Y木:なんやねん、これ……?
S原:今回はすごいですよ~!
(解説)
地球外生命体によるアブダクション計画に迫ったSF作品。両親と死別した青年から投稿されたHi8ビデオテープには、巨大なUFOの映像が収められていた。その謎を探るスタッフは、必死の調査の末に投稿者とのコンタクトに成功。明かされた衝撃の真相とは…。
S原:よくB級とかZ級とか言うけど、これを観るとそういうフレーズは軽々しく言ってはいけないということを、今回再認識したことをここで告白しておきます。
Y木:なんやねん、いきなり。
S原:今回はもうZ級とかを通り越している。というか、そもそも映画ちゃうし(笑)
Y木:要するにドキュメント風なんやろ。
S原:一応そうやな。昔、よく家族がホームビデオを撮ってたやろ。
Y木:あー運動会とか。
S原:そうそう。キャンプかピクニックに行った時の映像が元ネタなんやけどな。そこに空飛ぶ円盤が写っているというネタやねん。
Y木:まあ、面白くなさそうやけど、ネタとしては普通やん。
S原:このDVDは一味違います。もちろん悪い意味で。
Y木:はあ。
S原:要するに、「Hi8ホームビデオで偶然撮影されたUFO映像」を観ているスタッフ(おじさん)が写っている映像が延々と流れるねん。
Y木:入れ子構造みたいやな。
S原:いやメタ構造でもなんでもないよ。出だしは、都市伝説風にUFOの目撃談(文字のみ)が延々と流れます。なんやねん、これ?と思っているとようやく本編が始まります。小太りのオジサンが「いまから、奇妙なものが写っているビデオを見てみましょう」「これは、20年くらい前のホームビデオみたいです」とか言って、デッキにセットします。
Y木:それで?
S原:なにも起きません。
Y木:いや、なにかは起きるやろ。
S原:ほんまに何も起きないねんって! おじさんが「本当にUFOが写っているんでしょうか」とか「あーこの風景では場所は特定できませんねえ」とか「ヤギがめえ~って鳴いていますね」とか言うのを聞くだけ。そんなDVDをだねえ、観たことあるかね、チミィ!
Y木:あーそう。空飛ぶ円盤みたいなのは写ってるんちゃうの?
S原:あー写ってるよ、一応。でもそこがまたひどい。「おじさんがビデオを見ている映像」のあとは、「それでは本編をお見せしよう」ともったいぶってまた再生します。しかも「ノーカットでどうぞ」
Y木:そりゃ、空飛ぶ円盤とかの画像はカットしたらあかんやろ。
S原:ちゃうねんって! この家族が延々と雑談している場面までノーカット収録してるねんって! もう一回巻き戻して最初から意味のない会話を聞かされるの! 「あのヤギは髭が長いなあ」とか「お肉が食べたいなあ」とか。知らない家族のそんな会話を聞かされてみ? 苦行以外の何物でもないで?
Y木:わかったわかった。それでどうなるの?
S原:このへんまでが前半です。で、後半はこの家族(特に息子)を探すという展開になります。
Y木:いや、20年くらい前の話やろ。そんなん、空飛ぶ円盤がほんまもんかどうかも分からんし、もうどうでもええやん。
S原:でもスタッフは探します。
Y木:どこを?
S原:以前、家族が住んでいた場所です。でも、もういませんでした。
Y木:やろうな。
S原:ところが、突然息子から会ってもいいと連絡が入ります。
Y木:へえ。
S原:スタッフが会います。息子は言います。「もう、あの出来事については話したくないんですよね」
Y木:なんで連絡してきたんや! 頭、おかしいんか!
S原:結局、UFOをみた場所は秩父のキャンプ場だと分かります(映像にキャンプ場の看板が映っていた・笑)。はりきって、女性スタッフが行きます。この女性スタッフですけどね、Y木さん。
Y木:なに?
S原:90年代のAV女優ぽいです。
Y木:むりやり下ネタを挟まんでもええねんで。
S原:で、この女性がキャンプ場をウロウロした挙句、カメラに向かってかっこよく言い放ちます。
Y木:なにを?
S原:「残念ながら、ここでUFOを見たという証拠は発見できませんでした」
Y木:当たり前やろ! 20年前の話やっちゅーねん!
S原:そのあと、何もやっていないのに女性スタッフが「やりきったわ……」という感じでたたずみます。
Y木:その場面、要る? なあ要る?
S原:そして、最後はこのスタッフの元へまたビデオが送られてきます。それを観てみると……
Y木:観てみると?
S原:青とピンクの汚い映像が映っていました。おしまい。
Y木:………え?
S原:ほんまやねんって! わけがわかない映像が映って、男女がうめく声が聞こえるだけやねんって! 信じておくれ!
Y木:信じるも何も、おまえ。それで結局、空飛ぶ円盤はどうなるの?
S原:はい、空飛ぶ円盤について検証もなにもせずに終わります。
Y木:ひどいなあ……
S原:はい。今回は本気にヤバいやつです。「幽霊インタビュー」「ジェイソン村」「サイレン島」などに突っ込んできましたが、自分がまだまだ修行が足りないと思った次第です。というわけで、最低ランクの作品であることだけは、ここに記録しておきます。おそらく、今後このDVDのレビューも書かれないんでしょうなあ……
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