あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) タイトルを今風に言うと「ワゴンセールのなかは、あなたの知らない世界に」

「誘惑の微笑」(2005)の巻

誘惑の微笑 [レンタル落ち] [DVD]

Y木:ウィレム・デフォーか。「ストリート・オブ・ファイアー」(1984)やな。

S原:さあ、「しわの多い顔のナイスミドル」ことウィレム・デフォー主演の映画ですよ。

(あらすじ)

ウィレム・デフォーが脚本・主演を務めたエロティックサスペンス。亡くなった恋人からN.Y.郊外の一軒家を相続した美しいイタリア人女性・エレノーラ。恋人の面影を確かめようとその家を訪ねたエレノーラは、もの静かな管理人・レスリーと出会う。

 

S原:これ、ウィレム・デフォーが主演だけでなく脚本も担当しています。

Y木:へえ、じゃあこれが作りたかった映画なんかな。

S原:うーん……これが作りたかった映画やとしたら、ちょっとなあ……

Y木:出来が悪いのはしゃーないやろ。

S原:いやそういうのじゃないねん。

Y木:ん?どういうこと?

S原:これはエッチな映画やねん。

Y木:そういう映画もあるやろ。

S原:いや、ウィレム・デフォーが個人的にエッチなことをしたいだけの映画やねん。

Y木:なんやねん、AV男優か!

S原:たぶんAV男優に憧れてたんやろうな。もう、チョメチョメの場面ばっかりが続きます。

Y木:昔、「ナインハーフ」(1985)ってあったやん?あんな感じ?

S原:いやー、全然違うなー。「ナインハーフ」はスタイリッシュやったし、ちょっと「現代の性描写」みたいな側面もあったやん。ミッキー・ロークキム・ベイシンガーも猥雑な反面、すごく清潔感があったやろ。大体、ミッキー・ロークはチョメチョメする場面は、本番せずにちゃんと演技してるやん?

Y木:いや、ウィレム・デフォーも演技や演技!

S原:いや、こいつは正真正銘のスケベやって。顔をみればわかるやん。たぶん女優と初対面のときも、容姿を確認して「ムフ♡」みたいな。

Y木:あだち充か。

S原:撮影中も「あわよくば……」みたいな下心まるだしやで。みえないところで、こっそりドッキングを狙っちゃう♡みたいな。

Y木:三國連太郎か。

S原:あ、言い忘れてたけど、ウィレム・デフォーの髪型が変やねん。田舎の床屋で散髪したみたいな。

Y木:よくわからん例えやなあ。それはええとして、一応サスペンス映画なんやろ?

S原:うーん、そうなんやけどな。ほんまに大したことない話やねん。美しいイタリア人女性は、亡くなった恋人からニューヨーク郊外の一軒家を相続します。彼女は、恋人の面影を自分の目で確かめようと家を訪れます。その家は、田舎で静かな場所にあるねん。その家の管理人がウィレム・デフォーね。ウィレム・デフォーは女性に冷たいのよ。亡くなった恋人の私物を無断で処分し、エレノーラの求めるものは何も無いと冷たくあしらいます。

Y木:ふーん。

S原:始めはギクシャクしていて2人だが、少しずつその感情は変わっていきます。そしてついにチョメチョメの一線を越えます。

Y木:なるほど。それから?

S原:ずっとチョメチョメします。いろんな場所でいろんなスタイルで。変な髪形の顔面しわだらけのおじさんの裸祭りだよ♡

Y木:キモイぞ。それで話はどうなるの?

S原:ずっとチョメチョメして、おしまい。

Y木:なんやねん、それ。

S原:ほんまにこんな映画なんやって!

Y木:ラストはどんなん?

S原:あー言い忘れてた!ラスト(だけ)がむっちゃ面白いねん。なんだかんだあって、女性がウィレム・デフォーの元から去っていきます。車に乗り込みエンジンをかけます。車を発進させます。そのとき!突然、ウィレム・デフォーが車の正面に飛び出ます!

Y木:おいおい、危ないやろ。

S原:案の定、車と正面衝突します。

Y木:どうなるの?

S原:死にます。

Y木:なにそれ……

S原:そして、一言「もっと、チョメチョメがしたかった……」ガクッ!

