S原:今回は、ヘンゼルVSグレーテル!
Y木:ヘンゼルとグレーテル……お菓子の家の童話やったけ?
(あらすじ)
“おそろし森”の戦いで、魔女リリスを倒してから1年。凄腕の魔女ハンターに成長したヘンゼルは、故郷の町が再び魔女に狙われていることを知り、キャンドルウッドに帰ってきた。グレーテルと再会したヘンゼルは、兄妹で力を合わせ魔女軍団を次々と倒してゆく。だが、ヘンゼルは知らなかった。全ての黒幕は、悪魔に魂を売ったグレーテルだったのだ!その狙いは、永遠の生命を宿す魔女の心臓。ダークサイドに堕ちた最愛の妹を、ヘンゼルは救えるのか?
Y木:これ、おもろいの?
S原:うーん、まあ普通やったかな。
Y木:ヘンゼルとグレーテルって、お菓子の家のやつやろ? 関係あるの?
S原:買ったときは気づかんかったけど、映画としてはパート2です。前作は「ヘンゼルとグレーテル おそろし森の魔女」(2013)と言う映画。
S原:これ、実は観たことあるねん。
Y木:観たの?
S原:予告編が面白そうやったから昔に観た。かなり忘れたけど、これも普通の出来やったわ。
Y木:おまえの言う「普通」がわからんから、なんとも言えんわ。
S原:ぼくの言う「普通の映画」は、「突っ込みにくい映画」です。
Y木:結局、ツッコミありきかい。
S原:このブログを始めてから、そういう映画ばっかり観るようになってしまった(苦笑) はじめから負け戦と分かっているのに観続ける苦しみ……みなさんは分かっていただけるだろうか?
Y木:分かりたくもないわ。しかし、ヘンゼルとグレーテルは兄妹やろ。なんで戦うの?
S原:前作では、ヘンゼルとグレーテル兄妹が魔女狩りをする話やねん。魔女といってもゾンビみたいなやつね。前作の後、ヘンゼルは、凄腕の魔女ハンターとなって、全米をまわって魔女狩りをしていました。ヘンゼルは坊主頭のおじさんで、ひょろひょろでとても強そうに見えませんが、つっこんではいけません。一方、グレーテルは化粧も濃くてムチムチで服のボタンがはじけそうな肉感的な女性です。SMクラブでは人気が出そうなタイプです。
Y木:SMクラブの人気者がヒロインか(苦笑)
S原:さて、ひょろひょろのヘンゼルが故郷に帰ってくるところから始まります。故郷には妹のグレーテルがいて、飲み屋をしています(前作で登場した人物の店らしい)。友人が失踪したことを知ったヘンゼルは、グレーテルと仲間たちと一緒に調査を始めます。そこで魔女軍団がやってきて……
Y木:まあ普通のストーリー展開やな。というか、その話やったらヘンゼルとグレーテルは別に戦わなくてもええやん。
S原:そこがなー。これ、結局はグレーテル自身が魔女だったというオチやねん。
Y木:ほう。
S原:グレーテルは、魔女軍団たちを騙して殺して食べます。グレーテルはずる賢くて魔女たちよりも一枚上手でな。自分の欲望のために殺しまくる。とてもヒロインとは思えんよ(笑) まあ、それはええねんけど、演出がちょっとな。
Y木:下手?
S原:じゃなくて、「じつはグレーテルが魔女だった」というのは、兄のヘンゼルも観客も一応驚くところやん? ラストに持ってきたらどんでん返しになるやろ?
Y木:まあな。ベタやけど。
S原:ところが、この映画ではすぐにそれを説明してしまう。
Y木:そうなんや。ヘンゼルは気づかへんの?
S原:最後まで気付きません。でも、観客は知ってるやん? なのでヘンゼルだけがすごくバカっぽくみえる。ヘンゼルにとっては嫌がらせみたいな映画やで(笑) なんでこんな構成にしたんか分からん。最後の方で「まさか……おまえが!?」という場面があるけど、観ている方は「いまさらかよ!」と突っ込むだけという。
Y木:じゃあ、一応ヘンゼルVSグレーテルという場面はあるねんな。
S原:あります。でもまあ大したことなかったかな。後半でたくさんの魔女とかでてくるねんけどな。
Y木:ほう。
S原:みんな、むっちりしてるねん。
Y木:知らんがな。
S原:監督の好みが分かる映画やった。「The♥かぼちゃワイン」のエルが理想なんやろうな。
Y木:昔の漫画に詳しい監督なんやな。
Y木:ラストは?
S原:いろいろあって、一応決着します。ヘンゼルは全然活躍しません。でも、なにもしていないくせに「おれは…やり切ったぜ……!」みたいな感じでどこかへ歩いて行って、おしまい。
Y木:なんか変な映画やなあ。
S原:というわけで、みなさま。はじめに言った通り、出来自体は普通だと思いますが、とにかく主人公が頭が悪く見えます。どうしもスカッとしない感じですが、主人公に向かって「はよ気づけよ!」と突っ込むのにはピッタリの映画です。坊主頭のおじさんを蔑みたいときに、ぜひ観てくださいませ~!