルって大体似てるやん。ルックスはロン毛やし、ボーカルは高音やし、ギターの厚みを生かしたフレーズやし、ギターソロはテケテケしてるし(笑)そういう音ってほとんど同じやん。

Y木:そうやな。

S原:スペースオペラもそうやろ。宇宙海賊みたいなやつはいるし、白人金髪のグラマーな女性がでてくるし、主人公はかっちょい宇宙戦闘機に乗ってるし、酒場には動物みたいな宇宙人がカウンターで酒を飲んでるし、左手には銃が内蔵されてるやん。

Y木:そりゃ「コブラ」や。

S原:でも、マニアはそういうおなじようにみえてても、きちんと細かい差異を区別できるし、その意味も考えてるやろ。

Y木:いや、考えてないんとちゃう?(笑)

S原:そういわれると話が終わってしまいます(笑)まあ同じような狭い世界で、ひたすら突き詰めて磨いていくという話をしたいんやけどな。

Y木:要するに、ヤクザ映画はマニア向けってことね?

S原:残念ながら、そういわざるを得ないなあ。

Y木:職人技のように、どんどん突き詰めていく感じ?

S原:いやー職人技にしては、ちょっと作品としては雑やと思うなあ…(苦笑)さっきも言ったけど面白いのもあるねんで。すこし整理して表彰すると、

 

〇単純に(正統派に)面白かったで賞 → 「炎と氷」(竹内力宇梶剛士主演)

〇変化球だけど楽しかったで賞 → 「海賊仁義」(小沢仁志主演) 

〇ストーリーがストレートすぎるで賞 → 「不動の仁義」(白竜主演)  

〇単純やけど、渋い演技は楽しめるで賞 → 「除籍 血濡れの怪文書」(今井雅之主演)

〇もっと変化球なら面白くなったはずなのに…惜しいで賞 → 「抗争の挽歌」(原田龍二主演)

〇もしかしたら傑作になったかも…惜しいで賞 → 「実録 闇のシンジゲート」(永澤俊矢主演) 

〇ヤングな感じが好き嫌いがあるで賞 → 「頂点(てっぺん)」(波岡一喜主演)

〇正直に言ってイマイチやったで賞 → 「最後の神農(テキヤ)」(哀川翔主演)

〇主演もミスマッチやし面白くなかったで賞 →  「実録愚連隊の神様 万年東一」(宅麻伸主演)

 

Y木:なんやねん、〇〇で賞、って子供向けの表彰状やがな。

S原:いやーわかりやすいかな、と思って。

Y木:べつに分かりやすくないわ。適当に一言コメントを書いてるだけやないか。というか、これを読めばもう本文(10本ノックの回)は読まんでもええんとちゃうの?

S原:えー…苦労してブログにUPしたのに(苦笑)

Y木:これから一言コメントだけにしたら?もっと人気がでるかもよ?(笑)

S原:あーん、つれないお方!

Y木:なんやねん。

S原:さっきも言ったけど、やっぱりヤクザ映画ならではの世界というかルールみたいな様式があってな、それを楽しめるかどうかやと思う。

Y木:ヤクザのルールではなくて、「ヤクザ映画のルール」ってことやな?

S原:そうそう。あとは、やっぱり主演(男優)をいかに格好よく撮れるか?がポイントとちゃうかな。

Y木:まあ主役を観る映画やろうしな。

S原:うん。でも、主役を輝かすにはやっぱり脚本・演出は大事やで。いかに主役が演技を頑張っても、演出がダメならお笑いコントになってしまうから(笑)

Y木:なるほどな。

S原:あなたも「ヤクザ映画」って観ないやん?やっぱりそういうルールみたいなものに拒絶反応があるんとちゃうの?

Y木:そうやな。もっと単純に言うと、ほんまに観る気が起こらない…(苦笑)

S原:そういう人は多いやろうな。拳銃とかドラッグとか、いかにも「ヤクザ映画」って感じのシーンがあるやん。やっぱりマニアでない人は、あれに抵抗があるんとちゃうかな?

Y木:あ-そうかもな。

S原:ぼくもそうやったからなあ…いや、今でも同じかな。例えば指を詰めるシーンとか、ドスをふりまわして突入するとかあるやん。今回、まとめて観たけど、どの映画もそういう要素の扱いがどことなく「軽い」気がするねん。

Y木:軽い?どういうこと?

S原:何ていうんかな。拳銃とかドスとか実際はもっと隠すやろし、警察も取り締まるやろ?

Y木:リアルじゃないってこと?そんなん言うたらこの手の映画は観れんって。

S原:いやリアリティを追求するわけでなくて、ほんまに拳銃を使う時はちゃんと筋道立てて、というか演出として「拳銃を使う」という納得できる背景がないと、やっぱり違和感があるねん。撃つ前をきちんと描いたほうが、いざ撃つときの場面が効果的やと思うねんけど、ちょっとな…

Y木:演出が下手ってこと?

S原:下手というか…拳銃とかはやっぱり非合法なものやし、こういう人種の人が使うもんやん。そういう「重み」みたいなものがあると、もっと物語としては面白くなるはずやのになあ。観ている人に対して説得力がないまま物語がすすんで最後にいくら「オンドリャー!」って真剣に怒鳴ってもなんか軽くみえてしまうねんな。

Y木:なんとなく分かるような気がする。

S原:「実録 闇のシンジゲート」では、『ヤクザたちが水に濡れたトカレフを、みんなで必死に拭いていく(商売品やから)』という場面があって、そこを褒めたんやけど、あれは(非合法でも)取引を成立せないといけないという切羽詰まった状況やから、観ていて面白く感じると思うねん。取引が失敗したら大損するし、ひょっとしたら相手側に殺されるかもしれんしな。

Y木:うーん、言わんとすることはわかるけど、製作者側からすると、はじめに言った「様式美」を押さえてるからOK、という考え方なんとちゃうの?

S原:そうやねん。結局、ヤクザ映画では拳銃を撃つもの、ドスをもってケンカするもの、組事務所で凄むもの、素人をだまして金を巻き上げるもの、裏切ったやつらには復讐するもの……ということになってるねんな。でも、そういう昔からある「様式美」を踏襲しすぎやと思うねんけどなあ。

Y木:だから、おまえにとっては変化球の「海賊仁義」とか「抗争の挽歌」が面白いってことやろ?でもなー、どこかの回でもそんな話になったけど、そういう「ヤクザ映画のいままでの要素」を踏襲した映画を作るのが目的なんやろうって。とくに新しい要素なんか要らんのでしょ。だって「男がつらいよ」は毎回ほとんど話は同じやん(笑)

S原:ワンパターンの美学ってことか。たしかに小津安二郎も晩年は同じような話ばっかりやったけど、ファンはおるからな。ということは、このままでええんかな?

Y木:ええねんって。

S原:そうか。

Y木:おまえみたいに、新しい要素をいれるような未来志向でなくてもええねん。ヤクザ映画は、固定した製作者が固定したファンのためだけに作りつづけていく世界やねん!