Y木:うそつけ。訴えられるぞ。

S原:いやーウィレム・デフォーって、ほんまにスケベなんやろうなあ。レンタル店でも、まっすぐに18禁コーナーのカーテンをかき分けて堂々と入るんやろうな。

Y木:ほっといたれ。

S原:レンタル店で女性客に見られて「ねえ、あれウィレム・デフォーじゃない?」「ほんと、アダルトビデオなんか借りるのねえ」と言われるんやろうな。それで、ウィレム・デフォーが「いいか?おれがアダルトビデオを借りたからって、おまえに迷惑をかけたか!」「言っておくが、巨乳系は好きじゃない!」と逆切れするんやろうな。

Y木:確かに迷惑をかけてないけど。というか、巨乳系でもなんでもええわ。

S原:貸出カウンターに持っていったら、「いつもありがとうございます。いや、ウィレムさんもお好きですねえ、いよ絶倫男♡」とか言われて、顔をシワクチャにしながら笑って「まあな。それよりも今度新作が入ったら連絡くれよ。あ、巨乳系はやめてくれよ」「わかってますよ、ウィレムの旦那!」「HAHAHAHA!」と会話してるんやろな。

Y木:おまえのキモイ妄想は、どこまで続くねん…

S原:まあ、そういう映画だったのさ(ため息)

Y木:いや映画の内容を話してないやろ!

S原:というわけで、どうしてもウィレム・デフォーのチョメチョメ姿がみたい人だけにおススメします。あーそうそう、大事なことを言い忘れてた!

Y木:なにを?

S原:ウィレム・デフォーって、チョメチョメするときの顔もしわだらけやねんで!

Y木:どうでもええわ!

「ブルーランジェリー 青い下着の女」(2019)の巻

S原:これは、まあまあ…かな。

Y木:ほう。

(あらすじ)

一夜限りの、危険なゲームがはじまる男が狙ったその夜の獲物は、あまりにも危険な相手だった青いランジェリーを身に着け、狂気を秘めた魔性の女《ファム・ファタール》そして愛欲の一夜は、恐怖の一夜に姿を変えてゆく・・・

 

Y木:これって、エロチック系なんやろ?

S原:実は、そっちは全然大したことない。ベッドシーンらしきものも数分間しかでません。全体的にはサスペンス映画やな。

Y木:ふーん。話は上のあらすじの通り?

S原:そうやな。主人公(サラ)は夫も子もいいます。今夜は、夫も子供も外出して、家にいません。どちらかというと大人しめの性格ですが、突然、黒髪のサラという女性が目の前に現れ、街に遊びに行くべきと誘ってきます。じつは、この黒髪の女はサラの幻覚で、なにかあるたびに登場してサラにいろいろと話しかけます。この黒髪の女の助言で、青い下着をつけて、その夜にサラは街に遊びに出ることに決めます。バーで飲んでいると早速男(ルイス)が声をかけてきます。

Y木:まあ、典型的なエロチックサスペンスの出だしかな。

S原:ルイスに、彼の家に来るよう誘われて、ついていきます。そこは豪邸でサラはすぐにルイスとチョメチョメを始めますが、途中でルイスとは別の男に変わっていることに気づき驚きます。この男(ケニー)は、この屋敷の持ち主です。

Y木:金持ちのボンボンか。両親は?

S原:いません。海外に住んでるらしい。ルイスは居候している身分やねん。だから、こうやって女性を誘って、ケニーのためにチョメチョメの途中で交代するゲームをしてるのよ。

Y木:悪趣味やなー。

S原:驚いたサラの目の前にまた黒髪の女が現れます。彼女はサラにゴルフクラブを手渡します。サラは、そのクラブでケニーの頭を殴打します。即死です。

Y木:殺してしまうんや。

S原:あっさりと死にます。頭にゴルフクラブが刺さって横たわっている姿はなかなかチャーミングです。ここから、ルイスとサラの駆け引きが始まります。警察を呼ぼうとするサラに、ルイスは「死体を隠せばうまくいく」と説得します。結局、サラとルイスが協力して山の中に死体を埋めます。

Y木:ちょっと待って。サラは、まあレイプされたようなもんやから仕方ないかもしれんけど、ルイスは死んだ奴の友達やろ?平気なんか?

