S原:さあ、男なら「マッドマックス」シリーズよりもこっちですよ、こっち!
Y木:おまえ、「バトルトラック」が好っきやなあ……
(あらすじ)
ニュージーランドで製作された近未来バイオレンス。巨大な戦闘用トラックを駆り人々を苦しめる悪人どもの前に、バイクにまたがったひとりの英雄が立ちはだかる・・・
Y木:これ、「マッドマックス2」(1981)のパクリやろ。
S原:オマージュですよ、オマージュ!
Y木:絶対ちゃうわ。
S原:まあ見てよ、このバトルトラックのデザインを。いやあカッコいい。もう最高!ミニカーで欲しい!
Y木:わかったわかった。なんか似たような映画なかった?昔、観たぞ。地球が荒廃したなかでトラックで旅するやつ。
S原:「世界が燃え尽きる日」(1977)やな。あのトラックは、「ランドマスター」っていうねんで。車輪が変則な形になってるねん。いやーあれも最高やったよな。
Y木:最低やったわ。変なサソリとかでてくるし……(苦笑)それにあの映画は、ごっつい変なところで終わるやん。
S原:まあな。人類が死滅してたと思ってたら、すこし離れたところにいました、というオチやったな。
Y木:ひどい映画やな……というか、荒廃した大地にトラックが走るって、「世界が燃え尽きる日」のパクリやん。
S原:オマージュですよ、オマージュ!
Y木:ちゃうわ!
S原:まあ、大きなトラックがでてきたらそれだけで、レビューが10点UPになるのは仕方ないよな。
Y木:子供か。もうええから、ストーリーとか話せよ。
S原:実はストーリーは……
Y木:ほう。
S原:……ほとんどないねん。
Y木:やっぱりな。そうやと思った。
S原:すごく単純でな。地球が荒廃しています。移動手段は車しかないです。悪い奴らがいます。そいつらがバトルトラックに乗っています。人を殺しまくります。主人公がやっつけます。おしまい。
Y木:なんだかなあ……最後はどうなるの?
S原:トラックを崖から落として、おしまい。
Y木:そりゃ、「激突!」(1971)やがな。
S原:まあ、偶然の一致やろうな。
Y木:ちゃうやろ。マッドマックスの設定をモロにパクってる上に、ラストまでパクるんか。すごい根性やな。
S原:そしてラストシーンは、馬に乗って去っていく主人公の後ろ姿。それをみつめる娘……
Y木:そりゃ、「シェーン」(1953)やがな。
S原:たまたま、かぶったんやろな。
Y木:確信犯やろ。あんな有名なラストをパクるなって。
S原:映画全体としては、コクのない薄味のビールみたいやねん。演出に切れ味がなくて、アイデアも凡庸やから、どうにも薄味になってしまう。その分、話はサクサクとすすみます。肩の力をぬいて観てね。楽しいよ♡
Y木:いやー観る気がしないなあ…(ため息)
S原:さあ、みなさん。トラックが爆走する場面は最高です。何気に音楽も良いんですよ。ずっとサントラを探していますが、たぶん一生出会えないでしょうね。「メガフォース」を薄めたような映画ですが、これはこれでアリですよ。中古品は結構レアなので、店頭で見つけたらマストバイですよ~!