S原:あー。なんか場末のスナックみたい。

Y木:たしかにな。常連がいる限り潰れない(笑)

S原:ということは、製作側もファンもだんだん一緒に年をとっていくねんなあ。こういうところにも、少子高齢化社会の影響があるよなあ…(遠い目)

Y木:なんか違うような気がするけどな、めんどくさいからもうええわ(笑)ところで、これからも、もっとヤクザ映画を観るの?

S原:いや、もうええわ。

 

ヤクザ映画10本ノック!「炎と氷」(2004年)「炎と氷2」(2005年)の巻

 

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S原:今回のヤクザ映画10本ノック、最後はこちらですよ!

Y木:うわー竹内力

S原:ラストにふさわしく、誰もが知っている竹内力の映画を選びました。

 

(炎と氷 のあらすじ)

闇金融業界の実態を描いた新堂冬樹の原作を、竹内力宇梶剛士主演で映像化したアクションドラマ。世羅と若瀬は、その強さを青嵐会幹部の金沢に見込まれ組織の取立て屋となる。炎と氷のように対照的なふたりは次第に頭角を現し、東京へと進出する。

(炎と氷2 のあらすじ)

闇金融業界の凄惨な実態を描いた新堂冬樹の原作を、竹内力宇梶剛士主演で映像化した社会派アクションドラマ第2弾。闇金融の世界で頂点を目指す世羅と若瀬。炎と氷のように相反するふたりは、ある銀行の融資課長の退職金を同時に狙うこととなる。

 

 

S原:竹内力って、「ミナミの帝王」のヒット以来、毎回あんな役ばかりさせられてるけど、昔は大林信彦作品とか出てたんやで。

Y木:なんの映画?

S原:「彼のオートバイ、彼女の島」(1986)

Y木:ダメ映画やないか(笑)

S原:たしかにあれは、変な映画やった…(苦笑)「漂流教室」(1987)と「彼のオートバイ、彼女の島」は大林ファンも触れないようにしてるらしいで。まあ、それはええとして今回の映画は2本でひとつやねん。前編後編みたいな感じかな。

Y木:で、どうやったの?

S原:結構、ちゃんと観れた。このヤクザ映画特集のなかで、一番面白かったかもしれん。

Y木:へー、こんなんが?

S原:こんなんって、あなた(笑)まあ、ジャケットをみるといかにもって感じで、好事家以外は食指が動かんやろうけどな(笑)意外としっかりとドラマが作られてるねん。漫画家で本宮ひろしっておるやん?

Y木:あー、昔ジャンプでよく読んでたで。

S原:本宮ひろしのマンガの良いところを上手に、Vシネマ風に生かしたって感じかな。ちゃんとキャラクターが、わかりやすく分かれていて、それがストーリーに絡んでいく…みたいな。

Y木:なるほど、マンガの良さを盗んでいるってこと?

S原:そうそう。監督なのか製作者なのか原作者なのか誰が功労者かわからんけど、とにかくちゃんと作っていると感じたわ。

Y木:はじめから期待してないから、意外に楽しめただけとちゃうの?

S原:そう言われれば、そうかもしれん…(笑)内容を話すと、主人公は2人(竹内力宇梶剛士)で、田舎(大分)の高校の同級生やねん。その高校時代から話は始まるねんけど、竹内力の高校生役を演じた役者がすごく似ていて良いねん。宇梶剛士の高校生時代はあんまり似ていないけど、こっちもなかなか雰囲気が良い。竹内力は喧嘩が強くて、他校の不良相手にも正面から向かっていく直情型、一方の宇梶は裏で頭脳的に立ち回って金儲けをするタイプ。全く正反対の2人がタッグを組んで、田舎からのし上がっていく…というストーリーやねん。

Y木:たしかに、本宮ひろしやな。のし上がっていく手段は?やっぱり金?

S原:そう、金儲け。今回、ヤクザ映画をたくさん観てよくわかったけど、ヤクザ世界もいかに金を儲けるかという時代なんやな。金を儲ける奴が出世する。よく考えれば、中小企業の部長とか課長と変わらんで。

Y木:そりゃ、組幹部(会社幹部)に上納金(営業成績)を差し出さないとあかんから(笑)

S原:東京に出てきて、竹内力宇梶剛士闇金(違法ローン)で力をつけていくねん。昔、よくティッシュで配ったり、公衆電話で無担保ローンの宣伝が貼ってあったやろ?あれやな。

Y木:闇金か。

S原:原作は新堂冬樹という人で、昔、闇金で働いたことがあるらしい。なので、闇金のやりとりはたしかにリアルに感じる。喫茶店で金を借りた奴らを集めて競馬中継を聞きながら、的中したらその場で金を回収するとか、たぶん実際にあるんとちゃうかな。

Y木:ふーん。きったはったのいかにもVシネマっていう世界とちゃうんや。

S原:もちろん、そういう場面もあるけど、もっと主人公2人の人生ドラマって感じでグイグイ押していくねん。2人は闇金をはじめて、ホストとかキャバ嬢の人脈をつかったり、ヤクザ組織の傘下に入りつつ、組の裏を突こうと画策したりするところがなかなか面白いねん。

Y木:頭脳派のやつ(宇梶)が計画していくのね?

S原:そうそう。竹内力は暴れたりすごんだりするだけ(笑)でも、たぶん竹内力1人が主演やったら、たぶん暑苦しいだけで面白なかったと思う。逆に宇梶だけではただの頭脳ゲームになったはず。ベタやけど武闘派と頭脳派の組み合わせが、物語を転がすというか、お互いの魅力を生かすというか。

Y木:ほんまに漫画やな。

S原:タイトル通り「炎と氷」ってことやな。あ、ちなみに「炎(ひ)と氷(こおり)」と読むねんけどな。

Y木:どうでもええわ。ええやないか「ほのおとこおり」で(笑)

S原:ちょっと残念な点もあるねんけど、竹内力のセリフ、たぶん大分弁を話してるんやけど、たまになにを言ってるかわからへんねん(笑)いっぽうの宇梶は標準語やし…まあ、そういうのも愛嬌なんやろうけどな。あと脇役も個性的でな。途中で、頭がプッツンしたヤツを従業員で雇うねんけど、「咳止め薬」(?)でトリップしたりしてる危ないヤツやねん(笑)

Y木:そんなヤツ、雇って大丈夫か?

S原:大丈夫じゃなかった(笑)途中でプッツンして大事な相手を半殺しにして問題を起こしてしまう。じつは、こいつは妹の復讐をするためにこの世界に飛び込んできたんやけど、エピソードとしてはイマイチやったかな。あと、売れない頃(?)の上地雄輔が脇役で出演したりしてたけど、人妻とベッドインしてるときにヤクザに踏み込まれて脅されるという情けない役やった(笑)まあ、こういう変な奴らのエピソードがありつつ、ストーリーは進んでいくわけやな。

Y木:メインストーリーは竹内力と宇梶の2人が、硬い友情で結ばれたまま最後まで突っ走るってこと?

S原:いや、途中でケンカ別れするねん。それで最後は、たまたまお互いに同じ「標的」を見つける。

Y木:標的って?

S原:要するに、金になりそうな男」ってことやな。スネに傷がある銀行員(寺島進)で、そいつの退職金を狙うねん。

Y木:なるほどな。

S原:まあいろいろあって銀行員の退職金の取り分で揉めるねんけど、最後は船着き場で2人で対決するねん。

Y木:対決?

