あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

【閑話休題】 国会答弁風にB級映画DVDについて討論してみたら……の巻

(国会にて)

 

S原:ワゴン党のS原です。質問の時間が限られていますので、早速お尋ねいたします。昨今のサブスクリプションサービス、いわゆるサブスクと、DVD中古販売について、でございます。総理は、先日の衆議院予算委員会で「どちらも大事である。サブスクとDVD中古販売はいわば、映画産業の両輪をなすものであり、どちらが欠けても正しい道を進むことは出来ない」とおっしゃいました。ところが、月曜の予算委員会をきいておりますとですね、どうもサブスクがあれば、もうDVDは必要ないんじゃないか、ましてや中古販売などというものは不毛なものである、というというようなことをおっしゃっているようにも聞こえる御発言がありました。これは、一国の総理としての発言としてはとても看過できるものではありません。総理、ここで改めてもう一度、サブスクとDVD中古販売に対する政府の方針をおきかせいただきたい。

 

内閣総理大臣(以下、総理):えー質問にお答えいたします。まずですね。先日の予算委員会では、サブスクがあれば、DVDは必要ないと言った趣旨の発言はしておりません。誤解なきようにお願いします。サブスクとともにDVDはとても大事なツールであります。これは、我が国が基本的人権とともに尊重しているスタンスであります。

 

S原:では総理。あらためてお聞かせください。DVD中古販売業界に対しては、政府として今後も手厚く保護していく、といくことで間違いないでしょうか?

 

総理:はい、基本的にはそのスタンスです。

 

(ヤジが飛ぶ)「なんなんだ、基本的にはって!」「逃げてるぞ!」「サブスクに誘導しているじゃないか!」

 

S原:さきほど言った基本的にはそのスタンスということですが、場合によってはもう中古販売業界への優遇は認めない、これからは自分たちで生き残りをしなさい、とも取れますが、いかがでしょうか。

 

総理:そうではありません。えーそうですね。いまは激動の時代ですので、今後に関しては、映画産業や国民の映画視聴環境をみながら検討していく、ということであります。

 

(ヤジが飛ぶ)「やっぱりサブスクじゃないか!」「中古販売の店長のことも考えろ!」「男性ばっかりずるい!(田嶋陽子)」

 

総理:あのですね。ちょっと聞いてください。今後、環境が変わればですね、いろいろと検討していかないといけないのは当然です。これはですね、政府与党としての当然のことであります。

 

S原:えーでは、質問を変えます。総理、週刊センテンススプリングによりますと、あなたはサブスク業界から金品を授与している、と。このような記事が書かれております。これに対してはいかがですか?

 

総理:そのようなことはございません。

 

S原:(雑誌をかかげて)週刊センテンススプリングで、はっきりと写真が載ってますよ! 総理!

 

総理:えーたしかに、会食をしました。アマゾンプライムの社長さんとネットフリックスの社長さん、えーこのお二人とですね。会食をしました。それは、えー事実でございます。

 

S原:サブスクを提供している大手2社じゃないですか! この時期に軽率ではありませんか。かりにも一国の総理ですよ!

 

総理:さきほど言いました通り、お2人と会食をしました。が、それ以上でもそれ以下でもありません。あー、お2人とはですね、とくにDVD中古販売に関する話題もでておりませんし、政府としてサブスクのみを優遇するといったことを話しておりません。

 

S原:総理、それは苦しい言い訳でしょう。アマゾンプライムとネットフリックスの社長2人と会って、DVD中古販売の話題がでないわけではありませんよ。当然、店頭にある「安売りワゴンセールコーナー」について、なんらかの議論があったはずです。そう考えるのが自然でしょう。

 

総理:え、さきほど言いました通り、お2人とはそのような話をしておりません。食事をしただけです。

 

S原:食事。なにをお召し上がりになったか覚えていますか?

 

総理:ホッケの煮付けとか、そういったものでした。

 

S原:ホッケの煮付け! それは麻生元総理の大好物ではないですか。ますます怪しいですね。まあ、いいでしょう。食事をされただけではないですよね。ほかには? なにをされていたんですか、総理?

 

総理:映画を観ておりました。

 

S原:映画! (国会内がざわつく) 映画ですか。なにを観てたんですか?