S原:どうも、このルイスという男はモラルがないというか、独特の考え方をする男みたいやねん。友人が死んでも罪悪感とか感じてないのよ。

Y木:うわ、そういう奴なんや。

S原:このへんが評価の分かれるところやろうな。というのも、主人公はすでに精神疾患(分身を幻視している)があるのに、相手のキャラも道徳ゼロの変人という(笑)凝っているともいえるけど、どっちかが普通の人間でないと感情移入しにくいかも。

Y木:ふーん、映画としてはちょっと変わってるな。で、どうなるの?

S原:このあとに、ケニーの両親が帰ってきて、サラとルイスがとっさに誤魔化す。でも、だんだんその嘘も無理になっていく……という展開になります。

Y木:ラストは?

S原:サスペンスなので言いません。けど、伏線も(やや強引だけど)回収されるし、とりあえずはちゃんと終わっていると言えると思う。

Y木:じゃあ、今回のは大失敗作ってことはないんやな。

S原:うん。でも、全然エロチックじゃないから、そっちを期待すると全く面白くないです。この映画は、全体的に映像が冷たくて静かで淡々とすすむねん。僕はここが良かったな。ギャーギャー騒ぐだけの映画はもう食傷気味やから(苦笑)この映画は評価が分かれてるけど、高評価なのも低評価なのもよく分かります。

Y木:なるほど。

S原:というわけで、みなさん。エロを期待しなければ普通に観れます。クールすぎて、サスペンスなのにドキドキしないのが玉にキズですが、期待せずに見れば最後まで飽きないのではないか、と。何かの機会があれば、一度ご覧くださいませ~!

観た後に誰かに話したくなる映画 10選!「血の祝祭日」(1963)の巻

S原:さあ、最後は1963年製作のスプラッターですよ。

Y木:ハーシェル・ゴードン・ルイス…どっかで聞いたことのある名前やな。

(あらすじ)

エジプト料理店を営む男ラムゼスは、古代エジプトの女神イシュタールの崇拝者だった。自らを高僧の生まれ変わりだと信じるラムゼスは、若い女性を惨殺してはその体の一部を神に捧げるという凶行を繰り返していく・・・

 

S原:これは、ネットによると「世界初のスプラッター映画」らしいわ。それだけでも、友達に言いたくなるやろ?

Y木:別にならんけどな。

S原:『現在もカルト的人気を誇る、ハーシェル・ゴードン・ルイス監督による低予算ホラー。衝撃的な残酷シーンの連続に公開当時は各方面からバッシングを受けたものの、興行的には大成功を収めた』とのことらしい。

Y木:要するにチープなんやろ。

S原:イエース、その通り。というか、もうこれ以上ないくらいヒドイ出来やねん。

Y木:「ダメすぎて面白い」という楽しみ方も出来ないんか?

S原:出来ません(笑)ただ、スプラッター描写があるだけやったわ。

Y木:ストーリーはあるの?

S原:一応あります。刑事が2人でてきます。連続殺人事件を調査していますが、あまり上手くいっていません。この殺人事件が猟奇的なのはええねんけど、刑事の会話がこれ以上ないくらい説明そのものやねん。「これはヒドイ事件だぞ」「犯人の手がかりがつかめない」「どうしたらいいんだ」とか、こんなんばっかり。おまけに警察内の捜査部屋がコントみたいなセット。しかも場面転換ごとに、同じ刑事が事件について説明する親切すぎる演出です。

Y木:製作された時代……とは関係ないな(笑)それで?

S原:さて、エスニック料理店を営むラムゼスという男がいます。この男は古代エジプトのイシュタル神を崇拝しています。これもコントみたいな金の像です。だけど、このチープさは個人的には結構好きです。

Y木:楽しんでるやないか。

S原:ある日、客から「特別な料理が欲しい」と言う注文を受けます。彼は張り切って「エジプトの晩餐」という料理を作ることにします。なんと、それは古代儀式で、イシュタルを復活させるための儀式だったのです!

Y木:イシュタルって復活したらどうなるの?

S原:わかりません。

Y木:おいおい。

S原:たぶん、大変なことが起きると思います。

Y木:適当やなあ。

S原:そのラムゼスが、殺人事件の犯人やねん。若い女性を襲って四肢を切り落としたり眼球をとったり内臓を取り出したり、という場面が見どころです。

Y木:たしかにスプラッターやな。

S原:時代が時代やから、今のような直接的な表現ではないねんけどな。それでも、結構なキツイ描写やと思う。臓物や血をリアルに映していく場面はともかく、さっきも言ったけど、それ以外の場面がもう本当にひどいです。

Y木:演出がヒドイってこと?

