あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「ダーク・インフェルノ」(2001)の巻

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S原:今回はこちら。翌日のバスタブのお湯のような、ゆるいサスペンスです。

Y木: 溶岩が街に流れる映画?

 (あらすじ)

豪雨の影響で爆発する発電所。都市のライフラインである地下パイプ管も相次いで爆発し、街からは光が消え去ってしまう。そんな時、デパートに来ていたキャシーは混乱の中、彼女につきまとっていた男にエレベータシャフトに縛りつけられてしまう。

 

S原:パッケージが紛らわしんやけどな。これは溶岩ではありません。というかこんな場面はありません。ただの停電が起きるだけです。

Y木: 停電か。

S原:これはイマイチというかイライラする映画やったわ。キャラに腹が立って、じゃなくて出来が悪くてイライラするという。

Y木: あかんがな。

S原:なんかダルイねんなー。むちゃくちゃヒドイ出来でもないと思うんやけど…

Y木: 停電パニックものやろ。

S原:停電でパニックになっているところに、ストーカー気質のプッツン男が追いかけてくる。一粒で二度美味しい構造です。でも、二度とも味がしません。

Y木: 美味しくないがな。ストーカー気質のプッツン男っていうのが、怖いんとちゃうの?

S原:もしも、この男が気味悪くて怖かったら、面白くなったと思う。でも、うっとおしいだけやった。

Y木: 映画としては、ストーカー具合が足りないんとってこと?

S原:そうやなー…ストーリーは単純やねんけど、それでいいと思う。主人公は主婦。夫のことを愛してるが、夫の仕事(自営業)が上手くいっていなくて、ギクシャクしている。長女(高校生?)も長男(小学生?)も思春期というか、母親に反抗気味。そんな母親と子供2人が、ショッピング・センターに出かけていたら、そこで停電になってしまう。と同時に、停電の前からプッツン野郎が母親と長女につきまとっていて、停電後も粘着質に追いかけてくる。

Y木: 父親は?

S原:金策のために顧客になりそうな人と会うために、自分はショッピング・センターに行かなかった。もちろん、停電を心配して、妻と子供を助けようと奔走する。アメリカ人が好きな「おれは家族を守るために、頑張るダディさ!」「おれってすごいパパだぞ!」やな。

Y木:すごいパパやったの?

S原:いや、オロオロしてただけやった(苦笑)犯人役の俳優が一所懸命にプッツンでストーカー演技をするねんけど、なんか「違うねんって」「怖くないねんって」と心の中で突っ込んでしまう(笑)「フォーリングダウン」(1993)のマイケル・ダグラスもプッツン野郎やったけど、あれは現代人のストレスとか精神疾患もあって映画のテーマとしてすごく閉塞感があるねん。「頭のおかしい奴やのに、どこか哀しい」みたいな。でも、この映画ではただの嫌なやつやった。

Y木:一種の病気やろ?

S原:たぶんな。でも、描写が下手やから、ただの変なヤツにしかみえない……(笑) とにかく主人公たちが感じる恐怖が伝わらないのが残念やな。だって実際に、停電で暗い中で変な男が追いかけてきたら、めちゃくちゃ怖いし気味悪いやろ?そういうリアルさは皆無で、しかもこじんまりしてて凡庸な演出やから、「あーなんか大変そうやねえ」「暗いところで、不便そうやねえ」って思うだけという。

Y木: 最後はどうなるの?

S原:悪い男を3階くらいから突き飛ばして、男はあっさりと死ぬ。こどもたちはエレベーターシャフトの内部に縛り付けられていて、間一髪で救出して、おしまい。

Y木: なんか地味やな。

S原:うん。本当に見せ場のない映画やった。実際にこんな出来事に遭遇したら…というリサーチが足りないんやろうな。もっと工夫すれば面白くなる……はず、たぶん(笑)

Y木: 今回はダメ映画ってことね。

S原:そうやなあ。いままでたくさん作られてきた「とくに印象に残らないサスペンス映画」が1本増えただけやった。もちろん人によって好き好きやし、観てみないとわからんけど、個人的にはハズレやったわ。

Y木: ワゴンセールでDVDを漁っている限り、ほとんどアタリはないんとちゃうの?

S原:そうかもなあー。さあ、みなさん。この映画はとくに何のとりえもないので、ゲットしなくてもいいと思います。そのお金があれば、同じワゴンコーナーにある「なんとかゾンビ」とか「エイリアンなんとか」をゲットしましょう!そのほうが有意義な時間が過ごせると思いますよ~!

Y木: たぶん、同じやと思うで……