S原:今回は山手線を一周します!
Y木:ふーん。
(解説)
携帯電話向けに作られた1話約1分で構成される連続ショートシネマシリーズの中から、「山手線デス・ゲーム」がDVD化。1周29駅の山手線を舞台に、主人公の健作が幻の30番目の駅を目指し各駅毎に襲い掛かってくるライバルたちを相手に戦いを挑む。【スタッフ&キャスト】監督・脚本:増本庄一郎 脚本:桐山勲 監修:北村龍平 出演:天野浩成/桃生亜希子/横山あきお/板尾創路/宍戸開
S原:これはもう、好きか嫌いか分かれるやろうな。まあまあやった、という感想はないんとちゃうかな。
Y木:へえ。個性的なんや。
S原:超個性的です。
Y木:で、おまえの感想は?
S原:まあまあやった。
Y木:おい!
S原:いや、ほんまにそうなんやって。
Y木:この「1分ずつの連続ドラマ」っていうのは、オムニバス風?
S原:min.jamといって、携帯(ガラケー時代?)の実験的なドラマ手法らしい。変則のオムニバスと言うかそういう感じです。
Y木:どんな話なん?
S原:山手線に幻の駅(30番目の駅)があって、そこに行くとなんでも願い事がかなうという都市伝説があります。3年の間に1日だけ、幻の駅に行けます。この映画では、その日の話です。
Y木:ほう。
S原:主人公(天野浩成)は山手線の電車にのっているところで目覚めます。記憶があいまいです。御徒町駅に着きます。おばあさんが乗ってきます。じつはおじいさんでした。
Y木:え?
S原:秋葉原では、ナイフの男が乗ってきます。
Y木:秋葉原でナイフって。あかんやろ、そのネタは。
S原:神田駅ではギャング風の男が拳銃を撃ちます。有楽町駅では桃太郎風の男とチャンバラをします。
S原:で、東京駅では、ヒロイン(桃生亜希子)が乗ってくる。この物語のキーパーソンで、主人公を30番目の駅へ導きます。
Y木:そういう感じで、駅ごとにいろんな奴らがでてきて1分間主人公と戦うんか。
S原:大体そうです。新橋駅では酔拳で戦います。
Y木:それって、新橋ではサラリーマンの酔客が多いからか?
S原:東京には疎いのでわかりません。浜松町ではモロ師岡、田町では農家のおじさんが乗車します。農家のおじさんはお米を投げて攻撃します。食べ物で攻撃するネタは笑えません。やっぱり食べ物を粗末にしてはいけません。
Y木:たしかにな。
S原:品川では外人(クリストファー)、大崎ではラガーマン(親友らしい)、五反田・目黒・恵比寿。は、グルメ三兄弟……こんな感じすすんで、次はいよいよ渋谷です! JK(女子高生)ですよ、あなた! JK!
Y木:きもいねん。
S原:しかも電車に乗るときに、つまづいてパンチラ! あだち充先生垂涎!
Y木:あだち充………
S原:特典映像のメイキングでも入念にパンチラの撮影の場面を紹介しています。日本の至宝・金井たつおスピリッツを引き継いだ監督のこだわりを感じます。
Y木:金井たつお………
S原:原宿駅では、こども4人のダンスグループです。ヒロインがダラダラと踊ります。代々木では、こましゃくれたガキがでてきて、新宿ではそうです。あれです。
Y木:おいおい、新宿ってもしかして……
S原:そうです。サメです。
Y木:……安直やなあ。
S原:サメ役は謙吾が演じています。元パンクラスのマジの格闘家なので、一人だけ浮いています。メイキングでも楽屋でまわりの役者に怖がられています。
Y木:なんやねん。
S原:新大久保駅。でかい男(格闘家)と戦います。高田馬場では、下条アトムが登場します。下条アトムは……
Y木:まさか。
S原:はい、そのまさかです。鉄腕アトムの格好で登場します。
Y木:……(無言)
S原:目白駅。魔術師風の男です。目が白いです。
Y木:ダジャレやがな。
S原:池袋駅では、不良少年グループ・ラッパーがでてきて、大塚では怪しい薬剤師ができてきます。
Y木:まさか「大塚製薬」が元ネタ?
S原:わかりません。巣鴨駅では、ばばあ(そういう役名)が登場します。ヒロインにぶっ飛ばされてCGで空を飛んだりします。駒込駅ではアナウンサーとヒロインが早口言葉で対決します。田畑駅では魔女の娘・サマンサです。
Y木:サマンサ田畑・・・ダジャレやん。
S原:サマンサは顔面にパイ投げされます。
Y木:また食べ物を粗末にして。
S原:西日暮里では、宍戸開とガンマン対決。衣装は宍戸開のガンマンの衣装は自前らしいです。
Y木:衣装のお金がなかったんやろうなあ。
S原:日暮里駅。ホームレス3人が登場します。
Y木:日暮里に住んでる人。怒るぞ。
S原:鶯谷駅。バイコキ男です。
Y木:バイコキ?
S原:2倍のサイコキネシスで、バイコキです。
Y木:……(無表情)
S原:上野駅。板尾創路が登場します。いつもの独特のムードです。そして、幻の30番目の駅に着きます。その駅名は猫泉。そこで待っていたのは……
Y木:誰?
S原:さすがに言えません。ナンセンスなコメディは久しぶりで楽しめたけど、映画としてはどう?と言われると返事に困る、そういう感じやった。
Y木:大体わかったような気がする。
S原:この手の映画が好きな人にはおススメやけど、鉄道マニアが観たらどう思うんかな?
Y木:さあ、観ないんちゃう?
S原:というわけで、なかなか個性的な作品でした。撮影は大変だったと思います。電車をセットで作りホームを動かして、電車が動いているように見せるアイデアも面白いです。スタッフ/キャストのみなさん、ご苦労様でした。次は大阪環状線か姫路~大阪で作ってください~!