あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「アドレナリン:MAX」(2009)の巻

アドレナリン:MAX [DVD]

S原:今回は、ドイツ製アクション!

Y木:へえ。ドイツ?

(あらすじ)

重要証人、証人を守る刑事、証人を抹殺したいマフィア、次々と送り込まれる刺客たち……様々な使命を帯びた者たちが同じ場所に入り乱れる中、史上最強の殺し屋が登場する!

 

S原:まあ、ドイツといっても英語を話してるし、製作の事情はいろいろとあるんかもな。

Y木:ふーん。で、どうやったの?

S原:これが、意外なことに結構イケる。アイデア賞といってもいいと思う。低予算バリバリやけど、工夫してるねん。カーペンターの「要塞警察」(1976)ってあったやろ?

Y木:あー警察署に籠城するやつ。

S原:そうそう。警察署が引っ越し中で、ほとんど警察官がいない中で孤軍奮闘するとい設定がええねんな。

Y木:そういえば昔に、このブログでも取りあげたな。

 

talksessionyands.hatenablog.com

 

S原:あの「要塞警察」に似ている。舞台は病院。主人公は刑事ね。移転中でほとんど医療従事者がいない中に、刑事が瀕死の男性を運び込む。頭を打たれて銃弾が残っているから、手術してくれと頼む。この男性がマフィアの裏情報を持っている重要証人で、主人公としてはどうしても命を助ける必要がある。ところが、病院はほぼ空っぽで、新米の医師と数人の看護師しかいないねん。その医師は「手術なんかやったことない」と泣き言を言われてしまう。

Y木:どうするの?

S原:主人公は、医師に銃を突き付けて「手術をするか?おれに撃たれるか?どっちか選べ!」

Y木:むちゃくちゃやがな(笑)

S原:まあ、そんなノリの映画やねんけどな。この病院に、証人を消すためにマフィアからの刺客が次々とやってくる。刑事は、証人を守りつつ、なんとかその刺客たちと戦う……これだけやねん。

Y木:たしかに単純やな。

S原:ちょっと感心したのは、すでに証人は撃たれていてマフィアがとどめを刺した(はず)という会話をする場面から、映画は始まるねん。普通のB級映画なら、証人が撃たれる場面を最初にうつして、タイトルにいくという感じやけど、ここはシンプルで感心した。ここは、タランティーノの省略描写を真似たんとちゃうかな。

Y木:ふーん。タランティーノみたいな会話とかあるの?

S原:少しある。でも、そっちはそんなに上手くなかったかな。あとは、病院のなかで、主人公は一人で右往左往するという設定も「ダイ・ハード」によく似てるけど、これもうまく換骨奪胎している。ほかに上手い設定もあるのよ。主人公の妻が、看護師としてこの病院におるねん。だから、主人公は怪我人をここに連れてきたんやけど、なんと妻は妊娠してて(お腹が大きい)、主人公は驚きます。

Y木:なんで、妻の妊娠を知らんの?

S原:主人公の仕事が多忙ですれ違って、離婚寸前やねん。臨月を知らんくらいやから、別居してたんやろうな。ところが、赤ちゃんの父親は自分かもしれない、と主人公は気付く。これも、あとで効いてきます。こういう努力している映画には、点数が甘くなるなー。

Y木:要するに、おまえ好みやったんやな。

S原:うん。まったく期待せずに「さあ、どうやって突っ込んだろ?」と思いながら観始めたんやけどな、いい意味で裏切られたわ。

Y木:つっこみ前提で観るんか。ブログのためとはいえ、なんか不毛やなー。

S原:まあな。でも、それを言ったらおしまいよ。だって、3億6000万人の熱心な読者が、毎週末に待ってくれてるんやからな。

Y木:読者数、サバ読みすぎやろ。日本の人口よりも多いがな。で、肝心のアクションはどうやったの?

S原:良かったで。とくに、このジャケットの人ね。

Y木:これが主人公やろ?

S原:いいえ。これは主人公に襲い掛かる刺客です。

Y木:またパッケージ詐欺か。

S原:いや、敵やけど大活躍するから、許せます。ちなみに、このおじさんは伝説の殺し屋、コンラッドね。

Y木:伝説の、と言われても知らんがな。

S原:たしかに。でもこいつ、おもろいねん。バイクで病院の到着するねんけど、そのままバイクで病院に入っていく(笑) バイクにまたがったままマシンガンを連射! 

Y木:なんか中学生が喜びそうやな。

S原:え? そりゃそうよ。

Y木:阪神の岡田監督か。

S原:あれよ、あれ。これは男子中学生と男子中学生の精神年齢のおじさん向けの映画よ。

Y木:まあ、それはそれでええんかな。というか、ハリウッドでお金がかかったアクション映画も同じかな。

S原:うん。だって、アメコミ映画とか、昔は子供向けやったやん。それが今では大人も観るんやからな。同じなんちゃう?

Y木:そういわれればそうか。主人公はどう? わりとかっこええ感じ?

S原:いや、なんか華のないオジサンやったわ。

Y木:あかんやん。

S原:早朝に、コンビニの前の駐車場で、牛乳片手にクリームパンを食べてるようなオジサンやった。

Y木:具体的すぎてわかりません。

S原:でも、今回はそういうのも許容範囲です。というわけで、みなさん! この映画は(期待せずに観たら)結構面白かったです。80分しかないので、あっという間に話がすすみます。たぶん、安くで売ってると思うので、B級アクション好きな人はゲット、プリーズ!