 

総理:確か「タイタニック」だったと思います。

 

S原:「タイタニック」! 総理、タイタニックは194分あるんですよ。さきほどの週刊センテンススプリングによるとですね。会食は、40分です。タイタニックが観れるはずないじゃないですか。総理、本当のことをおっしゃってください!

 

総理:あの、タイタニックを観たのは事実でございます。必ずしも全編視聴したわけではなく、一部のシーン、そうですね、ケイト・ウインスレットが画家のモデルになるという場面だったと記憶しております。

 

S原:それは、おっぱいポロリの場面じゃないですか! いい大人3人が、なにを観てるんですか。不自然極まりないですよ。総理、これをご存じですか? これはですねえ、総理がその会食を終えた後に、公用車に乗り込むときの写真です。総理、なにか手に持っていますよね? そのときにですね、なにを持っていたか覚えておられますか?

 

総理:記憶にございません。

 

S原:この画像を拡大しますとね。これだと分かるんですよ。

 

ジョン・カーペンター DVDコレクターズBOX

 

 

S原:右手に持っているのはでしね、ジョン・カーペンター DVDコレクターズBOX。そして、左手にも行っているのは、ファンタズム全5作PerfectBox(ブルーレイ)なんです。

 

Fantasm All 5 Piece Perfect Box Blu-ray

 

 

 

S原:(写真を指さしながら)総理はですね。公式な場でもジブリ映画が好きとか、休日はスピルバーグ監督の映画を観ているとおっしゃっていますが、全然違うじゃないですか! 国民に良い印象をもってもらおうとする印象操作ですよ。まるで「ゼイリブ」じゃないですか。

 

総理:あー、このBOXセットには「ゼイリブ」は入っていません。

 

S原:それはどうでもいいんですよ! 私自身も「光る眼」とか入っていて微妙なチョイスだと思いますよ。でもそういうことではないんです! 本当は好きでもないジブリ映画のファンと言うあざといアピールを問題にしているんですよ!

 

総理:はい、あのう。ジブリ映画は好きです。先日の日曜も観ていました。

 

S原:なにを視聴されたんですか?

 

総理:「魔女の宅急便」のですね、えー実写版です。

 

S原:あれはジブリとは無関係です! 酷い出来だと酷評されており、大変気の毒なんですよ。宮崎駿監督も実写版をちょっとくらい褒めてあげればいいのに、完全無視じゃないですか! 

 

総理:それは、あのう宮崎監督に聞いてください。

 

S原:わかりました。次の国会で宮崎監督を召喚しましょう。で、もう一方の方が悪質ですよ。さきほど言ったDVD-BOXセットです。これ、サブスク2社の社長からもらったんですよね? 

 

総理:えー違います。これは、お2人に貸していたものを、返してもらった、というだけでございます。

 

S原:えーこの中にはですね、ジョン・カーペンター DVDコレクターズBOXには「スターマン」が収録されています。ファンタズム全5作PerfectBoxには、あの「ファンタズムⅤ ザ・ファイナル」、これがですねえ、えー入っています。これは、メルカリでもかなり高価で出品されています。簡単に金品に変換できる! 総理、これではまるでインサイダー取引ですよ!

 

総理:あのー。S原議員の指摘はですね、まったく当てはまりません。さきほども言ったとおり、このDVDはお2人に貸していたものを返してもらっただけであります。えーもしもですね、そういったことはありませんけども、私や妻が転売に関係していたら総理大臣も国会議員も辞める、そういうことでございます。

 

(国会内がざわつく)

 

総理:えー当然、転売などはしておりませんから、そういったことはありません。以上、S原議員からの質問に対する回答とさせていただきます。

 

衆議院議長:(ざわつきがおさまらず)えー静粛に! みなさん静粛にお願いします! えー以上を持って今国会は閉会とします! 

 

野党議員、一斉に衆議院議長に元にかけよる。

 

野党議員たち「もっと質問させてください」「おかしいでしょう」「どういうことなんだ!」「国民をなめているじゃないですか」「これ以上、DVD中古販売店を苦しめていいのか!」「男はみんな死ね!(田嶋陽子)」

 

衆議院議長、総理ともに逃げるように議場から出ていく。