
S原、電通本社のバルコニーにたつ。
(演説前からヤジが続く)
私は、映画ソフトのファンたちに、このような状況で話すのは恥ずかしい。
しかしながら、私は映画ソフトというものに、この日本の映画の将来を思ったから、こういうことを考えたんだ。
そもそも日本はハリウッドの経済的繁栄にうつつを抜かして、ついに精神的空白状態に陥って、日本映画のDVDはただ漫画の実写化、イケメンにふりまわされるJKの映画のDVDだけ。
つくりあげられた映画ソフトは、何者に歪められたんだ!
これは日本でだ、ただひとつ、日本人の魂を持っているのは映画のDVDであるべきだ。
我々はネットフリックスやアマゾンプライムに対して、日本人の根底にあるDVDを所有したいという気持ちを持って戦ったんだ。
しかるにだ、我々は映画ソフトというものに……心から……。
(「聞こえねーぞ」「もっとはっきりしゃべれ」等のヤジ)
清聴しろ!
清聴!
清聴せい!
清聴せい!
動画配信サービスが日本の文化、日本の大本を糺すということはないぞ、ということを我々が感じたからだ。
それは映画ソフト所有の根本が歪んでいるんだ。
それを気が付かないんだ。
この根源の歪みに気が付かない。
それでだ、その歪みを糺すのがDVD!
それがいかなる手段においてだ。
(「動画配信の方が便利だ!」「スマホで映画を観る時代だぞ!」等のヤジ)
静聴せい!
静聴せい!
そのために我々はDVDを買い続けたんだ。
静聴せいと言ったからわからんのか、静聴せい!
(「インフルエンサーのつもりになっているんじゃない!?」とのヤジ)
しかるにだ、2023年の6月29日から7月2日にだ。
何が起こったか。
2023年に何が起こったか。
2023年の6月29日にはだ。
第33回 ゆうばり国際ファンタスティック映画祭 2023が行われたんだ。
これが好評だったんだ!
夕張だから、オレはメロンもたくさん食べたんだ!
オレは、ご当地アイドル・山口めろんのステージで「Go! Go! めろん!!!」も聞いたんだぞ!
オレはあれを見た日に、これはいけるぞ、これでみんなDVDを買うだろう、と期待したんだ。
なぜか、それを言おう。
なぜか、それはだ。
広告代理店というものはだ、広告代理店というものは、いくら権力によってでも、いかなるDVDの中古販売価格を操作でないということに気付いたからだ。
中古販売の価格は、電通が決めなくてよくなったんだ。
電通の介入がいらなくなったんだ。
なので、中古店の店長が自由にDVDの値段を決めることが可能になったんだ。
分かるか、この理屈が!
諸君は、6・29からあと、諸君は6・29からあとだ、もはや自由にDVDを買うことが出来るようになったんだよ。
映画ファンが20年間以上、血と涙で守ったDVDの中古販売ってものの機会は守られたんだ。
もうそれは動画配信サービスから外されたんだ、ついに外されたんだ、それは。
どうしてそれに気が付いてくれなかったんだ。
(「降りろ!」「降ろせ、こんなの!」などのヤジ)
あの6・29から1年間、オレはDVDファンがさらに購入するのを待っていた。
購買数が上昇するのだと期待した。
雑誌「DVDでーた」の購読者数も増えると期待した。
だが、そうはならなかった。
もうこれでDVDを買うヤングが増えるというチャンスはない!
DVDが国宝になる日はない!
DVDの販売価格が落ちることはない!
それを私はもっとも嘆いていたんだ!
(「DVDが国宝になるわけねーだろ!」「いまどきDVDなんか買わねーよ!」などのヤジ)
貴様ら、聞け! 聞け!
映画ファンにとって、DVDの本義とはなんだ?
映画ソフトを守ること。映画を手元に所有するとはなんだ?
映画守るとは、映画ソフトを中心とする歴史と文化の伝統を守ることだ!
お前ら聞け! 聞け!
