あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

ゲームとかキューブとか、それっぽい映画たち「パズル」(2007)の巻

パズル [DVD]

S原:今回は高校の中で起きるゲーム系サスペンス!

Y木:ほう。

 

(あらすじ)

全国トップのエリート高校に武装集団が乱入し学校を占拠。彼らは教師を人質に、最優秀クラス・3年A組の生徒10人に対し、命を賭けたゲームを提案する。「24時間以内に校舎の様々な場所に隠されたピースを探し出し、パズルを完成させよ」。生徒たちは、犯人の動機や目的が分からないままパズルを探し始めるが、やがてそこには裏切りや策謀が渦巻き、事態は思わぬ方向へ…。

 

S原:これはちょっと意外やった。ストレートな演出じゃなくて、変化球やねん。

Y木:変化球?

S原:ある出来事(無理やり参加させられたゲーム)が終わった後から始まるねん。カメラの真正面に登場人物たちがでてきて、質問されるままに過去の出来事を話していく。それが映像化されてて事件が進んでいく。この演出は良かった。

Y木:へえ。質問するのは警察か?

S原:最初に「(自分たちは)警察でも学校関係者でもない」というセリフがあったと思う。でも最後まで正体・立場は分からない。(S原注:もしかしたら警察かも)

Y木:ほう。しかし、事件後にみんながでてきて話すということは、無事やったってことやろ。サスペンスとしては、展開というかオチは読めるやん。

S原:そうそう。だけど、あえてこういう演出をしたチャレンジ精神を買いたい。山田悠介の原作でもそのような構成になっているかどうかはわからんけど。

Y木:山田悠介って……あの?

S原:そうです。あの山田悠介(笑) 映画ファンの間では、なかなか厳しい評価の人ね。「リアル鬼ごっこ」が有名やけど、小説は読んだことないからよくわからんなあ。知人は「中学生が書いたみたいな文体」と言ってたけど、どうなんやろ。

Y木:古本屋でもよく見るけどな。で、この映画はどうなるの?

S原:全国トップのエリート高校が舞台やねん。その学校の中でもトップクラスの3年A組の生徒10人が登場人物です。勉強していると、学校にアナウンスが流れます。武装集団が乱入したみたいで「学校を占拠した」「これから言うことに従え」。

Y木:なるほど。でもすぐに警察に言うやろ?

S原:警察に連絡するとか学校から逃げ出すという方法を話し合うけど、一応出来ない(しない)という流れになります。このへんはちょっとリアルな説得力がないけど、まあ仕方ないかな。武装集団は教師を人質にします。そして10人の生徒に向かって「24時間以内に校舎の様々な場所に隠されたピースを探し出し、パズルを完成させよ」「どんなパズルか分からない」と命じます。

Y木:どうするの?

S原:最初は意見が別れるけど、時間が過ぎていくしとりあえずパズルを探すことになります。

Y木:パズルってジグソーパズルのこと?

S原:うん。あの小さな破片を学校中探しまわります。少しずつ集まったジグソーパズルを組み立てていくと、あることに気付きます。

Y木:なに?

S原:ネタバレに近くなるけど、このパズルは自分たちのかつてのクラス集合写真やねん。仲良かったころの写真ね。

Y木:あーその写真をパズルにしていたんか。なんとなくオチが読めるかも。

S原:まあ、そういう感じで展開します。

Y木:それで?

S原:そこから先は言ってはいけないと思う。興味を持った人はぜひ観て欲しい。

Y木:良くない点は?

S原:生徒役はみんな頑張ってるけど、全然高校生にみえないのが難点かな。みんな大人やし……(苦笑) 主人公は、D-BOYS柳浩太郎。この人が独特でな。

Y木:独特?

S原:すごくたどたどしく話すねん。演技指導か、後半の伏線になるのかと思ってたら、違うかった。映画を観終わって調べたら、なんと2003年に交通事故にあって後遺症が残ってる時期での出演やったみたい。

Y木:へえ、それはそれは。

S原:ウィキペディアによると「乗用車と接触して頭部を強打し、脳挫傷およびくも膜下出血により意識不明の重体となる。両親が担当医より「死を覚悟してください」と言われるほどの危険な状態」やったらしい。奇跡的に回復して復帰したらしいけど、一時期は「右半身麻痺・記憶障害・高次脳機能障害・声帯損傷などの後遺症が残り」という状態やったから、大変やったと思うわ。

Y木:ふーん、この映画ではどうやったの?

S原:もちろん、セリフは流ちょうではないよ。動きも少し違和感があるけど、この人は独特の存在感がある。いま、どのくらい後遺症があるかわからんけど、ぜひ頑張ってほしいです。というか、柳さーん、ファイッ!

Y木:おまえに応援されても嬉しくないやろうなあ。

S原:というわけで、みなさん。この映画の欠点を言えばキリがないですが、これはこれで無難にまとまっていると思いますね。もとはテレビドラマだったようですが、1本の「映画」としてまとまっているし、柳さんを主演に抜擢した心意気を支持します! レンタル店やワゴンコーナーで見つけたらチェック、プリーズ!

 

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