(※ 前回からの続き )
S原:あの頃はよく二本立てがありましたね。
べえ:あったあった。
S原:お得感があって今でも好きなんですけどね。あまり最近はみないですが。
べえ:どうなんやろ。いろんな事情があるんやろうな。

S原:「転校生」は、劇場公開時は2本立てだったんですね。
べえ:そうそう。知らんかった?
S原:知らなかったです。あと「オン・ザ・ロード」(1982)も知らなくて。知ってます?
べえ:観たよ。結構おもろい。白バイ隊員(渡辺裕之)が、自分が原因でケガをしてしまった女性を追いかけるっていう。
S原:なんか変わった映画ですね。
べえ:変わってた。いまはほとんど忘れられてるけど悪くない。もうちょっと評価されてもいいと思うけど。

べえ:えー「翔んだカップル」(1980)の同時上映は「まことちゃん」(1980)やったんか……
S原:これ、組み合わせた人のセンスが……(笑) 当時、劇場で観た人の感想を聞きたいですね。
べえ:それにしても「まことちゃん」はないやろ(苦笑)
S原:どんな映画だったんでしょうね。「翔んだカップル」は相米慎二のデビュー作です。相米監督らしく一筋縄ではいかない映画でしたね。
べえ:あれなー……(苦笑)

S原:当時一大ブームを巻き起こした「セーラー服と機関銃」(1981)。「燃える勇者」(1981)との2本立て。「人気さらっちゃオー!」というキャッチコピーがバッチグーですね。
べえ:これ、結構良い組み合わせちゃう?
S原:「燃える勇者」は真田広之のアクションがすごかったことしか覚えてません。「セーラー服と機関銃」はアイドル映画のはしりと言われてますが……
べえ:アイドル映画ではないよな。メチャクチャやし。
S原:はい、キラキラした青春映画と思って観に行った男子はビックリしたでしょうねえ。いろんな意味で強烈でした……

S原:でました、我らが「汚れた英雄」(1982)! これも一緒にビデオで観ましたねえ。
べえ:観た観た。おまえのツッコミ付きで(苦笑)
S原:すいません。何回か観てるんですけど、もっとうまく作れるのになあという場面が多いんですよ。でも面白いです。
べえ:これ、角川春樹自身が監督やろ。
S原:そうなんです。たしか撮影の時に角川春樹が、草刈正雄に対して「演技なんかするな! おまえは人形みたいに立っていればいいんだ!」と演技指導したという。たしにかにマネキンみたいな感じでしたね。
べえ:角川春樹っぽいな。「伊賀忍法帖」(1982)のほうは観てないねん。
S原:渡辺典子のデビュー作ですね。これは、ちょっとうーん……。忍法もので面白そうだったんですけど。今観たら楽しめるんですかね。

べえ:この2本立てはすごいよな。
S原:たしかに(笑) 「うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」(1984)は、学園祭の前の夜を繰り返す話ですよね。もはや伝説ですね。
べえ:完全に押井守の映画になって、試写を観た高橋留美子が怒ったという。
S原:あんなに好き勝手に作られたらそりゃ怒るでしょ。「すかんぴんウォーク」(1984)はどうですか?
べえ:面白かったよ。
S原:山田辰夫がおいしいところを持っていったという(笑)
べえ:それも含めて完全に大森一樹ワールドやったな。
S原:でも吉川晃司のデビューは、すごかったですね。いままでは細っちょろい男性アイドルが主流だったのが、ガタイが良くて運動神経バリバリ(水球のオリンピック候補)のタイプが突然でてきましたから。

べえ:三部作では「ユー★ガッタ★チャンス」(1985)が一番好きかな。
S原:「ユー★ガッタ★チャンス」は僕も好きです。サーフィンしたり変な展開もあるんですけど、それもご愛敬で(笑) 同時上映は「クララ白書 少女隊PHOON」(1985)。
べえ:すごいなー、この組み合わせも……。「クララ白書」は少女隊を売り出すためのアイドル映画やろ?
S原:ですね。最近ネットで観たんですけど、最後まで観るのがしんどかったですね。というか、アイドルというよりもただの子供で(苦笑)

べえ:「探偵物語」(1983)は好きやねん。主題歌も良かったし。
S原:「あんなに激しい~潮騒が~♪」ですね。うーん。ちょっと暗くないですか?
べえ:そうかな。松田優作も良かったやん。
S原:でも「時をかける少女」(1983)との2本立ては素晴らしいです。そりゃ、男子中学生/高校生が劇場に行きますって。映画ファンにとっても根岸吉太郎と大林宣彦の2本が観れるなんて超お得ですよ。
べえ:たしかに。
S原:それにしても「時をかける少女」の原田知世は神懸ってましたね。角川春樹が「本当は、知世と結婚したい! でも結婚できないから、せめて1本映画を撮ってくれ!」と大林宣彦に頼んだという。
べえ:おいおい。あの人なら言いかねんけど(苦笑)

