
S原:さあ、久しぶりに日本映画をまとめて紹介します! まずはJK!
Y木:おまえ、ええ年してこんな映画を……(絶句)
(あらすじ)
とある地方都市に住む高校3年生の奈都(なつ)、葫子(ここ)、万里音(まりね)は、性格はまったく違うが、共に片親という境遇は同じという仲の良い3人組。そんな彼女たちには、それぞれ恋愛の悩みがあり……。
S原:これは、関めぐみ主演なのでゲットしたのよ。かなり前に紹介した「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」でノックダウンされたから、中古店で見つけた時は嬉しかった。また再会できてよかったわ。
Y木:むこうは、おまえに見つけて欲しくなかったんちゃう?
talksessionyands.hatenablog.com
S原:で、監督は飯塚健という人。後で調べて分かったけど、これもかなり昔に紹介した「金髪スリーデイズ35℃」の監督やった。「金髪スリーデイズ35℃」は、出来は良くないけど独特のムードはある不思議な映画やったで。
Y木:ごめんやけど、2本とも覚えてないわ。
talksessionyands.hatenablog.com
S原:で、「彩恋 SAI-REN」なんやけど、こういう映画って久しぶりに観たんやんけどな。JKの娘をもつ親としては、「あーみんな悩んでるだな」「若いって素晴らしいなあ」と、暖かい目線で観れますな。
Y木:じじいかよ。
S原:「でもな、大人になったら、もっと辛いことがあるんやで」と言いたいです。「103万円の壁を意識しながら、パートせなあかんねんで」とか「自分には全く価値のないDVDを嬉しそうに買ってくる旦那をみて、ため息つくんやで」とか。
Y木:そりゃ、おまえの家やがな。

Y木:で、映画としてはどうなん?
S原:まあ普通かな。ところどころ良いところもあるけど、全体としては可もなく不可もなくという感じです。
Y木:それでええんちゃうの? ラブコメやろ。
S原:これ、ラブコメなんかな。ちょっと不思議な感じがあるけどな。ただ他にもこういう映画ってたくさんあるやろ? その中の1本として埋もれてる感はあるわな。実際、レビューもあまりないから観た人も少ないと思う。
Y木:おまえのおススメの関めぐみはどうやったの?
S原:うーん、わりと良かったけど……「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」の方がハマってたかな。もともと大人びてるから、あまり高校生にみえないのがちょっと(苦笑) 彼女が主人公なんやけど、ほかに徳永えり、貫地谷しほりの仲良し3人組やねん。JKらしくキャッキャッとする映画です。
Y木:はあ。

S原:……と思ってたら、意外な展開があるのよ。
Y木:意外って?
S原:映画が始まるとすぐ関めぐみは、恋人(大学生?)にフラれるねん。ところが、途中で妊娠していることが分かる。
Y木:えー……
S原:しかも、その恋人は事故で急死してしまう。こっそりと携帯電話のメールをみると、関めぐみとやり直しをしたいといメッセージが未送信になっていることに気付きます。
Y木:それってベタじゃない?
S原:ベタでもええねんけど、そこで主人公と一緒にこちらの感情がかき乱されることはなかった。ぼくがオッサンということを差し引いても、キャラクターに感情移入することはあまりないんちゃうかな。
Y木:そのへんは人によるやろうけどな。で、どうするの? 産むの?
S原:いろいろあるけど、産むことを決意します。あとは、徳永えり、貫地谷しほりの親同士が再婚するとか(もともと片親という設定)、電車で見かけた予備校生(?)に片思いするとか、関めぐみの弟の初めてのチョメチョメとか、オットセイのとっくりセーターを脱がすとか、そういうエピソードが淡々と描かれます。
Y木:後半は下ネタやないか。
S原:あーなぜか下ネタが多いよ。エロな場面はないけど、なぜかそういうエピソードが多い。監督の趣味かどうかはわからん。でも、これもそんなに印象に残らない。
Y木:ふーん。あとは?
S原:あとは、全編にJ-POPが流れます。コピペすると、GOING UNDER GROUND 『サンキュー』、スキップカウズ 『赤い手』、くるり 『ばらの花』、フラワーカンパニーズ 『青い春』、SINGER SONGER 『home』『初花凛々』、髭(HiGE) 『Acoustic』、ohana 『ヒライテル』ですな。ファンは喜ぶと思う。
Y木:なるほど。
S原:舞台は、銚子やったと思う。たぶん鉄道会社の協力があって、駅や鉄道の場面はしっかりと撮れています。あとは、海に近い風景が良い。JK2人が電動キックボードで走る場面とか良いよ。
Y木:青春って感じで?
S原:そうそう。ベタやけど、こういうのは爽やかで良いですなあ。

S原:個人的に一番好きな場面は、ファミレスで3人で話をしている時に、関めぐみが視線を外して窓の外をみるねん。夜やから、関めぐみの顔が窓に写る。その窓に写った関めぐみに向かって、徳永えりが話をするねん。(貫地谷しほりだったかも…) ここは感心したわ。
Y木:その説明ではよくわからん。
S原:ま、機会があれば観て下さいませ。ぼくはこの場面が一番好きです。

S原:ただ、変な場面も多い。例えば、怪我している人をみつけても救急車を呼ばないとか、弟の初体験を姉(関めぐみ)が応援するとか。
Y木:ま、普通はそんなことせんわな(苦笑)
S原:というわけで、この映画は悪くありませんが、劇中の音楽が好きなら楽しめるかも……あ! 大事なことを言い忘れた!
Y木:なんやねん、そのパターン多いぞ。
S原:ぼく、子供っぽいJKの3人よりも母親役の奥貫薫の方が好き!
Y木:………(無表情)