あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

翼よ、あれが80年代だ!「バトルトラック」(1983)の巻

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S原:さあ、男なら「マッドマックス」シリーズよりもこっちですよ、こっち!

Y木:おまえ、「バトルトラック」が好っきやなあ……

(あらすじ)

ニュージーランドで製作された近未来バイオレンス。巨大な戦闘用トラックを駆り人々を苦しめる悪人どもの前に、バイクにまたがったひとりの英雄が立ちはだかる・・・

 

Y木:これ、「マッドマックス2」(1981)のパクリやろ。

S原:オマージュですよ、オマージュ!

Y木:絶対ちゃうわ。

S原:まあ見てよ、このバトルトラックのデザインを。いやあカッコいい。もう最高!ミニカーで欲しい!

Y木:わかったわかった。なんか似たような映画なかった?昔、観たぞ。地球が荒廃したなかでトラックで旅するやつ。

S原:「世界が燃え尽きる日」(1977)やな。あのトラックは、「ランドマスター」っていうねんで。車輪が変則な形になってるねん。いやーあれも最高やったよな

Y木:最低やったわ。変なサソリとかでてくるし……(苦笑)それにあの映画は、ごっつい変なところで終わるやん。

S原:まあな。人類が死滅してたと思ってたら、すこし離れたところにいました、というオチやったな。

Y木:ひどい映画やな……というか、荒廃した大地にトラックが走るって、「世界が燃え尽きる日」のパクリやん。

S原:オマージュですよ、オマージュ!

Y木:ちゃうわ!

S原:まあ、大きなトラックがでてきたらそれだけで、レビューが10点UPになるのは仕方ないよな。

Y木:子供か。もうええから、ストーリーとか話せよ。

S原:実はストーリーは……

Y木:ほう。

S原:……ほとんどないねん。

Y木:やっぱりな。そうやと思った。

S原:すごく単純でな。地球が荒廃しています。移動手段は車しかないです。悪い奴らがいます。そいつらがバトルトラックに乗っています。人を殺しまくります。主人公がやっつけます。おしまい。

Y木:なんだかなあ……最後はどうなるの?

S原:トラックを崖から落として、おしまい。

Y木:そりゃ、「激突!」(1971)やがな。

S原:まあ、偶然の一致やろうな。

Y木:ちゃうやろ。マッドマックスの設定をモロにパクってる上に、ラストまでパクるんか。すごい根性やな。

S原:そしてラストシーンは、馬に乗って去っていく主人公の後ろ姿。それをみつめる娘……

Y木:そりゃ、「シェーン」(1953)やがな。

S原:たまたま、かぶったんやろな。

Y木:確信犯やろ。あんな有名なラストをパクるなって。

S原:映画全体としては、コクのない薄味のビールみたいやねん。演出に切れ味がなくて、アイデアも凡庸やから、どうにも薄味になってしまう。その分、話はサクサクとすすみます。肩の力をぬいて観てね。楽しいよ♡

Y木:いやー観る気がしないなあ…(ため息)

S原:さあ、みなさん。トラックが爆走する場面は最高です。何気に音楽も良いんですよ。ずっとサントラを探していますが、たぶん一生出会えないでしょうね。「メガフォース」を薄めたような映画ですが、これはこれでアリですよ。中古品は結構レアなので、店頭で見つけたらマストバイですよ~!