S原:今回は、西遊記ネタ!
Y木:へえ。
(あらすじ)
天界で大騒動を起こしている孫悟空(チャン・ユィシェン)と、のちに猪八戒となる将軍の天蓬(イン・ハオミン)たちが戦いを繰り広げていたそのとき、仏陀が現れて、孫悟空を五指山に幽閉する。天蓬は厄介者である孫悟空を倒すため人間界へ降り立ち、モンスターハンターの宝児(ワン・イージョー)と出会う。その後妖怪の襲撃をかわし五指山に着いた天蓬は、孫悟空と再び戦いに挑むが、そこへ意外な敵が現れる。
S原:中国映画で、この手の映画が結構あるのよ。でも観たことなくて今回が初遭遇です。
Y木:どうやった?
S原:有意思(面白かった)です。
Y木:西遊記の話とはちゃうみたいやな。ちゃんと孫悟空と猪八戒が戦うの?
S原:戦います。
Y木:ほー。ジャケット詐欺じゃないんやな。
S原:ちょっとだけやけどな(笑)
Y木:あかんやん。
S原:この映画は、孫悟空 vs 猪八戒 がメインじゃなくて、猪八戒になるまえの「天蓬」という男の物語になってます。前日譚やな。まず、孫悟空が暴れているところから、映画は始まります。で、その悟空を捕えようと主人公(天蓬)が戦いを挑みます。カンフーのようなSFファンタジーのようなユニークな戦いのあと、悟空は人間の世界に逃げていきます。悟空は五指山というところに潜んでいると聞いて、主人公は悟空を追って人間界におりていきます。そこで、宝児という女性が率いる妖怪ハンターのグループと会います。これがヒロインね。
S原:天蓬のすごい力を見抜いた宝児は、適当な嘘をついて一緒に旅をすることになります。
Y木:嘘をつく? なんで?
S原:ひとつは、主人公が妖怪を捕まえたらお金になるから。もうひとつは、イケメンの天蓬にヒロインが胸キュンしたから。
Y木:え、ラブコメなんか?
S原:君的見解是正解(あなたの言う通り)。前半はラブコメです。で、主人公の格好が面白い。聖闘士星矢みたいな甲冑やねん。
Y木:へえ。アニメっぽいんか。
S原:日本のアニメとか、ハリウッドとか、武術とかいろんな要素を混ぜています。要するに、寄せ鍋みたいやねん。
Y木:寄せ鍋か。いろんなジャンルが混ざってるってこと?
S原:是的(そうそう)。話も西遊記をベースに、ラブコメ、神話みたいなSF、カンフーアクションがでてきます。最後には、人情とか悲哀もぶちこみます(笑)
Y木:さすが中国。なかなかのバイタリティやな。
S原:嗯(うん)。このへんは、面白い。ただなあ……
Y木:え?
S原:ちょっと渋滞気味やねん。
Y木:あー混ぜすぎて?
S原:そうそう。面白いねんけど、それぞれの要素がかみ合って、後半にカタルシスが生まれるという感じはなかった。
Y木:なるほどな。
S原:でも、楽しめたで。こういうのが好きな人にはおススメです。
Y木:孫悟空は?
S原:あー、なんかちょっと気持ち悪かったわ。目つきが良くないねん。性格も悪いし。
Y木:そうなんか。
S原:やっぱり孫悟空なら赤い服を着て欲しかったな。筋斗雲を呼ぶときに、口の前で指を振ったりもしないし、もみあげも太くないしな。
Y木:そりゃ、堺正章! 言うと思ったわ。
Y木:ラストは?
S原:夏目雅子……じゃなかった、三蔵法師がでてきて、一緒に旅に行くところで終わります。ただ、そのまえにクライマックスがあるねん。
Y木:ほう。
S原:ここは今から観る人のために、ネタバレしません。一応、伏線回収になるし、なかなかやったと思うで。
Y木:へえ。今回はわりとまともみたいやな。こんな映画やのに(笑)
S原:さあ、みなさん。中国映画が好きな人は楽しめます。主人公は、甘めのマスクでなかなかのイケメンです。ヒロインが不思議な個性で、一流ホテルのラウンジにいるような美人にみえるときと、場末のスナックであくびをしているようなイマイチなときと、すごく振り幅が大きいです。なんとも不思議な女優でした。というわけで、今回はわりと面白かったです。また、機会があれば中国映画を取り上げます~! 我期待君的再来訪! 謝謝!