S原:全部です(笑)演出、カメラ(ほとんど固定)、俳優の演技(棒立ち・棒読み)、変な音楽。出汁をいれずに、美味しくない食材たっぷりで作った濃厚スープって感じやな。

Y木:そんなスープ、嫌やなー。

S原:でも、ここまでいくと「味」になる……かもしれない、とは言い切れなくもないですよ、あなた!

Y木:結局、どっちやねん。

S原:あー今ふと思い出したけど、昔、美味しくないランチを出す喫茶店に行ったことがあるのよ。ぼくは、大抵の食べ物は美味しいと感じる味音痴の男やねんけど(本当)、その店は微妙やった。「もしかして、ぼくの食べた定食は失敗したんやろか?」「たまたま味付けを間違ったんかな?」って。それがどうしても忘れられなくて1週間後にもう1回行ったのよ。

Y木:どうやったの?

S原:やっぱり美味しくなかった(苦笑)まあ、この映画もそういうもんやろうな。映画自体の出来はともかく、とにかく印象に残ってしまうという。

Y木:そういうのが「カルト」って呼ばれるんやろ。

S原:そうなんかもなあ。でも、もう一回観る気はしません。

Y木:ラストは?

S原:刑事は犯人を追いかけます。犯人は足を怪我してゆっくりと逃げます。刑事2人は全力で追いかけます。いつのまにか仮面ライダーの怪人が爆破される造成地で追いかけっこをしています。何故かは分かりませんが、いつまでも追いつきません。やる気のない追いかけっこが続くシュールな場面が続きます。犯人は、ゴミ清掃車の中に逃げ込みます。走り去るゴミ収集車。嗚呼、ついに犯人は逃走してしまうのでしょうか?ところが、ここで大変なことが起きてしまいます。なんということでしょう、運転手は、ゴミ圧縮装置のスイッチを押してしまうのです。「ビボッとな」と!

Y木:タツノコプロか。

S原:犯人はゴミとともに巻き込まれて、血のりがダラダラ~。

Y木:悪趣味やなー。いや、そういう映画やけど。

S原:刑事が、ゴミ清掃員に向かって「感謝するぜ。街のゴミを始末してくれたんだからな。HAHAHA!」と英国ジョークを言います。そして、刑事の1人がこの事件のあらすじをもう一度丁寧に語ります。今まで観てきた内容なので、観ているほうは全然驚きません。

Y木:……その場面、要らんやろ。

S原:刑事2人は、一仕事終えた感たっぷりでタバコに火をつけます。犯人の遺体は放置したまま、「さあ帰ろう」。おしまい。

Y木:最低な刑事やな。というか、ゴミ清掃員の人も迷惑やがな。

S原:さあ、みなさん。ほとんど内容のない映画ですが、せっかくの休日なのになんとなくダラダラしてしまうという日がありますよね。「あーせめて映画1本くらいみてもよかったかなあ」って後悔するような日に選ぶなら、この映画ですよ!さあ、あなたの貴重な時間を無駄にしないためにも、このDVDをゲット&ウォッチしてくださいませ~!

Y木:いや、こんな映画を観るのも時間の無駄やって。

観た後に、誰かに話したくなる映画 10選!「狂覗」(2017)の巻

狂覗 KYO-SHI [DVD]

Y木:うわ、これは意味深な……

S原:今回も強烈ですよ~!

(あらすじ)

中学教師が瀕死の状態で発見された。犯人は、同校の学生である可能性が高い。責任を押し付けられた科学教師の森は、中学生の現状を把握する必要があると、抜き打ち荷物検査を計画する。抜き打ちといっても、普通の抜き打ち荷物検査ではない。生徒が体育の授業で教室不在の間を狙って行う秘密裏の荷物検査である。しかし、5人の教師による荷物検査は、中学生の現状を露にすると共に彼ら教師の実態をも明らかにしていくのだった…。

 

S原:この映画に関してはネットで映画レビューも少しありますが、評価は傑作か駄作かで真っ二つ。で、結論から言うと、ぼくはこの映画を支持します。

Y木:ほう。

S原:まず観終わった後、なんとも言えない気持ちになるねん。一番近い言葉では「嫌悪感」かな。でも、「嫌い」だけでない、単純に言葉では言い表せない何かがあるのよ。このような心がざわつく気持ちになるだけでも、この映画を観る価値があると思うねんけどな。