S原:ケンカです。

Y木:結局はケンカかい(笑)

S原:まあ、お互いに言いたいことを言って殴りあって和解する。スッキリするわけやな。

Y木:まさに努力・友情・勝利(笑)

S原:最後は、2人を手玉に取ろうとしたヤクザ幹部(菅田俊)に逆襲することを示唆して終わる…やけど、まだまだ話はちゃんと終わってないから、もっとシリーズを続けるつもりやったんかもな。結局続編は作られへんかったみたいやけど。

Y木:ふーん。今回はわりとマシやったってことね?

S原:マシというとヤクザ映画ファンに怒られそうやけど、結構楽しめたというのが正直な感想かな。さあ、みなさん、今回のヤクザ映画10本ノックは、いかがだったでしょうか?僕は今回初めて、ちゃんとヤクザ映画(Vシネマ系のDVD)を観ましたが、なかなか貴重で興味深い体験やったですね。もちろん出来不出来はありますが、製作者たちの「俺たちは、これが好きなんだぜ!」という心意気は分かったような気がします。次回は、ヤクザ映画を総括します!

Y木:総括?そんなもん、せんでもええのに…

 

ヤクザ映画10本ノック!「海賊仁義」(2005年)「実録愚連隊の神様 万年東一」(2008年)の巻

 

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S原:ヤクザ映画10本ノック、今回はこれです!

Y木:海賊…?

 

 (海賊仁義のあらすじ)

『SCORE』の監督・主演コンビ、室賀厚と小沢仁志がタッグを組んだ極道アクション。荒巻組若頭・矢吹は、組の守護石“ムルトギ”を持って消えた組長の息子・正彦を捜しにマニラへと向かう。無事に正彦を見つけ出すが、何者かに“ムルトギ”を奪われて…。

 

(実録愚連隊の神様 万年東一のあらすじ)

“愚連隊の神様”と呼ばれた伝説のアウトロー・万年東一の半生を描いた宮崎学の長編小説を映像化。大物政治家を襲撃し、右翼とヤクザの両方から一目置かれる男・万年東一。東京を飛び出し上海へ渡った彼は、大陸のならず者たちと命懸けで渡り合う。

 

Y木:今回は、なんでこの2本?

S原:DVDの裏面のあらすじ(上記)をみたら、両方とも海外(日本国外)というのがキーワードになってるから、まとめたんやけどな。「海賊仁義」はマニラ、「実録愚連隊の神様 万年東一」は中国が関係するねんけどな。結論から言うと、この2本は対極的やったな。

Y木:対極?両方ともヤクザ映画やのに?

S原:そうなんやけどな。「海賊仁義」は、日本のヤクザがマニラに行って冒険活劇をする。一方の「実録愚連隊の神様 万年東一」は、戦前戦後の裏社会で暗躍した実在のアウトローの人生を描く。ストーリーもさることながら、作品のカラーも演技も演出も全然ちゃうねん。

Y木:どっちがおもろかった?

S原:こればっかりは好みやろうけど、ぼくは「海賊仁義」のほうが楽しかったな。もちろん完成度云々という作品ではないけどな(笑)

Y木:それはわかる(笑)

S原:「実録愚連隊の神様 万年東一」は、ちょっとなあ…なんか内容が薄っぺらいねん。たぶん長いシリーズにするつもりで、これは序章という位置づけとちゃうかな。全然話が進まんうちに終わってしまった。

Y木:じゃあ「海賊仁義」のほうから話してよ。ヤクザが海賊になるの?

S原:最後に3分くらい、海賊になって暴れるシーンがあるだけ(笑)実際はヤクザがインディ・ジョーンズみたいなことをする、という感じかな。

Y木:インディ・ジョーンズ

S原:組長の若頭(小沢仁志)が、組長のドラ息子(大沢樹生)とオパール石(ムルトギ)を探しにマニラに行くねん。なんとか、息子とオパール石を見つけて、やれやれ…というところで、反政府軍グループ(ゲリラ)に宝石を奪われてしまう。いろいろあって隣国の紛争地帯にいくことになって、そこで政府軍と戦って大暴れ、って感じやな。

Y木:もしかして、オパール石を探すために、インディ・ジョーンズみたいな探検するの?

S原:正解。セスナ機にのったら、これが罠で操縦士がさきに飛び降りてしまったり、洞窟に入ったら、足を踏むの場所を間違って穴に落ちかけたり、石製の扉がゴゴゴと閉まりかけたりする。さすがにトロッコはでなかったけど(笑)

Y木:ふーん、なんかあんまり面白くなさそう…(苦笑)

S原:たしかに物語は陳腐かも…まあそういうレベルの映画ではないんやろな。小沢仁志がヤクザの仁義を守りつつ、現地の部族とともに戦っていく、というのがポイントやろうな。最後は戦車もでてくるし、爆破シーンも派手やし、海外撮影の長所もでてると思う。

Y木:海外ってどこ?マニラ?

S原:フィリピンらしい。アクションで少々無理をいっても、撮影できてしまうというお国柄やで(笑)しかも小沢仁志のあいかわらずの暑苦しい感じが、アジアの湿気が多い場所にピッタリ(笑)、大沢樹生も、組長のバカ息子って感じがよくでてる。こいつはノー天気で危機になっても軽口をたたくから、ちょうどよいコメディリリーフになってるねん。全裸でフルチンのシーンもあるから(笑)あ、この日は元・光ゲンジのメンバーね。

Y木:元ジャニーズが、フルチン(笑)

S原:ただなあ、唯一の女性キャスト(天川紗織)がちょっとなあ…反政府組織のなかに、日本人女性がおるという設定なんやけど、セリフが変やねん。

Y木:セリフが変?

S原:うーん、モデル出身らしいけど、ちょっと荷が重かったんとちゃうかな。ファンの人には悪いけど、演技以前にセリフがどうにもこうにも「棒読み」やねん。役柄としては、どうしても物語の背景をするセリフが多いから、しゃーないとは思うねんけどな。この女性は現地の事情をよく知っているし、主人公たちが探しているオパール石にまつわる部族の言い伝えもしっているから、主人公たちに説明するねんけど、なんか説得力がないから、その分チープに感じてしまう。そこはもったいないと思ったな。

Y木:なるほどな。

S原:ヤクザ映画というにはかなり異色作やと思うけど、まあでも結構面白かったで。浮世離れした破天荒なストーリーも、マニラが舞台ということで、あんまり違和感がないし、なによりもB級ならでは疾走感みたいなものが充満してるねん。

Y木:勢いというか、ヤケクソというか?(笑)

S原:そうそう。でも一応ちゃんとストーリーもつながっているし、まあ海外での撮影は苦労もあったろうし、話もちゃんと終わるしな。一般には全然知られていない映画やけど「努力賞」をあげてもええかな。

Y木:ほー。じゃあ、「実録愚連隊の神様 万年東一」は?

S原:正直に言ってイマイチやった。今回の10本シリーズの中で一番退屈やったわ…丁寧に撮影しているし、セットもキャストもちゃんとしているのに、どうにもキャラクター、とくに主人公が魅力的でないねん。

Y木:ヤクザ映画の主人公なんて、どれも一緒やろ。

S原:ぼくも観る前はそうぼくも思ってたんやけどな。でも実際に観ると予想以上にバラエティがあるねん。でも共通して「必要な要素」があると思うねん。

Y木:必要な要素?

