あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

ドキュメンタリー映画4番勝負!「プロジェクトグリズリー」(1996)の巻

Project Grizzly DVD

S原:さあ、どんどん馬鹿らしくなっていくドキュメンタリー映画4番勝負、最後はこれ!

Y木:なにこれ?ロボット?

(解説)

凶暴なハイイログマ(グリズリー)に接近して調査することの魅力に取りつかれた男のドキュメンタリー。その昔、グレズリーの調査中に襲われて死にかけた男・トロイ。彼は自家製防熊パワードスーツを身に付けて再びグレゴリーの待つ山頂へと向かう・・・!

 

S原:キャッチコピーが泣かせるよな。「オレの一生を捧げる」!一周まわってかっちょうええよなあー。

Y木:何周まわっても、かっこわるいわ。しかし、これは珍作やなー。

S原:うん。熊と遭遇した経験から、次に熊とであったときは自分の身は自分で守るっきゃねえ!ってハッスルする映画やねん。

Y木:身を守ることが、ロボットになるってこと?

S原:パワードスーツですよ、パワードスーツ!

Y木:どうでもええわ。これ、ロボットを作るところを映してるの?

S原:そうです。さまざまな試行錯誤を繰り返します。前半はロボスーツを着て、防御力を試す場面が続きます。

Y木:防御力?

S原:おおきな丸太をロボスーツにぶつけます。もちろん、ロボの中には主人公(トロイ)が入っています。丸太でぶっ飛ばされるトロイ。心配して助けに行く友人たち。トロイはにっこり笑って「大丈夫!このスーツなら、熊と出遭ってもセーフさ!」

Y木:……楽しそうでよかったな。

S原:さらに、銃で撃ってもらったり、アーチェリーで狙われたりしますが、ロボスーツは問題なし!

Y木:銃やアーチェリー……笑いをとりにいってるやろ。

S原:いいえ、トロイは大真面目です。あーそうそう、今思い出したけどロボは軽トラックに荷台に立った姿勢でくくりつけて運搬するねん。この場面が「太陽の牙 ダグラム」みたいでな。結構かっこええねん。

Y木:軽トラックの荷台にロボット……ダサすぎる……

S原:ほかの実験もすごいです。崖から転げ落ちたり(クマとの戦闘になったときの逃亡できるかチェック)、車に吹っ飛ばされたり(不意の交通事故に遭遇するかもしれないため)、火の中を歩いたり(暑い夏の日の耐熱チェック)飲み屋の前で不良に棒きれで叩かれたりします。

Y木:は?

S原:ほんまにそういう場面があるねんって!まあそんな風に、いろんな実験(?)を楽しそうに試行錯誤したのちに、ついにトロイはロボスーツを完成させます!その名も「マーク6号」です。しかも投資した費用は、150万ドル!

Y木:ブリキのロボットのおもちゃに150万ドル……

S原:いーえブリキではありませんよ。装甲は合成ゴム、チタン、鎖帷子、中にはエアバック装備で頭部も守られているのです!チタンは二重構造になっていると聞けば、誰でも驚くでしょうねえ!

Y木:驚きません。

S原:ところが、完璧にみえたこの「ロボットプロジェクト」にも欠点がありました。

Y木:なに?

S原:ロボットの防御力を重視するあまり、めちゃくちゃ重いのです!

Y木:あーそう……

S原:あと、関節などがほとんど動かないから、ほぼ立っているだけ。すこしだけ歩きますが、倒れたら自力では立ち上がれません。

Y木:熊と会ってもどうしようもないやん。

S原:関節が動かないロボというと、ガンダムのぱちもんプラモ「モビルフォース ガンガル」を思い出しますねえ。

Y木:知るか。話をすすめてくれ。

S原:いよいよ完成したロボを山へ運びます。重すぎるのでヘリコプターで運搬します。エヴァンゲリオンそっくりです。ここは、ちょっとカッコイイので感心していましたが、一緒に観ていた息子はこの場面で爆笑していました。

Y木:息子の反応が正しいわ。

S原:さあ山に着きました。トロイのほかに銃を持った友人たちも同行しています。チームで熊と遭遇するまえに、いろいろと準備をしますが、ここでまた問題が発覚します!

Y木:今度はなんやねん?

S原:山道はデコボコなので、ロボは歩けないのです!

Y木:前から気付いてたやろ、絶対!

S原:トロイの指示で、ロボは山頂に持っていきます(またヘリコプターで)。

Y木:なんで山頂に持っていくの?

S原:わかりません。たしか足元が安定しているからという理由だったように記憶していますが、観客が納得のいく説明はありません。そのまま、無人の山頂でしばらく待機させられているロボ。

Y木:はー……(ため息)それで、熊とは会えるの?

S原:チームは熊を探し続けます。近くまで存在を感じますがなかなか会えません。数日後、高原のようなところで、キャンプをしているとついに遭遇します。熊はかなり遠方にいますが、大丈夫そうです。いよいよロボ発進のゴーサインがでます!

Y木:おおー。

S原:ところがロボは、山頂に放置していることを思い出します。トロイは「くそー、なんでロボを移動させたんだ!」

Y木:おまえの指示やろ!

S原:やがて、雪が積もっていきます。トロイや友人たちは言います。「このまま冬になれば、熊とはもう会えないだろうな」「そうだな、冬眠するからな」「しかたない」と言って、帰っていきます。

Y木:夏にチャレンジしろよ!というかロボはまたヘリコプターで運ぶの?

S原:いえ、もうそのお金はありませんので、そのまま山に放置プレイです。

Y木:……思いっきり環境を汚してるやん。

S原:また、雪山に放置されているロボが悲しげに映って、おしまいです。たぶん、いまだに回収されていないのではないか、と。

Y木:というか、こんな映画にせんでもええやん。YOU TUBEでやれよ。

S原:やってるそうです。

Y木:あーそう……(遠い目)

S原:さーみなさん。脱力系でもなくシニカルでもなく究極のバカでもない、中途半端な感じですが、それなりに面白いです。世の中は広いですなー。トロイさーん!今度は、空飛ぶロボットスーツを作って、鷹やコンドルと戦ってくださーい!これにてドキュメンタリー映画特集は、おしまい!