![サスペクト・ゼロ [DVD]](https://m.media-amazon.com/images/I/519G7QF4FEL._AC_SY445_.jpg)
S原:今回はこちら。あの「ガンジー」のベン・キングスレーが出ています!
Y木:へえ。
(あらすじ)
まぶたを切除され、目を見開いたままの死体には、不可解な「ゼロ」のマークが刻まれている…。発見された死体が同じ状態という3件の事件で、被害者の共通点が浮かび上がるにつれ、思わぬ真実にたどり着くサスペンス。FBI捜査官の元には、手がかりらしき不気味なスケッチが届き、事件の背後にある深い闇が予感されていく。
S原:これは、簡単に言うと「セブン」とか「羊たちの沈黙」とか「Xファイル」とか「ミレニアム」みたいな映画やった。
Y木:ふーん。
S原:でも、そのすべての作品より劣ってるけどな。
Y木:あかんやん。
S原:雰囲気はなかなか良いんやけどな。映像やカメラなども、おお!と思う瞬間もある。でも、それが、どうも本編に上手く作用していないのよなー。薄味というか。
Y木:テクニック不足?
S原:というか、やっぱり登場人物に魅力がない。その分、感情移入もしにくい。でも一番の欠点は、話がわかりにくいことやと思う。
Y木:あー監督が凝りすぎてるやつか。
S原:凝りすぎてる……いやー上手く言えんけど、何かが足りない。
Y木:サスペクト・ゼロというのはどういう意味?
S原:『容疑者がなければ犯罪はなかったこととなる』ということです。サスペクト=容疑者がゼロという状況では事件は、解決しないという意味やな。少しあらすじを話すと、最初に、ベン・キングスレーが登場します。ダイナーで、初対面の男をネチネチと言葉で責めます。気味悪くなった男は逃げ出すが…という不穏なムードで映画は始まります。主人公は刑事です。ダラスから左遷されてアルバカーキという田舎町に赴任します。左遷された理由は、不当逮捕をしてしまったから。で、到着早々に、連続殺人事件を担当することになります。被害者に共通するのは、まぶたを切り取られた目と体に刻まれた丸に斜線の「Φ(ゼロ)」の文字……
Y木:ほう。
S原:そこへ主人公に情報を教えるような、謎のFAXが届く。そこには行方不明者の資料と不可思議なスケッチが書いてある。やがて、それらを手掛かりにして主人公は怪しい男を見つける。この男は元FBIらしいことが分かる。この男は『まったく証拠を残さないでアメリカ中を旅しながら行方不明者を増やしていく殺人犯が存在するということにこだわっている』ということが判明していく。
Y木:わかりにくいな。要するに、その男は犯人じゃないってこと?
S原:うん。まあ、ベン・キングスレーが殺人をしている場面が最初にあるから犯人はすぐにわかります。でも、なぜ?どうやって?という部分が、主人公にはわからない。だんだんと、超能力で犯罪者を捜査するという極秘のプロジェクト「イカロス計画」が関係していることが分かってくる。
Y木:「イカロス計画」?CIAか?
S原:FBIの計画です。ベン・キングスレーは、その「イカロス計画」の最後の一人で、なんと『連続殺人犯を探して、殺していく男』というのがオチやねん。
Y木:どういうこと?
S原:要するに『全米にまたがって連続殺人犯を追いかけて、殺していく連続殺人犯やな』。ややこしいけど。ベン・キングスレーは、遠隔透視が出来て殺人犯を見つけることができるわけ。
Y木:必殺仕事人みたいやな。
S原:いやそういう正義感はなくて、ただ単に殺してたわ。でも、そのへんがやっぱりよく分からん。もうちょっと、すっきりと作ったらええのに。深みがあるのと複雑なのとは違うんやけどな。
Y木:監督に言ってあげたら?
S原:そうやな、まあこのブログを読んだら気付いてくれるやろ。
Y木:誰が読むか、こんなブログ。
S原:ほかの人のレビューを観てみると、多くの人がやっぱり「セブン」を引き合いに出している。「セブン」の話も複雑やけど、ちゃんと観客が理解できるように作ってるやろ。でも観た後に「ん?あれってどういう意味かな」ともう一回考えたりする要素もたくさんあるやん。
Y木:たしかにな。
S原:この映画でも「あれは、どういう意味やろ?」と思うねんけど、そのあとに「まあええか、どうでも」と思ってしまう。「あーこのあと、スーパーで安売りの鶏肉でも買って帰ろうかな?」とか。
Y木:映画を観たあとに、安売りの鶏肉って。
S原:それだけ深みがないんやろうな。というわけで、みなさん。ひどい出来ではないですが、どうにもどんよりとした曇天な空のような映画でした。というわけで、おススメしません。これやったら「ガンジー」を観た方がいいですよ~!
Y木:全然、タイプの違う映画やがな。
(おまけ)
これも、「セブン」っぽい映画ですが、これよりは「サスペクト・ゼロ」の方が面白い……ような気がしないでもないです。