あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

電話にまつわるエトセトラ「着信2」(2006)の巻

着信2 [DVD]

S原:今回は、「着信アリ2」(2005)と勘違いしてしまうこの映画!

Y木:え、着信アリのシリーズとちゃうんや……?

(あらすじ)

ある若い女性からストーカー調査の依頼を受けた一人の探偵。調査を進めるうちに執拗なまでに依頼者への嫌がらせを続ける若い男が捜査線上に浮かぶ。探偵は張り込み、そのストーカー行為の様子を克明にビデオに記録し始めた。決定的な証拠を手に入れた探偵はついに男に詰め寄るが…数日後、彼は廃屋となったホテルの一室で自殺を遂げていた。調査の終了を伝えようとした探偵だったが、突然、依頼者の女性は奇怪な行動を取り始める。

 

S原:これは正真正銘、正統派のダメ映画やった。

Y木:久しぶりやな。

S原:もちろん、こんなパッケージの場面はありません。そうやなあ、いままで取り上げた中でいうと「幽霊インタビュー」(2005)とか「ジェイソン村」(2009)とか「サイレン島」(2006)とかにちょっと近いけど……この映画を論評や考察する力は僕にはありませぬ。

Y木:論評や考察って。いつも感想を適当に話してるだけやん。

S原:まあね、テヘッ♡

Y木:きもいわ。どういうところが、ひどいの?低予算なところ?

S原:それもあるけど、とにかく長く感じるねん。アクセントがないまま、淡々と、というかダラダラと、というかノロノロと話が進んでいく。しかも、その話は全然大したことないという。一応、探偵が主人公でドキュメントタッチの演出やねん。探偵が語るスタイルね。

Y木:ほう。

S原:最初は、主人公(高瀬アラタ)が富士山方面に車で移動する場面。まずここが無意味に長い。車窓から延々と富士山を映すけど、なんでそんなショットまで必要かわからん。ひたすら映る車窓からの風景。それも普通の風景……

Y木:いきなりの先制パンチやな。

S原:普通の人は、ここでノックダウンですよ。で、やっと目的地に到着します。そこは廃ホテルで。主人公はに花束を抱えて侵入していきます。無言です。ゆっくりと歩く主人公。ここがまた長い。

Y木:廃墟のホテルやったら怖いんとちゃうの?

S原:全然怖くないです。で、階段を上がったところで主人公が苦しみだします。ここから映画の本編。さっきの場面から3か月前の話です。主人公の探偵事務部署に女性が来ます。女性(林田麻里)はストーカー被害にあって困っているのでなんとかしてほしい、と依頼されて調査をします。依頼人は「何度も電話をされる」「いきなり玄関ドアを蹴られる」「東京に来たばかりで友人もおらず、心当たりはない」「付き合っている男性もいない」といいます。

Y木:それで?

S原:ここで探偵の解説が入ります。ストーカー行為の内容や、ストーカーを行う男性の特徴などを語ります。しかも常識で知っている内容ばっかり。ここも長い。

Y木:だんだんわかってきた。そういうのが延々と続くんやな。

S原:そういうことです。そのあと主人公は、調査してストーカー男(丹羽真矢)を見つけます。このストーカーが依頼人宅のドアを蹴る様子をカメラに収めます。ストーカーは依頼人宅から2㎞程離れたアパートに住んでおり、見た目は普通の若者でレンタカー店の店員で自宅と職場の往復というマジメな男やねん。それは、まあええねんけど、この男を盗撮(探偵が撮影している体の画像)している場面が、これまた長い。

Y木:まだ全然話がすすんでないけど。

S原:車から盗撮しているストーカー男が延々と映ります。ストーカー男は苦しみだします。このストーカー男を調査して女性に報告します。ストーカー男性に「ストーカー行為をやめるように」と言います。男性はうなずきます。

Y木:それで?

S原:面倒やから省略しますが、このストーカー男が精神疾患ではなくて、なにかに憑かれているのではないか、と探偵は疑います。ストーカー男は仕事をやめて行方不明になります。探偵がストーカー男の自宅に行くと、床に「そこに行ってはいけない」などと赤い字で書きなぐった新聞紙が散らばっています。この作品ではここで怖がらせようとしていると思うのですが、まったく怖くないです。

Y木:そうやろうな。

S原:で、女性(依頼人)の様子もおかしくなります。彼女もストーカーのように頭を抱えて苦しんだりします。

Y木:おお、女性も憑かれてたと?

S原:よくわかりません。そうこうしているうちに、ストーカー男は自殺します。それが最初にでてきた廃墟ホテルです。そこは九州なので、なぜそんなところまで行ったのかわからないという推理が延々と続きます。わからないのなら推理しなくて良いと思います。あなた、どう思いますか?

Y木:知らんがな。最後は?

S原:探偵は廃墟ホテルの怨念(死霊?)が原因なのではないか?と考えて、廃ホテルに行きます。冒頭の場面になります。探偵が急に苦しみだします。たぶん怨念のせいです。おしまい。

Y木:……え、それだけ?

S原:これは本当に最後まで観るのがつらかった。淡々とした演出で怖がらそうとしたのか、リアルな感じをだそうとしたのか意図は不明なんやけど、いやーこれには降参します。

Y木:こんなDVD、一体何人が観たんやろ?

S原:「着信アリ2」と間違ってレンタルした人はおるやろうな。でも、とにかくレビューもすごく少ない。というか観たとしてもレビューする気になれないんとちゃうかな。さあ、みなさん、まれにみる変なDVDですが「ダメ映画として楽しむ」ということも難しいので、わざわざ観なくても良いと思います。たぶん中古店でもまず見つからないと思いますが、手に取るまでもないですよ。DVDをとる手の運動のカロリーがもったいないですから。いやはや、とんでもない珍品でした~!

 

 

   ※ 話のなかで触れた3本のDVDは以下の通り。どれも、なかなかの出来です(笑)

 

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