あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

(おまけ)完成しなかった映画たちの巻

「熊楠 -KUMAGUSU-」(未完成)

未完の映画「熊楠-KUMAGUSU-」(山本政志監督) - 和歌山経済新聞

 

Y木:あーこれな。ついに完成しなかったんやな。

S原:当時、自主映画を作ってた人のヒーローだった山本政志監督やな。製作費がなくて撮影が止まったと聞いて、みんなでカンパしたのになあ(苦笑)

Y木:いまならクラウドファンディングでお金を集められたかもな。

S原:ぼく南方熊楠、好きやから観たかった。どんな映画になっていたのか……残念です。

 

暴走機関車黒澤明バージョン)」(未完成)

暴走機関車 - 解説・レビュー・評価 | 映画ポップコーン

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Y木:これ、ちゃんと映画化されたやん。

S原:黒澤のオリジナル脚本は「原案」として使用して、かなり中身が変わってしまっている。黒澤自身も不満やったみたい。本当は「暴走機関車」は、黒澤がハリウッドで撮る予定やったのよ。実際、現地でロケハンもしたし、あと一歩というところで頓挫してしまった。

Y木:そうなんや。

S原:ぼくは、黒澤版「暴走機関車」をいまでも夢に見る。骨太で単純な物語のなかに、人間同士のぶつかりあいがある。脚本も読んだけど、かなり面白いねん。

Y木:なんでダメになったの?

S原:細かい点を言うとキリがないけど、最終的にはむこうのプロデューサーと意見があわなかったのが原因やろうな。「人間の業をもっとわかりやすく表現してくれ」とか「作品の時間を削ってくれ」とか。さらにアメリカ側の脚本家が意図と反する場面を追加したりして、黒澤は憤懣やるかたなしやったらしいわ。まあアメリカは契約社会やし、黒澤は自分でコントロールをしたがるやろ。やっぱり調整役が必要やったんやろうな。あー観たかったなあ。だれか、オリジナルの脚本を元に映画化してほしいねんけどなあ……(ため息)

 

「黒き死の仮面」(未完成)

黒澤明の最後の脚本『黒き死の仮面』の製作ノートに書かれたテーマは”人間の愚劣と醜悪”を描く恐ろしい終末観だったー2020年公開は--? - シネフィル  - 映画とカルチャーWebマガジン

黒澤明の最後の脚本『黒き死の仮面』の製作ノートに書かれたテーマは”人間の愚劣と醜悪”を描く恐ろしい終末観だったー2020年公開は--? - シネフィル  - 映画とカルチャーWebマガジン

黒澤明の最後の脚本『黒き死の仮面』の製作ノートに書かれたテーマは”人間の愚劣と醜悪”を描く恐ろしい終末観だったー2020年公開は--? - シネフィル  - 映画とカルチャーWebマガジン

映画『デルス・ウザーラ』あらすじ&ネタバレ感想。無料視聴できる動画配信は? | MIHOシネマ

Y木:これも黒澤明か。映画化できなかったんやな。

S原:「デルス・ウザーラ」(1975)の後に、ソ連でもう1本作りませんか?ということで企画したらしい。これは脚本がシナリオ全集に収録されているから読めるねん。読んでみたけど、なんとも形容しがたい雰囲気の映画でな。これが映像化してたら本当にどんな映画になったのか予想ができない。

Y木:ポー原作をソ連で映画化か。やっぱりスケールがでかいな。

S原:クライマックスで、豪華絢爛でありながら奇天烈な仮装舞踏会になるねんけど、ここが凄まじい。しかも舞踏会の演出をフェリーニに頼んだら、やる気満々でノリノリやったという噂があるねん。

Y木:へえ、そりゃすごい。

S原:でもプロデューサーが「おいおい、その2人がタッグを組んだら、いくら製作費がかかるかわからんやん……」って半泣きになったらしい。製作費の問題もあるけど、やっぱり内容がな。

Y木:暗すぎる?

S原:それもあるけど、見方を変えれば、ソ連の体制(独裁国家やその末路)にも解釈できるねん。

Y木:それでは、OKはでないやろうな。

S原:中国で映画化とかアニメ化とか噂があるけどどうなんでしょう。だれか詳しい人、教えてくださいませ~!

 

「DUNE  砂の惑星ホドロフスキー・バージョン)(ドキュメント映画として一部観れます)

 

ホドロフスキーのDUNE 評価と感想/未完に終わった大作

▷ Jodorowsky's dune español | Actualizado enero 2023

映画『ホドロフスキーのDUNE』上映&トーク:フレデリック・トゥルモンド(ユマノイド日本支社代表)による初心者向けバンド・デシネ講座 –  アップリンク渋谷

 

Y木:これはSFファンのあいだでは有名やな。

S原:うん、あとでドキュメントになったけど、あれは面白かった。デビット・リンチの「砂の惑星」を観て、「やったー!失敗作だー!」って笑うもんなあ。

Y木:あそこは笑ったわ。でもやっぱりホドロフスキー版の全編が観たいよな。

S原:絵コンテは出来てるやん?それを映像化するのは難しいんかな。いまならアニメでもうまく作れそうやけど。

Y木:そのへんはよくわからんけど、権利関係とか複雑なんとちゃう?

S原:一説では、ホドロフスキーが凝りまくって予算が100億円以上、しかも上映時間が10時間とか24時間になる見込みやったらしい。

Y木:そりゃ、製作中止になるやろ(笑)

S原:いつか絵コンテの本だけでも出版してほしい(S原注:少しだけ流通したという噂あり)。いやー本当に完成したら、どんな映画やったんでしょうか…?

 

A.I.キューブリック・バージョン)スピルバーグにバトンタッチ)

Early concept and storyboard art for Stanley Kubrick’s A.I. Art by ...

UPDATED: Check Out the Stanley Kubrick's 'A.I.' Concept Art That Made ...

AI set - Kubrick & Spielburg | Concept art, Art, Chris baker

 

Y木:「A.I.」は、キューブリックの次回作として噂されていた作品やな。

S原:スピルバーグは、キューブリックから「自分は撮るのが遅いから、子供が成長してしまう。君は早撮りだから頼む」と言われたらしい。

Y木:たしかに(笑)でも、スピルバーグの「A.I.」はなあ。ちょっとなあ。

S原:ファンの人には申し訳ないけど、ぼくは嫌いです。ドラマとしてもSFとしても中途半端やし、どのキャラにも感情移入できない。ものすごく長く感じるし。

Y木:気になるのは、あのラスト。キューブリックなら、あのラストにはしないと思うんやけどな。

S原:オリジナルの設定や意図がどこまで反映されているかはわからんけど……キューブリック版の設定資料とかたくさんあるやん。取捨選択したんやろうけど、ラストも含めてもうちょっと上手く取り入れなかったんやろうか。

Y木:それこそセンスでしょ。

S原:かもな。それにしてもキューブリックの「A.I.」、観たかった~!