Y木:心がざわつくか……単純なハリウッドムービーで充分という人には不向きやろうな。

S原:たしかに、生クリームだらけの洋菓子じゃなくて苦みある和菓子みたいな感じやから。なので、こんなものをわざわざ観たくない、と言われれば反論できません。

Y木:それくらい個性的な映画ってことなんやな。

S原:うん。映画が始まると、校長室で傷だらけの上西という男性教師が見つかります。上西は、傷だらけです。彼を発見したのは校長(女性)ですが、校長のPCに『制服の下に隠された花びら』というホームページが表示されており、女子中学生のスカートの中を盗撮した画像ばかりが掲載されています。どうもこの上西という教諭は生徒の下着を盗撮していたらしい、と分かります。(上西を暴行した)犯人は生徒であると推測して警察に通報しようして、思いとどまります。ほかの教師4人と相談して、一緒に体育の時間で教室を空けている生徒たちの荷物検査をすることにします。頑ななに「いじめは存在しない」と言い張る校長を尻目に、次々とイジメを示唆する「証拠」がでてきます。と同時に「万田」という女生徒がイジメの主犯ではないか、と疑い始めるが…という感じで展開していきます。

Y木:ちょっと舞台っぽいな。

S原:ぼくも思った。ここまでで15分くらい(全編で80分くらいの映画)やけど、これ以上、詳しく言いません。できるだけ予備知識をいれずに観てほしいので…

Y木:それはええけど、結局はミステリー?

S原:作品としては単純にミステリーとは呼べない要素が多くて、一筋縄ではいかないのよ。予告編では、この映画の内容がうまく伝わらんと思うねんけどな。

Y木:もうちょっと、おまえの感じるモヤモヤを話してや。

S原:思春期の女子にまつわる闇でもあり、男の性(とくに変態性)の表出でもあり、現代社会のメタファーでもありつつ、ほぼ教室だけで展開される舞台のような実験的な映画でもあると思うねん。そのくせ、映画的でしか表現できない回想シーンやフラッシュバック(登場人物たちが過去の場面にそのまま登場する)もあって、ここは感心したわ。

Y木:そこまで言われると、ちょっと観てみたいかも。

S原:爽快感はないけどな(笑)あとは役者がみんな素晴らしい。全員知らない人たちですが、みんな少しずつ狂っていて、セリフまわしも独特ですごく印象に残ります。もう、そのまんまにしか見えないという(笑)

Y木:映像とか撮り方はどう?

S原:画面が鬱っぽくて暗くてジメジメしていて、登場人物たちの心情にピッタリです。大半は教室内で話は進むねんけど、屋上の場面もあるねん。屋外なのに開放感なんか微塵もなく、なんとも閉塞感だらけ……(苦笑)。他にも単純でいながら凝ったカメラワーク、バッサリとした編集、直接描写を避けているのににじみ出てくるグロさなど、ものすごく監督(藤井秀剛)のセンスを感じます。(脚本・撮影・編集・制作も兼ねてます)この人の個性はクセになりそうやわ~。

Y木:今回は、なんとも言えん感じの映画みたいやな。

S原:さあ、みなさん。これ以上は、興味がある人はぜひ観てください。とくにちょっと変わった映画や、変質的な映画が好きな人、舞台・映画製作に興味がある人は絶対に楽しめると思います。あ、いわゆる「エロ」の要素はほとんどないです。そっちを期待する人にはおススメしません。もしもみなさんが観たら、ぜひ感想をどこかでUPしてください。この映画、他の人の評価がすごく気になるんですよ~!

 

観た後に、誰かに話したくなる映画 10選!「バード・インフェルノ 死鳥菌」(2006)の巻

バード・インフェルノ 死鳥菌

S原:今回はなんともいえない気持ちになるこの映画!

Y木:感染パンデミック映画か。

(あらすじ)

鳥を媒介した突然変異のウィルスが中国で大発生した。伝染病の権威バーナック博士に報告が入るが、時既に遅く感染した男性が米国に入国していた…。感染は驚異的なスピードで全世界へと拡大する。成すすべもない米国政府を前に、人類滅亡へのカウントダウンが始まる。

 

S原:これはコロナがある前なら、普通のパニックB級映画に感じたと思う。でも、コロナ禍で世界中がメチャクチャになった後に観ると、なかなか辛いもんがある。

Y木:そうなんや。一応、鳥インフルエンザが題材やろ?

