あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

皆はこう呼んだ。なんで、こんな映画作ったん…?「奥様は魔女」(2005)の巻

奥さまは魔女 [DVD]

S原:奥様は魔女のリメイクですよ。

Y木:へえ、こんな映画があったんや。

(あらすじ)

TVドラマ“奥さまは魔女”のサマンサ役に大抜擢された、新人女優のイザベル。しかし彼女は、普通の恋に憧れて人間界に舞い降りてきた,本物の魔女だったのですー。魔女であることを隠したまま、ダーリン役のジャックと恋に落ちるイザベル。好きになればなるほど不安は募り,秘密にしていることに耐えられなくなった彼女は、魔女であることをジャックに打ち明ける…。

 

S原:これは、どうにもイライラする映画やった。

Y木:へえ。演出が変なん?

S原:演出は普通です。演技もまあまあ。ストーリーも理解できます。

Y木:何があかんの?

S原:とにかくキャラクターが変やねん。全然感情移入できない。こんなラブコメも珍しいわ(苦笑)

Y木:そうなんか。だいたい昔のドラマと一緒な感じ?

S原:現代風に変えています。主人公はもちろんニコール・キッドマンです。彼女は魔女です。ある日、人間界にやってきます。

Y木:なんで?

S原:魔法とかを使わない普通の生活と普通の恋愛に憧れて、という理由っぽいですがよくわかりません。一言でいうとワガママです。

Y木:あーそう。

S原:人間界にきてみると不便です。そもそも住む家もお金もありません。でも大丈夫、魔法でニセのクレジットカードを作ったり、詐欺まがいで家を借りたり、テレビの配線をしたり、魔女の力で快適生活です。ワガママです。

Y木:なにそれ。ニセのクレジットカードってあかんやろ。

S原:そんなある日、落ちぶれた映画俳優のウィル・フェレルと出会います。ウィル・フェレルは、「奥様は魔女」という映画の企画を考えていて、ニコール・キッドマンを気に入って、相手役に抜擢します。この男の性格がとにかく悪い。べつに彼女のことを考えたわけじゃなくて、自分の勝手都合で話を進めます。要するに、自分さえ(俳優として)再起できればええわけ。

Y木:まあそういうヤツもおるやん。

S原:でも、これラブコメやで?なんで、こんなクズみたいな奴がヒロインの相手役なん?

Y木:おれに聞くなよ。今回は、「奥様は魔女」というドラマの魔女役を、本物の魔女が演じるんか。一応、そこがドタバタのコメディになるんやろ。

S原:いや、とくにはなりません。

Y木:あかんやん。

S原:ほんまやねんって。ほんまにそういう映画やねんって。で、ニコール・キッドマンは、なぜかこんなに嫌なヤツなのに恋心を抱きます。理由はわかりません。初めて出会った男性(人間)やからかな。

Y木:そんな、ヒヨコちゃうんやから。

S原:さっきも言った通り、ウィル・フェレルは根性が悪いので、映画の現場では自分ばっかり美味しいところをとってしまいます。ニコール・キッドマンも段々と男の性格に気付きます。別に女優になりたいわけじゃないから我慢すればええのに、ニコール・キッドマンはなぜか「自分だって美味しい思いをしたいのに!」というワガママを言いだします。

Y木:おいおい、またワガママかいな。

S原:彼女が、男性に対する愚痴を母親に言うと、今度はなぜか母親が逆ギレします。「娘を不幸せにするのは誰ぞ~!」「悪い男はどこじゃ~!」とナマハゲみたいに怒ります。母親そしてウィル・フェレルに「主人公を好きになる魔法」をかけます。

Y木:なんか変やけどまあええわ。それで?

S原:当然、魔法の効果で男性はニコール・キッドマンに夢中になります。ニコールはニコニコです。ところが、途中で「これは魔法で、わたしのことを好きに会ってるだけだわ!」「本当には愛していないのよ~!」と気付きます。

Y木:当たり前やがな。

S原:で、「こんなウソの恋なんて、いらねーちゅーの!」と、また逆ギレします。気分は、パイレーツです。

Y木:古すぎるやろ。というか、男の性格も悪いかもしれんけど、ニコール・キッドマンの性格も良くないよな。

S原:ニコール・キッドマンは、もう一度男とやり直すために魔法を使って時間を巻き戻します。そして、時間を巻き戻した時点で、いままでのイライラを男にぶつけて怒ります。

Y木:やってること、めちゃくちゃやん。

S原:そうしたら、あら不思議。なぜか男はだんだんとニコール・キッドマンのことを好きになります。

Y木:えー、よくわからんぞ……

S原:観客おいてけぼりのまま、いろいろあってハッピーエンドです。

Y木:いきなり、おしまいかい。端折りすぎやろ。

S原:まあ、要するにキモイ男とワガママ女のラブゲーム❤ってことやな。

Y木:面白くなさそう……肝心の魔法はどうなん?

S原:大した事ないよ。とくにストーリの関係ないし。ホウキがびゅーんって空にあがるだけ。10秒くらい。

Y木:なんやねん、それ。それじゃ、性格の悪い男女がでてくるだけの映画ってこと?

S原:そうです。

Y木:ハリウッド製やし、もうちょっと、なんかあるやろ?

S原:うんまあ、さすがにニコール・キッドマンはスタイル抜群で綺麗やで。でも、相手役のウィル・フェレルは全然ダメ。きもい。便器みたいな顔。絶対合コンでもモテない。休日にはダサいTシャツを着ているはず。隠れてアダルトビデオも観てるはず。

Y木:ボロカスやな。別にアダルトビデオを観てもええがな。ま、今回はダメやったみたいやな。

S原:「昔のドラマをそのままリメイクしてもなあ……」という発想で、ちょっと違った設定にしたんやろうけど、今回はハズレだったでござるよ。

Y木:まあ、少しは新しくチャレンジをしないと映画は面白くならないからな。

S原:だからといって、しょぼい男をメインの役に抜擢してしまうのはチャレンジしすぎやけどな。さあ、みなさん。誰が、誰にために作ったのか、よく分からない映画ですが、まあこういう映画もありですよ。というか、これトム・クルーズも観たんかな?

Y木:観たんちゃうの?元奥さんの映画やし。

S原:トム・クルーズも怒ったやろうな。なんで相手役が俺じゃないんだ!せめて、ベッドシーンだけでも出演させてくれ!って。

Y木:………