あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「ライブ・ランナー」(2017)の巻

ライブ・ランナー [DVD]

S原:今回は、どっかで観たような気のするこの映画!

Y木:いやな予感がするぞ……

(あらすじ)

ドイツ政府はもうこれ以上難民を受け入れないとし、移民志願者へもし移住してきたかったら、有名なTVショウ“イミグレーション・ゲーム”(移民ゲーム)に参加することを告げる。参加者はリアルゲームの中で「ランナー」となり、賞金目当ての凶悪な覆面殺人者たちの罠、攻撃から逃れ、ベルリンのテレビ塔までこぎつけなければならないのだった…。

 

Y木:(あらすじを読んで)やっぱり「バトルランナー」(1987)やん!

S原:基本は「バトルランナー」と同じ。あとテレビ番組の「逃走中」とか「リアル鬼ごっこ」のテイストが入っています。

Y木:どっちにせよ昔からよくあるネタやん。

S原:ありがちなのは全然OKやねんけどな。この映画は良いところと悪いところがハッキリしてたかな。

Y木:というと?

S原:良いところから言うと、全体にしっかりと作っています。お金はかかっていないと思うけど、工夫している。あと俳優たちが良い。英語とドイツ語がちゃんぽんで会話するのも面白い。ドイツというか欧州の移民問題も皮肉っていて、このへんは上手いです。

Y木:へえ。

S原:ただなあ、個人的には観るのが辛かった。とくに中盤からみてて気分が悪くなって一旦観るのを止めたわ。

Y木:なんで? グロい?

S原:酔うねん。

Y木:酔う?

S原:カメラがゆらゆらと揺れる演出が多いねん。緊張感を出そうとしているのか、隠し撮り風なのかわからんけど、ぼくみたいに三半規管が弱い人間には辛かった……これ、本当です。

Y木:あー手持ちカメラか。あれは好みが分かれるかもな。

S原:ぼくは「プライベート・ライアン」(1998)のオープニングでも吐きそうになったから、ちょっと弱すぎるんやけどな(苦笑)でも、この手持ちカメラがあんまり効果が出てないと思うねんけどなあ。べつに緊迫感も出てないし……ぜひ観た人の感想を聞きたいです。

Y木:ほかは?

S原:あとは、やっぱり設定に無理があるから、「あれ?」と思う場面が多い。ドイツ政府主導の移民施策で、移民を希望する「ランナー」を追う「ハンター」から逃げながら24時間以内にスタート地点からゴール地点まで逃げ切れば永住権が与えられる…という設定やねん。主人公は普通のドイツ市民やったんやけど、あるとき助けを求めてきたランナーをかばって、ハンターを倒してしまう。それで、主人公も罰としてゲームに参加させられます。ランナーは、テレビで指名手配犯みたいに放送されるから、すぐにバレてしまう。

Y木:それで?

S原:当然、ハンターは主人公たちランナーを追いかけるねんけど、普通の市民も主人公を捕まえてもいいのか、それともハンターだけが捕まえる権利があるのかよく分からないのよ。市民がこっそりと守ってくれたり、電車でからんできたヤングたちが一緒に写真を撮って盛り上がるけど、とくにそれ以上は何もしなかったり、どうにも世界観がはっきりしない。これは、架空の設定のサスペンスでは致命的やと思う。

Y木:なるほど。

S原:ところどころは面白いから、すごいもったいない。これやったら、バカの北極点まで到達した「バトルランナー」のほうが楽しめるで。

Y木:バカの北極点って(笑) 

S原:だって「バトルランナー」よりも、バカっぽい映画って存在する?

Y木:そりゃ、あるやろ。まあ、思いつかへんけど。

S原:しいていうなら「悪魔の毒々ハイスクール」(1987)くらいちゃう?

Y木:あーあれは匹敵するかもな。近くにある核施設の影響で、高校生がパンクや不良になるやつ(笑)

S原:そういうことよ、モナミ。で、この映画に戻ると、ラストがちょっとなー。

Y木:ラストって、ちょっと待って。まさか……

S原:そのまさかですよ、あなた。

Y木:まさか、主人公がハンターになっておしまい?

S原:イエース!さすが相棒。世界中の女はおまえのものさ!

Y木:ダイヤモンド☆ユカイか。

S原:まあ、そういうわけで面白くなりそうでならなかったというのが僕の評価でござる。というわけで、よほどこの設定が好きな人のみおススメします。それ以外の人は「バトルランナー」を観た方が無難でしょう!これ以上、ターミネーターシリーズを続けてもどん詰まりですから、バトルランナーのシリーズ化を希望します。ネットフリックスさーん、よろしく~!

 

 

 

(おまけ)

映画ファンなら、DVDを手元に置いておきたい1枚!映画「バトルランナー」の記事はこちら!来年のハロウィンの仮装では、この主人公のタイツ姿の仮装が観れるはず!

 

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