あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

映画じゃないDVDを観てみる!「幽霊インタビュー」(2005)の巻

幽霊 インタビュー 完全版 [レンタル落ち]

S原:今回は、世の中で誰も褒めないこちらのDVD! 

Y木:ほんまに面白なさそうやなー。

(あらすじ)

必ず出ると言われる廃墟に取材に来たレポーターとディレクターの前に少女が現れる。彼女の正体は…。ブロードバンド放送され、日本中を騒然とさせた「幽霊インタビュー」がDVDで登場!未公開映像も収録。

 

S原:以前から、この世の映画の中で「最低な出来」ってどのレベルなんやろ?って考えてたんやけどな。

Y木:もっとマシなことを考えろよ。

S原:いやいやー誰でも、最底辺のレベルを知りたいやろ。底なし沼をついつい見に行くみたいな。

Y木:見に行かへんわ。

S原:今回の「幽霊インタビュー」は、たぶん「最低」に近いと思う。

Y木:ほー。

S原:ドキュメントタッチで、幽霊が出るという廃墟に女性(三訳真奈美)がレポートする、というだけの映画なんやけどな。65分くらいなんやけど、45分くらいはディレクター(カメラマン?)とレポーターの雑談とか意味のない場面の連続やねん。嘘偽りなく、ほんまに意味のない無駄な場面やねん。

Y木:えー、なにそれ?

S原:それは、こっちのセリフやっちゅーの!なんで、金を払ってDVDをゲットして、他人のどうでもいい雑談を聞かされなあかんねん!

Y木:知らんがな!好きで観たんやろ!

S原:いやーダルかった……これはほんまにスゴイ出来やった。普段、Z級映画ばっかり観ているぼくでもキツい。まじめな人が、間違ってレンタルしてしまったら理解不能でパニックになるで。

Y木:間違わへんわ。意味のない場面とか雑談って言うのは、どんなん?

S原:たとえば、レポートの現場(言い間違い、やり直し、練習、ディレクターとの打ち合わせ)がそのまま映っています。撮影の裏側だけでなく、コンビニのお菓子を買って公園で食べる場面もあります。夜ご飯で、そばを食べる場面もあります。そばの注文をどうするか相談する会話まで完全収録!

Y木:うわー。ほんまに?

S原:イエース。これらは演出でも何でもなく、ほんまに垂れ流しているだけ。

Y木:……それ、意味あるの?

S原:ありませんっ。

Y木:ちょっとエッチなショットがあったり?

S原:ありませんっ。

Y木:ひどいな。肝心の幽霊のインタビューはするの?

S原:します。ここがまたすごい。暗い部屋になんと女児(小学1年生くらい)がいます。端っこに座っています。幽霊がなんとハッキリと映っています!

Y木:……やらせやん。

S原:レポーターが聞きます。「なんでここにいるの?」「わかんない」「いつからここにいるの?」「わかんない」「ここは幽霊が出るっていうところだよ?」「わかんない」「あぶないから帰ろ?」「やだ」「お母さんは?」「わかんない」どうですか、このリアルさ!これが、本物の幽霊へのインタビューですよっ!

Y木:……もうちょっと演出とか工夫すればええのに。

S原:いーえ、演出なんかは必要ないのです。だってこれは「本物の映像」なんですからっ!

Y木:はー……(ため息)

S原:さあ、みなさん。最低の出来のDVDってどれ?と聞かれたら、ぼくは「このあたりが、そうなんじゃないんですかねえ?」とそっとこれを差し出します。底なし沼の底を観たい人、そんなあなたのために、このDVDは存在します!友達にタダであげようとしても「こんなもん要らんわ」と言われるでしょうねえ。とにかくものすごいDVDです。さあ、ワゴンコーナーで見つけたら、二度と出会えない可能性が高いです。人生に一度きりの出会いを大切にするなら、マストゲットですよ!