あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

アイデアで勝負!な映画たち「男女逆転 吉原遊郭」(2008)の巻

男女逆転 吉原遊郭 [DVD]

Y木:男女逆転?

S原:今回は、遊郭に男がいたら…というもしもシリーズの映画ですよ!

(あらすじ)

遊郭「菊下楼」のナンバー1花魁、鷹尾はプライドが高く、金にもなびかない。ナンバー2の薄雲、見習いの濃紫は心の奥に嫉妬の炎を抱きながら、虎視眈々と鷹尾の地位を狙っていた。そんなある日、兄の仇を討つため男に身を隠したお花が「菊下楼」に下働きとして現れて…。

 

S原:これは惜しい。!もっと面白くなるはずやのに!

Y木:へえ。しょぼそうな感じがするけどな。

S原:お金はかかってないよ。この映画では、吉原界隈は閑散としているし、遊郭にいる遊女ならぬ「遊男」は3人しかでてこないし。

Y木:あー監督の苦労がしのばれるな。

S原:でも、これはアイデアは面白い。イケメンが派手な着物で歩くとやっぱりサマになるしな。でも、映画の一番おいしいところを描いていない。

Y木:わかった、エロ要素やろ。

S原:その通り。まあエロというか「萌え」やな。男遊郭の色気とか妖しい雰囲気があれば興味深い映画になったはずやのに。

Y木:淡泊?

S原:そうやなー。このパッケージの左側にいる白い着物姿の遊男が、じつは女性でな。兄の仇のために、遊郭に潜り込むねん。

Y木:ほう。

S原:でも、それだけやった。女性なのがバレるのを機転をきかして誤魔化すとかもないし…仇のはずの主人公と恋愛感情がほんのりと芽生えるのはええねんけど、そもそもなんで男装して遊郭に入るのかわからん。復讐するなら、街で見かけて小刀でブスリと刺すほうが簡単やろ。

Y木:遊郭にいる美男子たち、そこに入り込む男装の美少女、いかにも女子受けしそうな設定やん。

S原:正直に言って大したことはなかったな。やっぱり肝心の吉原遊郭、遊男の場面がぬるすぎる。一番おいしい部分やのに、もっと大胆に描いてもらわんとなあ。

Y木:工夫が足りないと?

S原:イエース。関西で言う「そのままやがな!」というツッコミやな。「もっとエロさを出さなあかんがな!」と。

Y木:ひょっとしたら、そういうエロさ、スケベな部分を排除したかったんとちゃう?あくまでも綺麗に華麗に美しい吉原の世界みたいな。

S原:たぶんそうなんやろうけど、これを観る人は萌えたいやん。どう考えても着物姿のイケメンの男優が目当てやし「男遊郭」という設定やで?もっとセクシュアリティとか萌え要素をださんとあかんって。別に直接的なベッドシーンがなくても、いくらでも艶っぽい妖しい雰囲気はつくれるやん。(客との)肉体関係も適当にごまかしたりせずに、ちゃんと描いてほしかったわ。激しいチョメチョメで女性(客)が夢中になってしまうとか、逆に肉体的に女性を満足させることが出来なくて自信を失うとか、超絶テクニック&巨根で吉原では伝説の男とか(笑)

Y木:そりゃAVやがな。

S原:どっちにせよ、この撮り方は絶対に間違っている。さっきも言ったけど描写はストレートに描かなくてもええねんで。ソフトにきれいにセクシーに撮ったらええやん。ちゃんと女性目線で撮れば、絶対に「萌える」場面の連続になったはずやのに…企画した人や制作者たちのセンスを疑うわ。

Y木:まあ、腐女子っていうの?ああいう女子たちが観るんでしょ。

S原:だからこそ、ちゃんと作ってほしかったのよ。腐女子たちのパワーって凄いから、もっと正面から向き合わなあかんって。この映画では表面だけなぞっているだけで、逆に腐女子たちをバカにしている。それに男優たちももっと脱げよ。もっと「男」を意識させる色気のある表情をしろよ。きれいな背中や腹筋や尻をみせろよ。こういう映画に出ているわりに覚悟が足りんわ。こんな程度しか出来ないなら俳優なんかやめたほうがええわ。

Y木:今回は、なんかシビアやな。というか男優たちは演出に従っただけやろ。

S原:だってせっかくの良い企画なのに悔しいやん。思い切って、ほんのりとしたBL(ボーイズラブ)要素だってアリやと思ったで。

Y木:えーそうかなー。それも安直なような気がするけど。

S原:結局は、覚悟と工夫が足りなさすぎるねんって。これは製作費の問題とちゃうで。そうやな、料理で例えると、せっかく割と美味しそうなお肉を仕入れたけど、味付けもせずに焼いて100円の皿に置いただけって感じやな。

Y木:それって、料理人の腕がないんとちゃうの?

S原:というよりも、このお肉をどうすればお客さん好みの味になるかを考えていない。そんな感じで、とにかく惜しい映画やった!

Y木:なるほどー。しかし、こんな映画にそこまで熱く語るおまえがキモイ…(笑)

S原:さあさあ、みなさま。少女漫画好きの人なら楽しめるでしょうが、何度も言うようにエロさは、あまりありません。出演俳優のファンは楽しめるでしょう。なんか歯痒い映画ですが、観た人はぜひ感想を教えてくださいませ!