あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

(たぶん)一部の人しか知らない日本映画を12本観てみる!「運命人間」(2004)の巻

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S原:今回はこちらですよ。

Y木:ホラーか?

(あらすじ)

家出した猫を探すペット探偵を生業とする田宮は、ある日パチンコ屋で見知らぬ男に声を掛けられる。男が田宮の台の大当たりを予言すると、果たせるかな本当にその通りになるのだった。翌日、田宮のもとにペット探しの依頼が舞い込む。依頼してきた女はなんと、昨日パチンコ屋で出会った奇妙な男、毛利五郎の妻だった。女はいなくなった“猫のラッキー”を探してくれと、どう見ても猫に見えない動物の写真を見せるのだった。とりあえずラッキーを探してはみたものの、見つかるはずもなく、3日後それを報告に毛利の家へと向かう田宮ではあったが…。

 

S原:これは、『映画番町』と云う企画の中の「ホラー番長」シリーズの1つらしい。

Y木:映画番長?

S原:「エンタメ作品、同一予算、DVカメラでの短期間での撮影と、同じ条件で作った作品を競い合う」という企画らしい。

Y木:へえ。

S原:他の映画を観てないから企画全体の話は出来ません。なので、1本の映画としての感想になりますがご容赦ください。

Y木:で、観てみてどうやった?

S原:わりと面白かった。ただホラーとして観ると肩透かしかな。

Y木:変化球ってこと?

S原:その通り。このブログで、かなり前に「ねじりん棒」(2004)を取り上げたけど、あれを思い出したわ。ただし、あれはカラッとした明るさの中に、ジワリと不自然な恐怖があったけど、今回は反対。暗くて湿気の多い雰囲気に、奇妙なコメディ部分が入る感じです。 

 

talksessionyands.hatenablog.com

 

Y木:その説明では、観てないからわからんぞ。

S原:簡単に言うと「世にも奇妙な物語」とか「トワイライトゾーン」なんやけど、かなりジメジメしています。良い点を言うと、まず俳優たちが、みんな良いと思った。ハマっているというんかな。主人公は、猫を探す探偵で普段は猫の繁殖(交尾)を研究している。これを豊原功補が演じています。どことなく陰のある雰囲気やねん。ある日、パチンコ店で見知らぬ男から「その台、出ますよ」と言われる。で、その席でパチンコをうつと大当たりになる。で、ニヤニヤしながら「うれしいですか?うれしいでしょ?」と聞いてくる。主人公は気味わるくて、適当に相槌をうつ。これが映画の出だしね。

Y木:ほう。

S原:パチンコ店で知り合った男(内山英二)は、主人公に猫探しの依頼をする。そこに妻(小松みゆき)も同席する。かなり妖艶なムードで「あなた、妻を抱きたいと思ったでしょ?」とか言われる。主人公は、これも適当に相槌をうって「猫の写真をみせてほしい」と頼む。ところが、主人公に渡したのは「犬の写真」やねん。

Y木:おーそれは……頭がおかしい奴ってこと?

S原:それは言えません。ここが、映画の肝心な部分やから。

Y木:出だしは気味わるい感じやな。

S原:うん。なかなかの雰囲気です。一方で、主人公のは仲の良い友人(蒲田哲)がいる。これが良く笑う友人やねんけど、あんまりよく笑うから観ていて不気味に感じてくる。その友人は、妹(中村愛美)と同居しているねんけど、彼女は足が悪いねん。性格が悪いのか、生活が不便で苛立っているのか、とにかく愛想がない。ところが、ある出来事があって、主人公と妹が結婚することになる。

Y木:ほう。

S原:で、最初にでてきた夫婦(とくに夫)は予言者ではないか?とかこの兄妹の本当の関係は?という謎が主人公に絡んできます。

Y木:なるほどな。最後は?

S原:これも言えません。

Y木:言えばええやん。

S原:いや。超メジャー作品じゃないから、ネットにネタバレもほとんど書かれてないし、単純に観る方が楽しめるはず。要するに、これを観る気になった人には作品を楽しんでほしいということです。

Y木:結局、おまえとしてはおススメなん?

S原:誰に対しても超おススメ!とは言いにくいかな。でも、小品、マイナー映画に抵抗がない人はOKやと思う。ただし、ホラー(とくにスプラッター)要素は少ないので、変化球ドラマとして楽しんでくださいませ~!