S原:主人公の魅力やと思う。主人公がどんな人間なのかがわからんと、やっぱり観客は面白くない。この手の映画では、主人公の行動原理というか動機が大切やと思うねん。

Y木:そりゃそうやろ、だいたいヤクザ映画って、観客が主人公と同じ感情を味わってもらってなんぼ、でしょ。

S原:そうそう。この作品の主人公、万年東一は実在の人物で、かなりの豪傑やったらしい。「ヤクザ」でなく「愚連隊」を率いていて、金には執着せず「筋」を通す任侠人ということらしい。めちゃくちゃケンカが強くて、右翼からもヤクザからも政治家からも一目置かれている存在やったらしい。

Y木:へー。そういうキャラクターなら、いくらでも面白くなりそうやけどな。

S原:主演は宅麻伸。やっぱりミスキャストとちゃうかなあ…いくら凄んでもサラリーマンヤクザにしかみえないし(笑)

Y木:まあそうやろな。

S原:さっきも言ったけど、実在の万年東一はすごいエピソードの持ち主のはずやのに、今回は出し惜しみしたんかなあ。とにかくエピソードも小粒やし演出も平坦で、とにかく盛り上がらない。敵対するヤクザ達の会合に正装して、タイの尾頭付きを持っていく乗り込んでいく場面なんか、もっと緊張感があってもええのに、なんかのっべりとしてるねん。

Y木:のっぺりって。

S原:いま思い出しても、なんか印象に残るエピソードがなくてなあ。自分の部下に惜しげもなく札束を渡す場面とか、自分の部下が(早まって)組長を銃撃したあとに、強引に手打ちにもっていく場面とか、なんか淡白でつまらんのよ。このシリーズでも取り上げたけど、今井雅之や白竜や小沢仁志やったら、もう顔面からして暑苦しくて、会話する場面だけでも湿度があがるやろ?

Y木:みてないから、わからん。それに湿気の多い映画なんて、いややなー(笑)

S原:あ、いま思ったけど、やっぱりヤクザ映画は「湿度を観る映画」とちゃうかな?

Y木:うーん、そうやろうか、そうなんかな。

S原:ムシムシしてたまらんとか、湿気はあるけど風が吹いていて意外と過ごしやすいとかあるやん。やっぱりそういうことやで。

Y木:なんかよくわからんけど、おまえが納得したんならそれでええわ。

S原:さあ、みなさん。ヤクザ映画という色眼鏡を外せば、「海賊仁義」は十分に楽しめます。万年東一と言う人物に興味がなければ、「実録愚連隊の神様 万年東一」はキツイでしょう。さあ、次はどんなヤクザ映画がでるのか?カミングスーン!

Y木:あーヤクザ映画ばっかりで疲れた。しばらく休憩したいわー(苦笑)

ヤクザ映画10本ノック!「最後の神農(テキヤ)」(2004年)「実録闇のシンジケート」(2008年)の巻

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S原:ヤクザ映画特集。今回はこの2本!

Y木:なんか、こんなパッケージばっかりやなあ…

S原:今回は「実録もの」2本をまとめて紹介します。

 

(最後の神農(テキヤ)のあらすじ)

哀川翔主演の“東北の雄”と呼ばれた男たちの熾烈な抗争を描いたドラマ。テキヤとしての厳しい修行に耐えて田畑組2代目を継ぐことを許された佐藤儀一は、敢えて自らの組を立ち上げることを決意。東北の頂点を目指し、佐藤組の戦いが今始まる…。

 

(実録闇のシンジゲート豊田登のあらすじ)

平成12年12月、一人の男が覚せい剤取り締法違反で、懲役十八年実刑に処された。男の名は豊田登(永澤俊矢)。東シナの海を幾度となく渡り、共産圏から日本へ、シャブとトカレフを持ち込んだ死の商人である・・・。警察の追跡をかわし、大金を生み出す闇のルートを作り上げた一人の男と、それを追う一人の刑事。侠たちの命を懸けた駆け引きが、今始まる―――!

 

Y木:実録ものって、実話がベースってこと?

S原:そうみたい。でも、どこまで事実を忠実に再現しているかはわからん。たぶん、かなり改変してるんとちゃうかな?

Y木:そりゃそうでしょ。

S原:まず「最後の神農(テキヤ)」の方から紹介すると、はじめのナレーションが大仰やねん。延々と続くから、途中でちょっと眠たくなるねん(笑)

Y木:いきなり眠いってあかんやろ。

S原:この映画はなあ、なんというかとにかく喧嘩シーンが多くてなあ。

Y木:だって、そういう映画やん。

S原:そうなんやけど、哀川翔は組長になっても、喧嘩するねん。

Y木:威厳もなんもないがな(笑)

S原:喧嘩の場面のたびに、バキッとかドスッとか呻き声とか入って、なんかコントみたいやねん。

Y木:怒られるぞ。まあでもあれやろ?哀川翔がどんどんのし上がっていくのを楽しむ映画とちゃうの?

S原:確かにそういうストーリなんやけどな。組長の引継の場面や組同士の手打ちの場面とか、丁寧に撮ってるからそれが売りなんかなあ、とは思う。好きな人にはたまらんねやろうけどなあ、でもやっぱりちょっと工夫が足りないよなあ。

Y木:工夫って?

S原:舞台は東北。キャラクターが東北弁とか使ったら面白いと思うねんけど、それはなかった。もう少し地域密着というか、この地域は〇〇組のもの、この地域は××組のものという感じで、陣地を取り合う合戦にするとか、東北独自のルールがあるという設定やと面白かったと思うんやけどな。

Y木:地方ならではの映画ってこと?

S原:そうそう。せっかく珍しく東京・大阪が舞台でないんやから、もっと『地域ならではの守るべき掟』がないとな。地図がよく映るから、製作者も意識はしていると思うんやけど、位置関係が把握できなくて、そこが一番惜しいと思ったな。そもそも地図で説明されても、主人公がどこにおるのかイマイチわからんし(笑)

Y木:なるほど。

S原:ベタな演歌をバックに、哀川翔扮するチンピラがのしあがって、東北で組長になって、いままで通り暴れておしまい…では、ちょっとな。

Y木:まあ観てないからなんともいえんけどな。もう一本はどんな感じ?

S原:「実録闇のシンジゲート豊田登」のほうは、かなりクールでな。主人公は、冷徹というか本当に「非合法の商売」を淡々としているっていう感じやねん。チンピラとかケンカの場面も少なくして、ストーリーのテンポもすごく早い。日本映画独特のジメっとした湿気の多い感じではなくて、どこか乾いた雰囲気でな。

Y木:フィルムノワールみたいな感じ?

S原:そこまではスタイリッシュじゃないけど、主役の永澤俊矢はかなり抑えた演技で存在感があったな。それにこの人は声がすごく良いねん。この映画の雰囲気は、この声がかなり影響していると思う。映画自体のメインストーリーは「主人公がいかに金儲けをしようとしているか?」「警察はいかに主人公を捕まえるか?」が中心やねん。ほとんどサブストーリもなく、どんどん話がすすんでいくから結構面白いで。

Y木:非合法の商売って、覚せい剤とか?