S原:うん。でも感染でパニックになるところは他人事とは思えない。というかコロナの状況にそっくり。それだけリアルに作ったんかもしれんけど。

Y木:あー専門家とかに聞いて脚本を作ったんかもな。

S原:いやほんまに気味悪いって。感染源は中国という設定やし……B級映画のくせに、こっちの心にグイグイ突き刺さります。くそーB級映画のくせに!

Y木:馬鹿にしてあげるな。で、映画としてはどうなん?

S原:真面目に作っています。

Y木:ほう。

S原:真面目過ぎて面白くないです。

Y木:あかんやん。

S原:というか何度も言うけど、これを「楽しむ」余裕はありません。本当に観ている間は、鳥インフルエンザがコロナに脳内変換されてしまうという…(苦笑)

Y木:ストーリー的にはサスペンスやろ?

S原:はい。王道です。中国広東省鳥インフルエンザが発生します。近くで働いていた男が感染します。そのとことから次々に感染が広がります。中国はWHOに応援を頼みますが、封じ込めは失敗します。結局、感染したアメリカ人男が、やたらとハークション!とかゴホゴホ!とかするので、どんどん感染が拡大します。おまけに少年野球の試合に行って「イエーイ!」ってはしゃぎます。調子が悪いんやから、家で大人しくしてろっちゅーの!

Y木:まあな。

S原:そうこうしているうちに、全世界に感染が広がって…という展開になります。

Y木:それで?

S原:主人公たち(医師や科学者たち)が調査をしたら、かつてのスペイン風邪よりもひどく最終的に全世界で1億5千万~3億5千万の人が犠牲になるだとろうと分かる。ワクチンの開発・供給にも時間がかかる。ちょっとでも良い情報を言いたい政治家たちが、不確定なことを言って世界はますますパニックになっていきます。

Y木:コロナとそっくりやん。

S原:ここからも結構リアルなんやけど、ここから先に細かく言いません。興味のある人はぜひ観てくださいませ。

Y木:ラストはウイルスをやっつけておしまい?

S原:やっつけることが出来ません。新しいウイルスがでた可能性があるので、アンゴラの村に調査に行きます。到着するとすでに全滅です。呆然とする主人公たち。そのあいだにも、どんどん感染が広がることを示唆しておしまいです。

Y木:うわー……救いのないラストやな。

S原:ハリウッドなら、良い感じで終わりそうなんやけどな。「アウトブレイク」(1995)でも救いのあるラストやったやろ。でも、この映画は一味違う。ほかにも印象に残る場面があるで。軍がワクチンの輸送をするとか、その輸送車をゲリラが襲う場面とか、死者はゴミ処理のような場所で「処分」される場面とか。

Y木:なんか生々しいなあ…

S原:ほんまに気分は滅入るで。

Y木:今回は、B級なれど一味違うみたいやな。

S原:イエース!さあ、みなさん。映画好きの我々にとってもコロナの影響は大きく、気分が暗くなりますが、いつか落ち着く日が来ることを信じて、いまは耐えましょう!映画自体は大したことなしですが、感染パンデミックストーリーに興味がある人にはおススメです。コロナのことは少しでも忘れて気分転換したい、という人はスルーしてくださーい!いつか、この映画を観ても笑い飛ばせるように日が来ますように‼

観た後に、誰かに話したくなる映画 10選!「茂木淳一のニンジャ・ポリス」(2006)の巻

茂木淳一のニンジャ・ポリス [DVD]

Y木:うわ、なにこれ…?

S原:超変な映画(?)をみつけたので紹介します。

(あらすじ)

とある時代の、とある国、ニンジャによる犯罪が多発していた。その裏には、悪のニンジャ塾の存在が。裏の世界を支配する塾長。ニンジャに憧れる若者たち。はびこる悪徳ニンジャビジネス。そんな世の中に、1人の男が立ち上がった。彼の名は「ニンジャ・ポリス」。次々と悪のニンジャを逮捕する彼の正体は?そして、塾長とニンジャ・ポリスの宿命の対決の行方は!?

