あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

閑話休題 「いままで紹介した映画のうち、好きな5本を選んでみる」の巻

今回は、いままでこのブログで取り上げた映画の中から、S原が5本を選んで紹介します。

これは映画のテーマとか完成度ではなく、単純な好みで選んでいます。なので「全然面白くないわ、こんなもん」という人もいると思いますが、ご容赦を。

ちなみにワーストは言いません。だって多すぎて選べないから(笑)

 

 

〇 悪魔の銀河鉄道1984

僕とY木にとっては珍作映画界のベスト作。この映画を観て世の中にはバカ映画というジャンルがあることを知りました(笑)もちろん、このブログを始めるときに、真っ先に取り上げようと決めたし、個人的にいまだに、これ以上の映画を観たことがありません。

 

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(列車の中でヤングたちがダンスしているという謎のオープニング。ドラムがずれてます)

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(横でサックス吹きがノリノリですが、なぜかサックスは吹きません)

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(おそらく人類史上最もカッコ悪い「イエ~イ♪」)

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(その横で、なぜか会議をしている神様と悪魔)

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(脈絡なく出てくるナイスすぎる怪物)

 

出来が悪い映画、ダメな映画は数あれど、列車のなかでヤングたちがダンスしているというシュールさ、その横の車両で悪魔と天使が会議しているという設定、劇中の3つのエピソードがどれも理解不能なこと、脈絡なく粘土細工の怪物が登場する展開、どれをとっても破綻しています。なのに、映画としてはどうしようもなく魅力的になってしまうという魔術。いやあ、(Z級)映画の神様っているんですねえ…(ため息)
talksessionyands.hatenablog.com

 

 

〇 ユニットバスシンドローム(2005)

いまだに心に残る映画。大好きです。ほとんど何も起こらないような地味な話ですが、おすすめです。

主演の2人(山中崇勝俣幸子)の雰囲気と佇まいがとにかく素晴らしい。セリフが少なく無駄のない映画を作る監督(山口智)のセンスも良いです。映像がクリアでないのが残念ですが、観ているうちに気にならなくなります。映画後半の登場人物たちの微妙な「心の揺れ」をご堪能下さい。

 

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(ユニットバスで女性(幽霊)と出会います)

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(友人役が良い味です)

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(この何気ない場面、良いんですよ~)

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(お母さんになった友人が命日に実家に来てくれる。でも、(幽霊になった)主人公には気づきません……ぼくはこの場面が一番好きです)

この映画は、出会えば必ず好きになる人がいるはずなんですよ。どこかのテレビ番組とかで紹介されて、もっと広く認知されないもんでしょうか。このまま消えるのはあまりにも惜しい!

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〇 フィギュアなあなた(2013)

作品としては、いびつに歪んでいて完成度は低いです。主演女優(佐々木心音)は演技も歌も下手です。相手役の柄本佑もキモイです。下劣なエロさ爆発です。他の登場人物みんな変です。マジメな女性は途中で観るのをやめるでしょう。ほかにも突っ込みどころ満載です。

でも、僕はどうしようもなくこの映画に惹かれます。自分でもなぜここまでこの映画に心揺さぶられるのか理解できません。

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(単純にエロと言い切れない作品と思っています)

 

佐々木心音柄本佑はプロです。役者魂がさく裂しています)

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(この奇妙で不可思議なシーン。ものすごく好きです。佐々木心音が超魅力的です!)

 

深いレベルでも低いレベルでもいろいろと考えさせられる稀有な映画です。日本映画の歴史を語るうえで外してはいけない作品だと思っています。これ、おおげさではありませんよ。

 

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〇 マジック(1979)

単純に好きです。これも地味な部類ですが、大きく覚醒する前のホプキンスといい、アッテンボロー監督の品の良さとホラー要素の融合といい、(いまでは絶対に演出しないような)バッサリとしたラストといい、もうたまりません。

 

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(ホプキンスに似せて作ったという腹話術人形・ファッツ)

 

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(「5分だけでもいいから人形を黙らせてみろ」)

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(「そんなこと、簡単に出来る!」この場面では2人の名演が堪能できます)

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(次第に追い詰められていく主人公。ぶれ気味の陰影がまた良いんです)

 

出演者はほぼ3~4人だけ。いまでは、撮れそうで撮れないタイプの映画だと思いますね。映画好きなヤングたちにもおススメです。

 

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〇 「ネガティブハッピー・チェーンソーエッヂ」(2008)

これも好きです!これも、もっと広く認知されてほしい作品です。

アニメの良さを取り入れたアクションシーンの凝り具合も気持ちいいいんですが、やっぱり市原隼人関めぐみの組み合わせにノックダウンされました。コミックとSFと現実感と恋愛ものとの微妙な交わり加減が絶妙なバランスを保っています。この映画でみせる関めぐみのキリっとした表情、市原隼人の情けない表情、忘れられません。

 

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(情けない表情が似合う市原隼人

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(見よ、関めぐみのこの眼力!)

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(アクションシーンもスタイリッシュで凝っています)

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市原隼人関めぐみを家まで送っていく場面。ぼくはこの場面が大好きです。2人のやり取りがすごく良いんですよねえ)

 

それにしても、なぜ北原拓司監督が超メジャーでないのか不思議です。この人にいろんな映画を撮るチャンスを与えてあげたら絶対に大化けすると確信しています。

 

talksessionyands.hatenablog.com

 

 

というわけで、5本を選びましたが、何度も言うように「好み」としか言いようがありません。

どこかで書いたと思うのですが、映画のストーリー展開とかカット割り云々という話も割と好きなのですが、そういう技法よりも、地味な作品でも俳優たちの雰囲気や立ち姿が良いのがいつまでも心に残りますね。今回の5本のうち「悪夢の銀河鉄道」以外は、すべて「役者」にほれ込んで選んでいますから。

 

上手く言えませんが、こうやってレビューめいたものを書くよりも、やはり映画を製作しているほうが立派だと思います。いろいろと大変だと思いますが、映画製作をしているみなさん、がんばってください!