あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

翼よ、あれが80年代だ!「レイズ・ザ・タイタニック」(1980)の巻

レイズ・ザ・タイタニック

S原:今回は、タイタニックが浮き上がりますよ~!

Y木:うわ、この映画か……

(あらすじ)

沈没した豪華客船・タイタニック号の引き揚げを描くクライブ・カッスラーの原作を映画化。海洋研究機関のサンデッカー長官は、元海軍大佐からタイタニック号には特殊な鉱石・ビザニウムが眠っているとの報告を受ける。ビザニウムは、未来の世界戦略には不可欠といわれる貴重なもので、アメリカ合衆国は極秘で北大西洋の海底4000メートルから引き揚げようと計画をする・・・!

 

Y木:これ、おまえが学生時代に散々ネタにしていた映画やん。

S原:あとで調べると「第一回ゴールデンラズベリー賞」を獲ってるみたい。

Y木:やっぱりな(笑)

S原:原作は面白いらしい。でもまあ、この映画をボロカスに言う気持ちはわかる。実際、ぼくも合コンでよく話題にしてたしな。

Y木:合コンで、「レイズ・ザ・タイタニック」の話なんかするから、おまえはモテへんねんって。

S原:これ、何十年ぶりかで再見したけど、昔観たときの細部を覚えていて自分でも驚いたわ。雀百まで踊り忘れず、やな。

Y木:こんな踊りなら忘れてもええけどな。

S原:でも、嫌いになれない自分がいる……不思議だね、人間って(微笑)

Y木:知らんがな。はよ内容を言ってくれ。たしか、タイタニックに特殊な石があって、それが必要やから、無理やり引き上げる話やろ?

S原:その通り。ロシア政府が雇った鉱夫がビザニウムという鉱石を、タイタニックに持ち込んでいたけど、ご存じの通り遭難して沈没してしまう。ビザニウムは軍事戦略に有利になるようなものなのでアメリカ政府がこっそりと引き上げて、ビザニウムを手に入れようとします。

Y木:こっそり、って。めちゃくちゃ目立つがな。無理やろ。

S原:案の定、マスコミにバレます。マスコミには「テヘッ♡」みたいに誤魔化しながら、引き上げ作戦を実行する。もちろん、敵対するソ連も動き出して……と言う風に展開します。こう聞くと面白そうやろ?

Y木:まあな。

S原:たしかに悪くないんやけど、どことなく「ゆるい」ねん。なので、超大作!って期待してしまうと、設定とか展開の「粗さ」が気になってしまう。そういう意味では可哀そうかも。

Y木:浮き上がらせる方法がすごいよなあ。はじめ聞いたときは笑ったわ。

S原:あー風船をくくりつけて浮力で引き上げるという。当時は、なるほどなあって感心したけど、実際に浮き上がるかどうかは知らん。一応、科学的に考証してるんちゃう?

Y木:いやー、そのへんも適当な気がするなあ。だって、浮力で浮き上がるときに、船体が壊れると思うねんけどな。

S原:わからんなあ。誰か調べて欲しいなあ。で、当時はCGとかなかったやろ。なので精巧なミニチュアを水面に引き上げてるんやけど、やっぱりこの場面はええよ。

Y木:まあ、一番のハイライト場面やから。というか、面白いのはこのシーンだけちゃう?

S原:そう言われると返事ができないけど…(苦笑)実際は、タイタニックは真っ二つに折れてたのは、キャメロンが描いた通りやけど、当時はそこまで分からんかったから、風船作戦にしたんやろうな。

Y木:ネタバレになるけど、確かタイタニックにビザニウムはなかったやろ。

S原:うん。だから壮大な骨折り損のくたびれ儲け、やな。

Y木:結局、ビザニウムはどこにあったの?墓地やったっけ?

S原:鉱夫の墓の中です。主人公たちは、それを突き止めるけど、世界の平和を考えて墓に入れておく。ここでおしまい。このラストは味があるやろ。

Y木:まあ、味があると言うかなんというか。

S原:さあ、みなさん。これこそ80年代の夜明けを告げる超大作だったんですよ。今となっては、いろんな意味で感慨深い映画ですが、いまのヤングたちが観たら「しょぼいなー」と突っ込まれるんでしょうか。それとも「最高じゃん、これって隠れた名作じゃね?」と興奮するんでしょうか。嗚呼、あの金メッキのように輝いていた80年代よ、フォーエバー!