あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「モスキートマン」(2012)の巻

モスキートマン [DVD]

Y木:うわ、小学生が考えたマンガみたいな映画やな…

S原:心はいつまでも小学生の大人たちが作ったバカ映画を紹介しますよ!

(あらすじ)

人体実験で「蚊人間」と化した男の復讐劇を描いたホラーアクション。原子力発電所で働くジムは、仕事を突然クビになったうえ、妻の浮気現場を目撃するハメに。さらに新種の蚊が媒介するウィルスを研究している科学者に捕まったジムは、実験台にされ、蚊人間へと変貌してしまう。その結果、恐るべき力を手に入れたジムは、自分を陥れた人々に復讐するべく立ち上がる。俳優のマイケル・マナッセリが監督・脚本・主演を務める。

 

Y木:これ、バットマンとかスパイダーマンみたいな映画やろ。よくこんな映画を作るよなあ。

S原:これ、よかったで。

Y木:うそつけ。

S原:だって同じようなもんやん、コウモリかクモか蚊の違いやん。

Y木:それはそうかも……って納得しかけたわ(苦笑)

S原:ほんまに面白ねんって。例えば、映画がはじまってすぐに刑事たちが「血を吸われた死体」を調べる場面があるねんけどな。1人が「吸血鬼か?」と聞く。そしたら「よくみろ、吸血鬼なら穴は2つだろ。これは1つだ」「じゃあ……蚊か……?」このセリフを考えた奴は天才やと思う。

Y木:天才ちゃうわ。

S原:あらすじを順を追って話すと、主人公は仕事が出来ない男でな。映画が始まってすぐに解雇されます。おまけに、車はどこかに持っていかれて、さらに妻も浮気をしている。散々な気持ちでトボトボ歩いていると、ある男(デイブ)に出会う。デイブは、主人公に酒をのませて気を失わせて、その間に自分たちが研究開発したワクチンの人体実験を行います。

Y木:むちゃくちゃやん。

S原:その実験中に、蚊がたくさんいて主人公の体に「異変」が生じます。イエース、その通り。みなまで言うなよ、ブラザー。そうです。主人公は、超人になったのです。その名も、モスキート・マァァァン!

Y木:うるさいわ。どうせ蚊のコスプレなんやろ?

S原:いや、汚い肌のゾンビメイクみたいやった。

Y木:えー……蚊に関係ないやん。

S原:でも、舌がビロ~ンって伸びるねん。

Y木:蚊って、舌で血を吸うんとちゃうやろ。

S原:で、すごい能力を得た主人公は、家に帰って早速浮気をした妻を殺します。妻の股間に、舌をビヨーンって突き刺して殺します。

Y木:えーなにそれ?いきなり妻を殺すんか。それって私怨やん。

S原:次は自分の車を取りに行きます。車の管理をしているオジサンから「お金を払ってくれ」と言われます。お金を払うのが嫌なモスキートマンは、またビローンって舌をつきさして殺します。

Y木:だから、それも自分の勝手やん。なんか感情移入できへん主人公やなあ。

S原:さあワガママで自己中心の主人公は、つぎは会社で自分に意地悪をした男を殺します。

Y木:おいおい。ヒーローでもなんでもないやん。

S原:でも刑事はいいます。「待てよ。奴はモスキートマンだが、血を吸いたい欲望だけで人間を襲っているわけじゃない」「悪い奴を選んで血を吸っているんだ」「そんなにひどい奴じゃないぜ」

Y木:なんやねん、その理屈。

S原:そのあとに、蚊人間の恋愛模様があります(一応、これがラストの伏線になる)。一方で、勝手に主人公を蚊人間に改造した研究者(2人)が、主人公を追いかけます。研究者たちは刑事たちと話し合い、いよいよ主人公の「捕獲」作戦に挑みます。

Y木:捕獲作戦って?

S原:電気蚊取り線香でおびき寄せます。

Y木:あー、そう……

S原:まあこんな感じの映画やったわ。でも嫌いになれない自分がいるのさ……

Y木:知らんわ。これってパロディか?

S原:たぶん、パロディの要素もあるんやろうけど、マジなのかふざけているのか境界線がわからない。なんとも微妙な感じでなかなか良い味です。

Y木:それ、ほめてないよな。

S原:あーそういえば、すごいシュールな場面があるねん。風呂場で全裸のまま、ギターを弾いて歌う女性がおるねんけど、その意味不明な場面と蚊人間と警察のぬるいカーチェイスがカットバックされます。ここはすごいで。ひさしぶりに映画編集の妙を堪能したわ(笑)

Y木:そこはちょっと観てみたいかも(笑)

S原:他にはモスキート・マンがびよーんってビルからビルに飛び移る場面があるねんけどな。すごいアナログな特撮でな。影絵みたいやねん。ここは何周もまわって面白いよ。

Y木:ラストは?

S原:内緒です。だって、この映画は「これから観るつもりやからラストは言わんとって」という人が多いやん?

Y木:いや、別にネタバレしても誰も怒らへんと思うで。

S原:さあ、みなさん。夏になれば蚊がうっとおしいですよね。でも、蚊人間になればそれも平気ですよ。この映画を観れば、簡単に蚊を手で押しつぶしたりできないはずです。さあ、蚊も地球に住む大切な仲間!これからも一緒に、地球の仲間たちと一緒に暮らしましょう、レッツ・モスキート!

Y木:……え?