S原:種類はわからんけど、ドラッグと拳銃の密輸やな。大事な密輸品(トカレフ)が台風で濡れてしまったから、ヤクザたちみんなで銃の水気を拭いていく場面とか、面白かったわ。銃は大事な商品やから、必死やねん(笑)

Y木:なんかサラリーマンみたい。

S原:一緒やで、ほんま(笑)あと、なかなか良い味の場面もあるねん。この主人公は妻子がおるねんけどな。非合法の商売で家にはほとんど帰らない。あるとき、娘とバッタリ家で会うねん。娘は「わたしの制服姿、見るの初めてじゃない?」と言われて、言葉に詰まる…一見なんでもないような、こういう短い場面も丁寧に描いているところも良かった。

Y木:じゃあ、「実録闇のシンジケート」はおススメってこと?

S原:うーん、おススメかと言われるとなあ…

Y木:なんで?

S原:だって話が終わってないもん(笑)大きな商売がうまくいくかどうか?主人公は捕まるのか?中途半端で終わってしまうねん。

Y木:えー、そうなんや。

S原:完結編があるらしいけど、ほんまに話の途中で話が終わるから評価が出来ない。

Y木:じゃあ、続きを観たらええやん。

S原:いやーもうええわ(笑)

Y木:なんやねん。

S原:でも永澤俊矢哀川翔も、結構良かった。なかなか役にハマってるしな。こういう役ばっかりやってるからかもしれんけど(笑)

Y木:でも話を聞いてると、なんかおまえは、この手のジャンルムービーに期待以上のものを求めているよな。

S原:だって、どうせ観るなら面白いほうがええやん。

Y木:そうやけど…こういう映画は、『こういう映画が好きな人』にむけて作ってるんとちゃう?一見さんお断りってことはないやろうけど、常連さん相手の商売っていうか。

S原:そうなんやろか。作り手側に、少しでも作品を多く観てほしいっていう気持ちはないんやろか?

Y木:わからんけどな。

S原:作り手側も観る側もそれで良いんなら、まあとやかく言わんけども…でもなー、地下アイドルだって、インディーのプロレス団体だって、なんとか自分たちに興味をむけてもらおうと努力するやん。キモイおたく相手でもグッズを売るために愛想をふりまくやん。そういう努力を見習ってほしいなあ。

Y木:地下アイドルとプロレス団体とヤクザ映画製作をまとめて語ったのは、おまえだけやと思うで(笑)

S原:さあ、みなさん。哀川翔がケンカする場面が大好きな人は前者、密輸ルートの駆け引きを楽しみたい人は後者がおススメです。ただし、どっちもやや消化不良気味なので、のんびりと肩に力を入れずに楽しんでくださいませ。

Y木:ヤクザ映画やのに、のんびりって…

 

ヤクザ映画10本ノック!「不動の仁義」(2013年)「抗争の挽歌」(2013年)の巻

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S原:今回はこちら!

Y木:うわーいかにも、という感じ…

 

(不動の仁義のあらすじ)

堂島譲(白竜)は、元極道。今はしがないバーテンダーである。ある日、兄弟分だった野沢組組長・野沢俊介(金山一彦)に、龍神会会長を襲撃した組員の中田(Koji)の逃亡の手助けを頼まれる。野沢に借りがある堂島は快諾。密航船で中田を海外逃亡させようと思案する。同じ頃、会長を殺された龍神会組員たちは、野沢を惨殺。友の死によって復讐の鬼と化した堂島の大殺戮が今、幕を開けた――

 

(抗争の挽歌のあらすじ)

力石会・竹脇六(原田龍二)の海老名連合総長襲撃!しかし襲撃は失敗に終わり、六は刑務所へ、力石会は海老名連合の傘下に降ってしまう。出所後、力石会若頭・権藤(中野英雄)に破門を言い渡された六は、闇金まがいの取り立てで暮らしを凌ぐ毎日だった。そんな折、襲撃の裏で権藤が手を引いていたことを知った六は、二丁拳銃を手に、力石会に単身で乗り込むのだが・・・!

 

S原:「不動の仁義」は、めちゃくちゃ単純やねん。いまはヤクザから足を洗った男が、昔に世話になった(身代わりに刑務所に入ってくれた)ヤクザ組長に、ある男を(海外に)逃亡させるのを頼まれる。主人公はなんとか逃亡を成功させるが、それが原因で、結局組長は殺されたので、復讐をする…それだけの話。

Y木:それだけか。みんなが、Vシネマと言うか任侠ビデオ映画に対して持っているイメージ通りの作品やがな。

S原:この世界はあまり知らんけど、お約束通りの作品とちゃうかな(笑)そつなく出来ているとも言えるし、物足りない出来とも言える。

Y木:やっぱり、役者をみるための映画?

S原:その通り。全編、主役の白竜がいかにかっこよいか、だけを考えて作られた映画です。でも、この手の映画はそれでええと思うで。

Y木:まあ、これをレンタルする人もそういうカッコよさを求めてるやろうしな。

S原:主人公は「昔はヤクザだったが、いまはバーの主人で妻と平和な日々を静かに過ごしている」という設定で、そんな雰囲気はよくでてたと思う。ただ、そのままのセリフで説明する。しかも2回も(笑)

Y木:わかりやすいなあ。

S原:それも含めて、一本調子で単純すぎるかな。薄味というか、コクもキレもないビールというか(苦笑)しかも、何回も同じ場面や同じセリフが繰り返される親切な作りやから、アイロンとか家事をしながらでも楽しめると思う。

Y木:なんやねん。

S原:もう一本の「抗争の挽歌」は、反対に異色作やと思うで。あらすじを読んだら単純な復讐ものやと思うやろ?

Y木:まあな。

S原:だけど、内容は全然ちゃうねん。こんなにDVD裏面のあらすじが違うのは、あの「陽だまりのイレブン」(1998)以来とちゃうかな。

Y木:あーあのジーコ主演の珍作ね(笑)

S原:「抗争の挽歌」の主人公は、かつて敵対する組織幹部(?)を暗殺したことで、刑務所に入ってたんやけどな。いまは、出所して小さな組で闇金の取り立てをしてるねん。ある日、取り立て先の飲み屋を訪ねたら、昔の友人の奥さんが店におるねん。旦那(友人)が勝手に200万円の借金をしてたのよ。店は奥さんが経営してるねんけど、昔の友人はヒモ状態でフラフラしてる。理由は「映画のため」やねん。

Y木:映画?

S原:主人公と友人は、一緒に映画を作る夢をもってたのよ。それがいつのまにか、主人公はヤクザになっている。一方、友人は夢が諦められず、まだ映画製作に夢をもってるねん。

Y木:ふーん。

S原:主人公の友人は、映画の脚本を書いてて、いまは一旗揚げようと東京に住んでるねん。もう40歳で最後のチャンスというわけ。

Y木:どんな映画を作りりたいの?