興奮しない、話をしない、話をしない!
話を聞け!
それがだ、いま、映画ファンがだ、ここでもって立ち上がらなければ、DVDファンが立ち上がらなきゃ、安売りワゴンコーナーの充実ってものはないんだよ。
諸君は永久にだね、ただ配信が提供するメジャーな映画ばかりを観るだけになってしまうんだぞ。
(「べつにマイナーな映画を観たくねえ!」「ネトフリで十分だ!」とのヤジ)
そこでだ、オレは4年待ったんだよ。
オレは4年待ったんだ。
映画ファンが立ち上がる日を。
そうしたワゴンコーナーで4年待ったのは、最後の30分に……オレはいま待ってるんだよ。
諸君は映画ファンだろう。
諸君はDVDが欲しいだろう。
DVDファンならば、自分を否定する動画配信サービスをどうして守るんだ!
どうしてDVDを否定するコンテンツのため、自分らを否定するコンテンツというものにペコペコするんだ。
どうして「ゼイリブ」や「サンゲリア」や「食人族」や「初体験リンジモンドハイ」さえラインナップにない動画配信サービスを楽しむことができるんだ。
どうして永瀬正敏の濱マイクはイケてるのに、「探偵マイク・ハマー 俺が掟だ」はダサいんだ!
(「つまんねーからだろ!」「誰が観るんだ、あんなショボい映画!」などのヤジ)
いいか、これがある限り諸君てものは、永久に救われんのだぞ。
諸君は永久にだね、今のDVDの中古販売は広告代理店の謀略で、諸君が違憲だかの如く装っているが、ほんとうは中古販売は合憲なんだよ。
中古販売は合憲なんだ。
映画ソフトというものは、ついにDVDというものは、映画文化と映画産業を守るコンテンツになったのだということに、どうして気が付かんのだ!
どうしてそこに気が付かんのだ!
そしてそこに縛られて気が付かんのだ!
オレは、諸君がDVDをたくさん購入する日を待ちに待ってたんだ。
諸君はその中でもただ小さい根性ばっかりに惑わされて、ほんとうに映画ソフトのために立ち上がろうという気はないんだ。
(「じゃあ、おまえは新品でDVDを買わないのはどういうわけだ!」とのヤジ)
お小遣いがないからだ!
DVD購入をし続けために生活費がなくなって、妻にマジギレされた、ということを知らないのか!
(「知るわけねーだろ!」「嫁さんが怖いだけじゃねーか!」とのヤジ)
お前ら聞け! 聞け!
貴様ら、男だろう。
日本男児だろう。
それが自分の妻にだね、コソコソ隠れて一人チョメチョメする気持ちが分かるか!
一人チョメチョメだぞ!
男一匹が、命を懸けて諸君に訴えているんだぞ!
その命は、自分のオットセイなんだぞ!
いいか!
いいか!
(「下ネタじゃねーか!」「もはやDVDは関係ないじゃねーか!」とのヤジ)
もう一度聞く。
諸君の中にひとりでもオレと一緒に起つやつはいないのか?
ひとりでもいないんだな?
なんだったら、俺が持っている「デラべっぴん」を貸してやってもいいぞ?
チョコボール向井のサイン色紙を譲ってもいいぞ?
それでも、誰もいないんだな?
よし!
映画ソフトというものはだ、DVDというものはなんだ?
一人チョメチョメとはなんだ?
自分の使命と下心に対して……貴様ら!
それでもこのブログのファンか!
(「ファンじゃねーよ!」とのヤジ)
ファンじゃないのか・・・?
わかった。
応援してくれてなかったんだな・・・
よくわかった。
道理で読者数が伸びないと思ってたんだ。
よくわかった。
諸君は、このブログのために立ち上がらないと見極めがついた。
これでオレの夢はなくなったんだ・・・
それではここで日本を捨てる。
オレはメガフォースに入隊する!
メガフォース万歳!
S原、タックコムにのって立ち去る。

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いかりや長介「さあ、次行ってみよう~!」