S原:「愛情物語」(1984)はどうですか?
べえ:観てない……はず。観たんかな。印象にないなー。
S原:普通の映画でしたよ。ただ普通過ぎて印象に残らないという(笑)
べえ:同時上映は「メインテーマ」(1984)か。
S原:個人的には失敗作やと思ってます。すごく変な作りなんですけど、それが全然上手くいってない。ただ主題歌は好きなんです。いまでもたまに聞きますよ。
べえ:「愛って~よく~♪」やな。たしか野村宏伸のデビュー作やろ。
S原:そうです。演技があまりに下手すぎて、観た時はドキドキしましたね。いろんな意味で(苦笑)
べえ:監督は森田芳光やろ。
S原:ですね。森田芳光、好きなんですけどねえ。あの人もときどきぶっとんだ映画を作りますね。この時期では「そろばんずく」(1986)とかムチャクチャやったでしょ?
べえ:あーとんねるずの? あれはなあ(苦笑)


S原:「Wの悲劇」(1984)は名作ですよね。くすぶりかけてた薬師丸ひろ子が一気に女優になったという。世良公則がクサいのも、ぼくは許容範囲で(笑)
べえ:「天国にいちばん近い島」(1984)、観たはずやけど覚えてないなー。これも大林宣彦やろ?
S原:そうです。なんとなく薄味の映画でしたね。一説では、大林が原田知世のヌードを撮ろうとして、角川春樹とケンカしたという噂を聞きましたよ。
べえ:そりゃ都市伝説やって。

べえ:「早春物語」(1985)、じつは観てないねん。
S原:えーうそでしょ! 今度DVD貸します。絶対に観た方がいいですよ!
べえ:そう?
S原:いやー林隆三と原田知世が絶品で。
べえ:「二代目はクリスチャン」(1985)、観たかな? これも印象に残ってない。井筒和幸監督やったかな。
S原:ぼくは観ました。でも忘れました! そういう映画ですよ、はい。

S原:これもなかなかの組み合わせですね。
べえ:「めぞん一刻」(1986)も観たはずなんやけど。忘れたなー。
S原:ぼくは見逃してるんですよ。でもまあ観なくてもいいかな、と(笑) 結構良い出来みたいですけどね。「ア・ホーマンス」(1986)は、ハードボイルド好きのべえさん好みですね。
べえ:うん、まあ。
S原:映像とか良かったじゃないですか。
べえ:…うん。
S原:松田優作も雰囲気バッチリだったし。
べえ:……うん。
S原:なにかご不満が?
べえ:いや好きなんやけどな……
S原:はい。
べえ:………あのラストが(苦笑)
S原:シーッ! それは言ってはいけません(笑)

S原:べえさんの好きな「彼のオートバイ、彼女の島」。同じ時期の片岡義男が原作で「ボビーに首ったけ」(1985)。覚えてます?
べえ:映画自体は覚えてる。けど、あれ観てないねん。
S原:吉田秋生のキャラデザは良いんですけど、変わった感じでしたね。突然色鉛筆の画面になったりすごく実験的で。野村宏伸が主役の声をしてるんですが、この世のものとは思えないくらい棒読みで、いくらなんでもあれはないんじゃないか、と(笑)
べえ:でも角川事務所は、野村宏伸を売り出したかったんやろ。
S原:でしょうね。残念ながら……でしたけど。
べえ:「カムイの剣」(1985)は観た?
S原:観ました。予告編みたらめちゃくちゃ面白そうで期待したんですが……最後のほうの展開がすごく駆け足になるんですよ。
べえ:そうなんや。
S原:あとで監督(りんたろう)のインタビューを読んだら「最後はわざとスピードをあげた演出にした」と言っていて。
べえ:ふーん。
S原:その演出もそんなに効果的でもないし、もっと財宝探しに絞って普通に作って欲しかったですわ……。サントラ(宇崎竜童)はシンプルで、めっちゃ恰好良いんですけど。

S原:この組み合わせもいいですね。
べえ:うん。じつは「ぼくらの七日間戦争」(1988)は好きで。
S原:えーそうですか。ぼくはあんまり……
べえ:そう? 結構良いと思うけどな。あ、part2はダメやで(笑)

S原:その「ぼくらの七日間戦争2」(1991)は、「幕末純情伝」(1991)との二本立て。
べえ:これはどうやろな。
S原:なんとなく小粒で、お得感がないですよね。まあ好みなんですけど。
べえ:言えることは「2つとも面白くない」ってことかな。
S原:その通りです、はい(笑)
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S原:そろそろお開きの時間が。
べえ:今日はよく飲んだなあ。
S原:はい、昼から5時間近く飲んでます。(本当)
べえ:そんなにか。しかし適当に喋っただけでも5時間たつんやな。
S原:本当に雑談でしたけどね(笑) でも楽しかったし次回もよろしくお願いいたします。そして最後にべえさんにお願いが!
べえ:お願い? なに?
S原:次は、出来ればべえさんの奥さん(美人)も連れてきてください~!
べえ:連れてくるか!
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まだまだ語り尽くせない「あの頃の邦画」トークですが、今回はこの辺でおしまい。
好評なら、またします!
次回(があれば)もお楽しみに~!