S原:Vシネマみたいな映画(笑)

Y木:身内の話か(笑)

S原:この男が、うだつのあがらないしょぼい男でな。才能があるんかないんかわからんけど、鉛筆ナメナメしながら、リンゴ箱で脚本を書いてるねん(笑)仕方がないから、主人公が東京に会いに行く。借金を返せと脅すけど、昔からの友達やから、話をしているうちに一緒に住むようになる(あとで奥さんも合流する)それで、主人公は、ヤクザなのに映画の世界になんとなく巻き込まれて行って…という話やな。

Y木:ヤクザ映画としては、変わり種かもな。話の広げ方によっては面白そうやん。

S原:主人公は、本物のヤクザの実情や経験を友人に話してやる。それをもとに友人は脚本を書き直していく。以前はしょーもない脚本しか書けなかったのに、(主人公の実体験をいれた)リアルで面白い脚本が書けるようになる。ひょんなことからプロデューサーに認められて、ついに実写化される…というストーリーやねん。

Y木:それで主人公はヤクザの仕事をせずに、どんどん映画製作にのめりこんでいくっていう流れ?

S原:そうなれば、もっと面白かったと思う。ちょっとウッディ・アレンみたいなコメディ風のヤクザ映画になってたかも、と思うけどな。そうはならんかった。結局、そうこうしているうちに、主人公は組から裏切られたことが分かる。そこで、落とし前をつけるべく組事務所に乗り込み、裏切っていた組の幹部を銃で撃つ…

Y木:なんか、急に陳腐になるんやなあ。

S原:そうやねん。やっぱり、こういうラストにせなあかんのかな。ちょっと残念やな。

Y木:Vシネマと言うか、こういうのが好きなお客さんに合わせるんやろうな。それにしても毎度毎度、同じ内容やと飽きそうやけどな。銃撃とかドスで刺すとか。

S原:まあ、飽きないんやろな、たぶん。同じような話でも、ゾンビ映画なら、かならずゾンビは襲ってくるし、ラブコメなら甘いキッスの場面があるやん(笑)

Y木:ジャンルムービーってことか。

S原:そうそう。ジャンルムービーはええとして、「抗争の挽歌」で一番残念なのは、あらすじも予告編も「映画製作のエピソード」に一切触れられていないことやねん。この映画のメインの話やけど、やっぱりそんな話ではDVDレンタルをしてくれへん、という意図なんかな。

Y木:そんなんやったら、はじめから作るなよと思うけど、まあそういうわけにもいかんねやろうな。

S原:ちゃんとストーリー紹介をしたら(ヤクザ映画ファン以外にも)意外とアピールできそうやねんけどなあ、残念。

Y木:ジャンルムービーの呪縛か。

S原:さあ、みなさん。まだまだ、ヤクザ映画ノックは続きます。お楽しみに!

Y木:いや、もう4本で充分ちゃうやろか…(ため息)

ヤクザ映画10本ノック!「除籍 血濡れの怪文書」(2014年)「頂点 てっぺん」(2017年)の巻

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S原:我々二人は、一応映画ファンやん?

Y木:最近、おれは映画を観てないけどな。

S原:ぼくは、このブログのために、まともな映画は全然観ずにワゴン映画ばっかりみてるけどな(笑)それはええとして、ぼくらが共通して観てない映画のジャンルあるねんな。それはヤクザ映画、とくにVシネマ系のヤクザ映画やな。

Y木:たしかに観てない。というか観たいとも思わんしなー。

S原:今回、ワゴンコーナーで大量に発掘したのよ。生まれて初めてちゃんと観てみましたので、10本まとめて取り上げます。ではスタート!

 

 

(除籍 血濡れの怪文書 のあらすじ)

一家のために20年の刑期を務め娑婆に出てきた毛利(今井雅之)。一家は甲斐性の無い四代目が受け継ぎ、実力者だった子分たちの居場所はなくなっていた。そんなある日、四代目とその取巻きに対する匿名の抗議文が組の中に出回る。この怪文書によって内部抗争が勃発するのだった…。

 

(頂点 てっぺん のあらすじ)

神田組の若頭補佐・神田竜一は組長・神田剛造の実子である。「ステゴロの竜」と呼ばれている竜一は他の組といつもトラブルを起こし、剛造を困らせていた。そんな竜一の見張り役に親友で神田組の若頭補佐でもある土井方陣がついていた。竜一に期待を寄せている神田組・若頭の工藤辰也は自分が癌であることを竜一と方陣に告白。動揺する二人だったが、工藤は最後の仕事として竜一を若頭にさせることを宣言するのだった…。

 

S原:今回は、この2本を取り上げます。「除籍 血濡れの怪文書」も「頂点 てっぺん」もオールインエンターテイメントという会社が製作してるんやけど、公式ホームページをみたら、大量の任侠映画(ビデオ)が製作販売されてて、頭がクラクラしたわ(笑)

Y木:ということは、やっぱり需要があるんやろうな。

S原:そういうことやろな。SFとかホラーとかも延々と作られ続けて、レンタル店の端っこに並んでるやん。あれと一緒なんやろうな。もうこの手の作品が好きで好きでたまらないというファンがおるんやで。本屋で西村京太郎の新刊が出たら、とりあえず買うという人がおるのと一緒やろうな。

Y木:その例えは合ってるんかなあ…ところで、なんで今回はこの2本立て?

S原:今回の「除籍 血濡れの怪文書」と「頂点 てっぺん」の2本はともに、だれが次の組長になるのか?という話やから、2本立てにしたんやけどな。

Y木:いや、この手の映画は、そんなんばっかりとちゃうの?

S原:よくわからんけど、そうやろうな。

Y木:それで映画としてはどうやったの?

S原:両方ともまあまあやった。ただ、この世界に興味がない人はやっぱり面白くないやろうな。だって、いくら映画が面白くても「バタリアン」(1985)に興味がない人はダメやろ?

Y木:世の中の大半がダメやけどな。というか、「バタリアン」はおもろないやん。

S原:まあな。この2本の話に戻すと、かなり映画の全体的なトーンがちゃうねん。まず、「除籍 血濡れの怪文書」のほうは、やや暗めで主人公のモノローグが静かにはいったりして、サスペンス風ですすむねん。「頂点 てっぺん」は、ヤングパワーで暴れるって感じの映画やったな。

Y木:ふーん。

S原:「除籍 血濡れの怪文書」のストーリーは、主人公が刑務所の刑期(20年)を終えて、組に帰ってきたら、人望のないヤツが組長になってる。主人公は、忸怩たる思いがあるが、ヤクザ組織としての掟には従う。なんだかんだで他の組と揉めたり、主人公が破門(除籍)されそうになったりしているうちに、組の内部に「怪文書」がでまわるねん。

Y木:怪文書?なんかの秘密が暴露されるの?

S原:いや、ただの組長への文句やった(笑)「今の組長はダメだ。我慢できないぜ」という文書やねん。

Y木:小学生か。それで?

S原:みんなで集まって組長に「あんたには人望がない。辞めなさい」と進言するねんけど、組長は「おれは組長なんだぞー」って怒るねん。

Y木:なんやねん、それ。

S原:それで、組長を銃殺して、次は主人公が次の組長になるところでおしまい。

Y木:うわー、ひどいな。面白なさそう…

S原:まあな。もうちょっといろいろとドラマはあるし、予想以上にちゃんと出来てたけどな。

Y木:「頂点 てっぺん」は?