 

S原:これはまず解説が要ると思う。

(解説)

大ヒットDVD「スキージャンプ・ペア」の実況・台詞コーディネイトでお馴染み茂木淳一。 本人名義としては初の映像作品(DVD)は、なんと映画!香港の幻の忍者映画 「NINJA THE PROTECTOR」を日本で再編集する権利を取得。愛情込めて一度解体、再構築! 都合良く物語を組み立て、更に勝手にアフレコ。しかも登場人物全員(24人!)のアフレコを茂木一人が行うという未踏の領域に侵入した意欲作。強烈なアジアテイストと茂木淳一のおかしな言葉選びが織り成す話題作になること必至!

 

S原:茂木淳一っていう人は知ってる?

Y木:知らん。

S原:一部では有名らしいけど、ぼくも知らんかった。昔、ぼくらが学生時代に映画の音声をオフにして、アドリブで適当なセリフをかぶせるっていう遊びがあったやろ?

Y木:あー下ネタばかりで女子はドン引きしていたやつな。

S原:先輩の作った映画を勝手にアテレコしたら、怒られたけどな。たまにハマって奇跡の瞬間があるねん(笑)要するに、ああいう「宴会芸」やな。仲間内で盛り上がるという。これは、本当の香港映画「NINJA THE PROTECTOR」の権利を買って、再編集して適当にセリフをかぶせてます。しかも茂木淳一が24人全員アテレコしています。

Y木:アドリブ?

S原:いやちゃんと新しく脚本を作ったらしい。もちろん元の映画とは無関係で。

Y木:はあー、いろんなヤツがおるなー。で、これはどうやったの?

S原:うーん、やっぱり宴会芸かな。

Y木:それでええんちゃうの。

S原:たぶんな。元になった映画「NINJA THE PROTECTOR」は映像をみる限り、ほんまにしょぼいからオリジナルよりも面白くなってる……はず。でも、茂木淳一ファン以外はちょっと辛いかなー。

Y木:ストーリーは一応あるの?

S原:一応あるけど、そんなのをちゃんと観ている人はいないと思う。ニンジャがぬるい感じでアクションするZ級映画やから。こういう「ネタ」を楽しめるかどうかやろうな。

Y木:イメージが湧かんわ。例えばどんな感じ?

S原:例えば、会話している場面に「イエース!」とか「わーお!」とかを意味なく挟んだり、真面目な電話をしている悪者2人の場面に「シュークリームを買ってこい」「駅前にやつですネ」「銀座だ!」とかぶせたりします。タンクトップ姿の男が「タンクトップ!タンクトップタンク!」と言いながら腹筋したり、カンフーっぽく戦っている男女が「どこの大学出身だ?」「専門学校よ!」と会話したり、若い男2人が「無意味に青いポロシャツが欲しいんだろ?」「青いポロシャツはいいよな」と会話したり……

Y木:なんか全然おもしろくないけど……

S原:だから、ノリ一発のネタなんやって。ハマるかどうかはその人次第としか言いようがないです。

Y木:まーでも、あれちゃう?ゾンビとかエイリアンとかしょーもないB級映画を観るよりもマシってことちゃうの?

S原:いやー、どっちもどっちかな。このDVDを買った自分が言うのもなんやけど。さあ、みなさん。これ以上のコメントは出来ませんが、興味のある人はぜひ一度ご賞味あれ!ネットフリックスやアマゾンプライムでは、まず配信は期待できない珍作ですよ~!

観た後に、誰かに話したくなる映画 10選!「デス・シアター 呪われた座席」(2018)の巻

ソース画像を表示

S原:いやー、素晴らしいジャケットですねえ。即買いしましたよ。

Y木:ショボいデザインやなー。

(あらすじ)

高校生の間で広がる都市伝説の恐怖を描いたサスペンス・スリラー。ひとりのいじめられっ子が語った町の映画館にまつわる都市伝説。座席番号は不明だが、その呪われた席に座ると死ぬという。誰もがただの作り話と思っていた矢先、一緒に映画を観た仲間が立て続けに奇妙で無残な死体となって見つかる。次は自分かもしれないとおびえる彼らは見えない敵を捕らえるため、決死の賭けに出る。

 

S原:ハッキリ言います。

Y木:おう。

S原:ハッキリ言いますよ、あなた。

Y木:はよ言え。

S原:これは…これは……最低な映画です!

