S原:今回はこちら、男のポールダンス!
Y木:はあ、いろんな映画があるなあ……
(あらすじ)
お笑い芸人を目指すアツシ(荒井敦史)とシンタロウ(阿久津愼太郎)は、単独ライブ用の貯金をお笑いワークショップにつぎ込む。彼らが教室に出向くと、そこにはリストラされた会社員のヤマグチ(山口賢貴)や、東北から出てきたミッチー(三津谷亮)ら地味なメンバーが集まっていた。そこにお笑いとは無関係のポールダンサー、ナミコ(泉カイ)が現れ……。
S原:これは出来は普通やったけど、ぼくは好印象やねん。まあ題材が題材やから、観る人を選ぶやろうけど。
Y木:青春スポ根みたいな感じ?
S原:そういう要素もあるけど、どちらかと言うと「ダメになりかけた若い男たちが奮起する話」かな。もちろん、ポールダンスで奮起するわけね。
Y木:これ、男性アイドルたちが主演やろ。ジャニーズ?
S原:ジャニーズではありません。ワタナベエンターテインメント所属で、若手男性俳優ユニット“D-BOYS”の弟分ユニット、“D2”のメンバーです。今回、出演するのは荒井敦史、阿久津愼太郎、山口賢貴、近江陽一郎、上鶴徹、三津谷亮、池岡亮介、西井幸人、根岸拓哉、陣内将の10人。そのうち8人がポールダンスをします。
Y木:ごめん、全然知らんわ。
S原:ぼくも知らんかった。でも先入観がないから、その方が良いです。キムタクはキムタクにしかみえないので。
Y木:まあ、いつも同じ感じの役やしな(苦笑)
S原:で、この映画の一番良いところは、そのD2のメンバーたちやねん。
Y木:ほう。演技がいいとか?
S原:演技はまあまあですが、存在感があります。あと立っている姿が良い。でも一番良いのは、ちゃんとポールダンスをしているところやな。かなり練習したんとちゃうかな。
Y木:じゃあ、映画としては成功やろ。
S原:そうやな。成功した要因はすごく明確やねん。それは、D2のメンバーたちがちゃんと脱いでること、です。
Y木:あー言いたいことは分かる。
S原:かなり前に「ダイブ!!」(2008)って映画を紹介したのを覚えてる?
Y木:覚えてない。
S原:そのときに、林遣都、池松壮亮、溝端淳平を褒めたんやけどな。演技も良かったけど、彼らがきちんと競泳水着姿を見せてるし、しかも鍛えた体(細マッチョ)やから、説得力があるねん。飛び込み選手の役やから当たり前という人もおるかもしれんけど、その「当たり前」が出来ていない映画とか役者が多いやろ。
Y木:まあな。
S原:「ポールダンシングボーイ☆ず 」も、それに近いです。
talksessionyands.hatenablog.com
S原:反対に、「男女逆転 吉原遊郭」(2008)とかは全くダメやった。遊郭の話なのに、男優が全く脱がない。ストーリーや演出云々ではなくて、そもそもこれでは遊郭にいる男(遊男)にみえません。もっと萌えを意識して色気を感じさせてほしいですよ、はい!
Y木:どの視点で話をしてるねん?
talksessionyands.hatenablog.com
S原:ただ、この映画は欠点もあるのよなー。
Y木:なに?
S原:10人近くヤングな男がでてくるとな。ほとんど区別がつきません……
Y木:それは、おまえがオッサンやからやろ。若い娘とかファンは区別つくからOKなんやろな。
S原:そうそう。普段、ジャズを聴いていない人にとっては、山下洋輔と渡辺香津美も一緒やからな。
Y木:その2人は楽器が違うから区別できるやろ。
S原:楽器の違いくらい、この映画も分かりやすくしてほしかった。でもまあ、楽しかったで。
Y木:話は?
S原:ほとんど語ることがないです。それぞれ、訳ありのキャラたちが騙されてある場所に集まります。そこはポールダンス教室でした。そのまま、ひょんなことからポールダンスをすることになる。SNSでバズって、最後はライブハウスでお客さんが一杯になります。クライマックスは、男達の熱きポールダンスショーね。
Y木:結構、ストレートな話やな。
S原:それでええと思う。練習中から、Tシャツに短パンで健康的な生足がバンバンでるし、局部にファウルカップを付けたブリーフシーンもちゃんと撮ってます。ファウルカップをつけたまま、外に出て行ってオバサン2人が興奮するという名場面もあるで。
Y木:なんやねん、それは。しかしファウルカップをつけて、ポールダンスを出来るんか?
S原:先生に「そんなものは外しなさい!」って怒られてたわ(笑) 同じポールダンス教室に通う女子2人(そのうち1人は、ブレイク前の橋本マナミ)がレオタード姿になるけど、観ていると「そんなんええから、もっと男子(の半裸)を見せてや!」って思ってしまう。
Y木:やめろ。おまえ、そういう趣味ないやろ。
S原:あと、この映画の一番の見どころは、ふんどし姿やろうな。
Y木:へえ、ふんどし。
S原:山本譲二以来やで、テレビ画面でふんどし姿を見たのは(笑) ともあれ直球勝負で、ポールダンスの説得力で最後までいきます。というわけで、この映画は完全にファン向けですが、ファン以外でも若い男子の半裸に萌える人にはおススメです~!