S原:組長の息子が主人公で、組の幹部やねんけど、とにかくヤンチャでな。けんかっ早くて、すぐに他の組ともめ事を起こすねん。いつもナンバー2(若頭)がたしなめたりするねん。「もっと大人になってください」とか「次の組を背負う立場なんですから」とか。このナンバー2の役者はなかなか落ち着いた雰囲気で良い役者やと思ったわ。それで、このナンバー2が実は癌になってしまうねん。

Y木:あーそれで主人公は心入れ替えるわけやな?

S原:いや、いつもの通りヤンチャしてた。

Y木:なんやねん。

S原:それで、結局他の組と抗争になってナンバー2は撃たれて死んでしまう。その展開はええねんけど、ナンバー2は、主人公のことを「ジッシ」ってよぶねん

Y木:ジッシ?

S原:ぼくもなんのことかわからんかったんやけど、どうも「実子」のことみたいやねん。組長の実の子供やから、「実子」やな。

Y木:普通、そんなんで呼ばへんやろ…

S原:なんか変やねん(笑)さっきも言ったけど、ナンバー2が死んだ後もやっぱり主人公は大暴れしてるから、いろいろな人(大物)が仲裁(手打ち)しようとする。だけど、そのたびに主人公が暴れてよけいに話がややこしくなる(笑)相手側もやりかえすから、しまいには(どっちもやりすぎて)どっちの言い分が正しいのかわからなくなる。普通は主人公の感情移入すると思うねんけど、どっちの組が(ヤクザとして)筋を通しているのか、観ているほうもわからんようになるねん。これは、その演出効果を狙っているだけでなく、やりすぎで観客が混乱してるだけね(笑)

Y木:頂点(てっぺん)を目指す話やろ?組長を目指すというか。

S原:目指すも何も、親父が組長やから、つぎは自動的に世襲やがな。

Y木:いやいや、そうは問屋がおろさんやろ。組織内に反対勢力があって、また一揉めってことやろ?

S原:いや、みんな賛成してたで。「竜さんしかいないっすよ」「組をまとめてくださいよ」「おれたち、いつでも竜さんのために命張りますよ」って。

Y木:うわー…なんやねん、それ。

S原:「頂点 てっぺん」のほうは、抗争している組を裏から操ろうとしている若い男(理由は私怨)がいて、それがもっと上手に絡むかと思ったけどそうでもなかった。でも、次回作では味方(部下)になるんとちゃうかな?

Y木:えー続くんや。

S原:いや僕も知らんかったけど、この手の作品はどんどんシリーズ化するみたい。「頂点 てっぺん」も3まで作られてるし、パート4や5は当たり前、「日本統一」というシリーズはなんとパート37!(笑)

Y木:37本作って、まだ日本統一できていないんかい!

S原:この「日本統一」シリーズを全部観た人に、ぜひレビューを書いてほしい(笑)

Y木:それで、結局任侠映画を初体験した感想は?

S原:どっちもストーリーはたいしたことない。でもそれは狙い通りやろうと思う。あらすじの展開よりも、やっぱり「役者」をみるような映画になってたな。なんというか、いかに役者を「魅せる」かという演出に腐心してるというか。かっこよくスローモーションになったり、窓際でタバコを吸うとか、しかめっつらで静かに酒を飲むとか。

Y木:なんか80年代風やな(笑)

S原:「除籍 血濡れの怪文書」は今井雅之、「頂点 てっぺん」は波岡一喜が主演。それぞれ、役には合ってたと思う。あと、今回発見したのは、ほかの役者も有名・無名といろいろともちろん出演してるんやけど、なんというか「たたずまい」のような感じが、役者ごとにすごく差があるように思ったわ。

Y木:どういうこと?

S原:演技が上手い下手でなくて、脇役なら脇役で存在感があるというかな。

Y木:そりゃ演出でしょーよ。

S原:それもあるけど、同じ映画でも役者のレベルというのかバラツキがあるねんな。なんというかヤクザの幹部役やのに場末のサラリーマンにしかみえなかったり、チンピラ役やのに吉本新喜劇みたいやったり(笑)

Y木:要するに、役柄と合ってないんやろ。

S原:そういうことやろな。昔タランティーノが「映画のキャストは大事なんだ。キャストの一番弱いところが、映画の完成度になるから」と言ってたのを思い出したわ。

Y木:さすがタランティーノは興味深いことを言うなあ。

S原:たしかにキャスティングは大事やで。この2本とも楽しめるかどうかは、役者が良いと思えるかどうか?とちゃうかな。

Y木:なるほどな。まーヤクザ映画ってそういうもんなんやろうな。

S原:いつもなら、まとめコメントをするところやけど、もうすこしこの手の映画をみて、他にも紹介します。ちょっとだけ待ってくださいませ♡

Y木:いや、もう紹介せんでもええんとちゃう…?

 

 

ロボット映画2本立て!「キル・コマンド」(2015年)「キングスパイダー VS メカデストラクター」(2005年)の巻

キル・コマンド

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S原:今回は、2本立て!

Y木:B級映画感が満載やなー。

 

(キル・コマンドのあらすじ)

テクノロジーへの依存が進んだ近未来、海兵隊員たちと技術者のミルズ(ヴァネッサ・カービー)は、軍事訓練のため、孤島の研究施設に派遣される。その後、暴走したロボットに襲撃された一行は、実戦を繰り広げることになる。絶えず進化する人工知能を持ち、人類を排除しようと牙をむくロボット軍団に立ち向かう海兵隊員らの運命は……。

 

 (キングスパイダー VS メカデストラクターのあらすじ)

人類を突如襲撃した体長30メートルの巨大蜘蛛・キングスパイダーの恐怖を描いたモンスターパニックの続編。前作で破壊の限りを尽くし、ロサンゼルスごと核兵器によって消滅したはずのキングスパイダーが復活を遂げ、賭博の街・ラスベガスで大暴れする。

 

S原:世の中には2種類の大人がおると思うねん。

Y木:なんやねん、いきなり。

S原:ロボットがすきな大人と、それ以外の大人。

Y木:どーでもええわ!

S原:というか、あなた学生時代からロボットとか興味ないかったやろ?ガンダムとか。

Y木:興味ない、まったく。

S原:もったいないなー。みなさーん、ここにイデオンとかボトムズとかザンボット3を観たことのない大人がいますよー!

Y木:だれにアピールしてるねん。べつにロボットが好きでなくてもええがな。まーええわ、今回はロボットの映画やねんな。

S原:そのとおりでござる。このパッケージで心がウキウキする大人がおるねんで。

Y木:どっちもダサいなー。

S原:えー、かっこええやん。そもそもロボットを実写映画で撮ろうとするその心意気がうれしいよな。

Y木:そんな心意気は要らん。それでこの2本の映画はおもろいんか?

S原:え?

Y木:おもろいんか?って聞いてるねん。

S原:いやー、はっはっは、参りましたなー。

Y木:やっぱり、おもしろないんやないか!2本ともハズレなんやろ?

S原:まあな。今回2本をまとめたのは、実写のロボット映画は珍しいというのもあるけど、この2本は全然タイプの違う映画になってるねん。

Y木:どっちもチープな特撮なんやろ、どうせ。

S原:まず「キル・コマンド」のほうを話すと、こっちはすごくちゃんとロボットとか特撮が上手やねん。

Y木:ふーん、じゃあロボットが好きな人は満足ちゃうの?