Y木:わかってるわ。こんなん面白いわけないがな。

S原:いや面白くないのはええねん。なんというか、観ている人をイライラさせるのよ。

Y木:出来が悪くて?

S原:それもあるけど、これ観た人じゃないと分からんと思うけどな。これはロシア映画なんやけどな。ヤングたちの男女グループたち(8人くらい)が、怪談や都市伝説とか話しています。そこで「ある映画館の特定の座席に座ると死ぬ」という話がでます。そのあと、実際に仲間たちが映画を観た後に死んでいきます(2人)。主人公(女性)は、謎を探っていく…という展開になります。

Y木:べつに普通のサスペンスやん。

S原:設定はええと思うで。ジャケットも最高やし(笑)ただ、いくらなんでもスローすぎる。だって、主人公が「これ、おかしんじゃね?」と気づくのは映画が始まって1時間以上たってからやで?

Y木:あー…

S原:それまでは、何が映っているのかと思うでしょう。後半への伏線?サスペンスシーン?いーえ、答えはノーです。1時間以上なにも起こらないのですよ、あなた!

Y木:よくわからん。

S原:要するにストーリーが動き出すのは1時間たってからやねん。ちなみに映画は95分ね。1時間のあいだは、ヤングたちがダラダラと雑談したり、イチャイチャしたりしているだけ(苦笑)これはほんまに苦痛やった……

Y木:まあそういう映画もあるやろ。で、ネタバレというか真相はどうなん?ある座席に座ると死ぬっていうのは?

S原:これも大したことがなかった。真相はですねえ。「その席は母親の席だ!」と思い込んでいるサイコ野郎が犯人です。母親は事故で死んでるねんけどな。動機はともかく変やろ?一日中映画館でその席を見張ってるんかっちゅーの!

Y木:たしかに無理があるな。

S原:そのへんまでは、「ダメな映画」やねん。すごいのは、このあとに驚愕のどんでん返しがあるのよ。

Y木:あ、「カット!お疲れさまー!」と監督がでてくるとか?(笑)

S原:シベリア超特急方式のほうが良かったかも(苦笑)ある意味もっとスゴイで。犯人はやっつけられます(主人公にフェンシングで串刺しされます)。そこへ中年の小太りの婦人警官がやってきます。婦人警官は、ヤングたちに「逮捕するわ」と言います。そのとき!突然、「うううううう」と苦しむ婦警さん!

Y木:あー、「呪い」が続いていたんやな。

S原:いーえ違います。「ううう……生まれるうう!」そうです、生まれるのです!新しい命が!この太った中年のおばさんは、じつは妊婦だっだたのです。もちろん、いままでに妊婦であるという説明(伏線)はありません。しかも高齢出産です。戸惑うヤングたち。

Y木:そりゃ戸惑うやろ。

S原:婦警さんはいいます。「わたしを病院まで連れて行ってえええええ!」「お願いぃぃぃぃ!」

Y木:なにその展開……

S原:大慌てで婦警さんを病院に運ぶヤングたち。次の場面では、ゆっくりと車が停車します。やがて、車の中から赤ん坊の泣き声が聞こえます。

Y木:あー生まれたんか。

S原:ところが、車からヤングたちがでてきて、悲しみに暮れてます。絶望でぼうぜんとたちすくむヤングたち……

Y木:どういうこと?

S原:どうも婦警さんは、赤ちゃんを産んだ後に死んだらしい。

Y木:救急車呼ばへんの?

S原:呼びません。そのまま映画はおしまい。

Y木:えー……

S原:こんな気分が悪くなることってある?演出としてのバッドエンドとかあるやん。そういうレベルじゃなくて、ただただ気分が悪くなるだけ。しかも全然メインストーリーと関係のないオバサンのお産でどんでん返しという(苦笑)

Y木:それはひどいな。

S原:観ている人を、驚かせたかったんかもしれんけど、センスがなさ過ぎて絶句するで。まあこの最後の30分だけでも観る価値があるかも。

Y木:いやな気持になるために、観るんか。ちょっとなー。

S原:さあみなさん。珍作中の珍作と言っていいと思います。映画館でのホラー要素はまったくありませんが、変な奴らがウロウロするのは観れますよ。ちなみに主人公は美人なので、ロシア美女フェチは満足でしょう。イヤー世の中は広い。変な映画マニアの方は、レンタル店にあれば、ぜひご賞味あれ~!