S原:ちゃうねんなー、そういうところがな、あなたがロボット童貞やねんなー。

Y木:なんやねんロボット童貞って!きもいわ!まーSFXというかVFXというか、そういうのがちゃんと出来てるってことやな?

S原:そうやねん。特撮シーンというのかロボットの場面がすごく丁寧に作られてて、びっくりしたわ。たぶん、この監督はこういうSF好きなんやろうな。ただ、それ以外のドラマ部分が面白なさ過ぎて、せっかくのロボットが登場しても全然盛り上がらへんのよ。ふだん、ワゴンコーナーの映画を観てると、あーせめて特撮部分がちゃんとしていたらなー、もっと面白いはずやのになーとか思うわけよ。スラッシャーでも、宇宙船でも、天変地異でもなんでもええねんけどな。でもこの映画を観て、やっぱりドラマ部分も大事なんやと思ったわ。

Y木:すごく当たり前のことを力説してるで、おまえ。

S原:そういえばそうか(笑)とにかくロボットがでれば内容はなんでもええねんっていうマニアは満足かもしれんけど、ぼくはちょっとな…たとえば、ギターソロは超カッコいいけど、肝心の曲がダサいとやっぱり魅力半減やろ?

Y木:ギターマニアは喜ぶけど…ってことね。具体的にはどういうところがダメやの?

S原:まず、ストーリーが平坦やねん。近未来が舞台で、主人公は海兵隊員たちなんやけど、演習のためにある島にむかうねん。この島はロボットがたくさんいて、1機がどうもおかしいという情報もあり、半分人間・半分機械の女性と一緒に島に行くねん。あとは想像できると思うけど、演習(模擬戦闘)をはじめると、ロボットたちが暴走して海兵隊員を次々と襲っていく…というパターンやな。まあ単純です。

Y木:こういう映画は単純でええんやないの?

S原:あまり単純すぎるのもな…人間関係とくに軍人と女性アンドロイドとのやりとりなんて、いくらでも面白くなりそうやのに、なんか退屈やねん。ロボットの知能がすごくて、人間の行動パターンを先読みしたり、さらに主人公たちがその先を読んで逆襲したり…と話を聞いてると、ちょっと面白そうやろ?

Y木:まあな。

S原:でも、サスペンスというかハラハラドキドキがないねん。「よくできたロボットでんなー」「ほー、特撮はまあまあでんなー」って言っているだけで映画は終わってしまうねん。

Y木:浪速の商人か。

S原:「猿の惑星」(第1作)は猿の造形もすごいけど、やっぱり話が面白いし演出が上手いからヒットしたんやと思うで。だって、「猿の惑星 征服」(第4作)は、猿の造形は良かったけど、ストーリーはだれも覚えてないやろ?

Y木:もともと観てないから知らん。

S原:あと残念なポイントもあってな。女性アンドロイド役の女優がな、なんか幸薄そうやねん。いつも一歩先で幸せを逃してしまうような顔立ちやねん。恋人と別れた直後に撮影したんやろうな、可哀そうに…

Y木:また適当なことを言う。

S原:まあそういう映画やったわ。で、問題なのは、もう一本の「キングスパイダーVSメガデスラクター」やねんなー。これがなんともスゴイ出来でなー。ぼくも知らんかったんやけど、この映画はどうもpart2らしくてな。はじめに前作のダイジェストが流れるねん。

Y木:いまどき前作のダイジェストが流れる続編も珍しいな。

S原:昔のテレビ映画みたいやろ。これは遺伝子を組み換えたクモがでてくるねん。前作ではLAで大暴れしたクモが、今度はラスベガスで大暴れ、というわけやな。このクモは超巨大なんやけど、それに対抗すべく巨大ロボット「メカデストラクター」が登場するのがオープニングです。

Y木:うわー…

S原:まずは肩から発射された武器でクモをやっつけます。いっぽう、ある男がアタッシュケースにクモをいれて運ぼうとしてたんやけど、政府機関(エリア51)の女性ともめているうちに、クモが逃げ出してしまうねん。そこからが、スゴイでー。このクモが大暴れするねん。街で人を殺すわ、車を壊すわ、火災を起こすわ、山に登るわ、イチャイチャしているカップルを覗き見するわ、カジノの営業は邪魔するわ、道路を横切るわ、もうやりたい放題です。

Y木:なんかクモの暴れ方が、だんだんショボくなってないか?

S原:当然、われらがロボット・メガトラクターがまたまた出動して、クモと対決します。あ、言い忘れてたけど、このロボットは犬みたいは顔やねん。足が短くてバランスが悪い(笑)「リングにかけろ」の石松みたいな感じね。

Y木:知らんがな。

S原:あと、操縦室の後ろには消化器もちゃんとついてる親切設計(笑)しかも、なんと!このロボは空も飛べるのですよ!

Y木:なんと!といわれてもなあ…

S原:このロボットは住民たちの生命よりもクモをやっつけることを優先しているため、ロボットも大暴れです。だから操縦士たちも「人命軽視」で戦うねん。ミサイルを撃ったら外れてホテルは破壊されるわ(お客さんは死亡)、仲間のはずの戦闘機は住宅街に落ちるわ(住民は死亡)、カジノのポーカー大会の優勝者を誤って殺すわ(ほかの参加者も死亡)、パイロットは携帯電話で恋人に電話するわ(私用電話)、それを上司がみつけて怒られるわ(激怒)、もうやりたい放題です。

Y木:なんか違う…ような気がするねんけど、まあどうでもええわ(笑)

S原:いよいよ最終決戦ですが、すでにラスベガスはかなり崩壊しています。途中でロボットを動かしすぎて電池が切れたり、ビームを撃ち込むとクモがビームを反射して、仲間が戦死したりという信じられないような場面のあとに、最後はスカイツリーの上で対決です。ロボットがビームを発射! → クモにあたる! → 援護に来たトラックからもビーム発射! → クモにあたる! → ついにクモが死んでスカイツリーから落ちていく…

Y木:やっと終わった…

S原:と思ったら、ちいさなクモが合体!巨大クモになって、また主人公に襲い掛かる!あ、危ないぞ!と思ったら、上司が自爆スイッチを押してクモをやっつけておしまい。

Y木:ヤケクソやがな。

S原:結局、「キル・コマンド」も「キングスパイダー VS メカデストラクター」も大したことのない映画やった。けど、なんて言えばいいのか、前者はロボットの造形が良いのに面白くない、後者は特撮とかひどいけど面白くない。

Y木:要するに、こんな映画をええ年した大人が観るもんじゃないってことやろ。

S原:ガーン…

Y木:まあ、このブログで紹介した映画の大半はそんなんばっかりやけどな。

S原:さーみなさん。大人になってもいつまでもプラモデルのコーナーに行ってしまう人、オッサン同士の飲み会で「ザクレロはともかく、ビグザムって改めてみるとかっちょええよなー」とか「自衛隊の戦闘機はガウォーク形態には変形せーへんの?」とか言ってしまう人、そんなあなたがマストバイする映画ですよ!