
S原:今回はこちら。少し前のJK映画です。
Y木:うわー興味ねー……
(あらすじ)
同名のケータイ小説を映画化したハードな青春ストーリー。レイプのショックからドラッグに手を出してしまった少女の転落の人生が赤裸々に描かれてゆく。主演はグラビアなどで活躍する秦みずほ。女子高生のアヤは友人と初めて行ったクラブで出会った男に騙され、集団レイプの被害に遭ってしまう。その後、闇金で働くナオヤと運命的に出会い恋に落ちるアヤだったが、レイプの傷を癒そうと手を出したドラッグが、次第に彼女の心と身体を蝕み始める…。
Y木:大昔にこういう映画、紹介してなかった?
S原:したよ。「Deep Love アユの物語」ね。
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Y木:これもケータイ小説やろ。同じような感じか?
S原:おっさんにとっては、同じです。当時の高校生にとっては、「Tokyo Real トウキョウ・リアル 」と「Deep Love アユの物語」は全然ちゃうやん!って言われるかもしれんけど。
Y木:まあ当時の高校生たちも、もう大人やもんなあ。
S原:いまでも居酒屋で「最近、どんなケータイ小説読んだ?」とか言ってるんやろうな。
Y木:言うか! いまさら誰が読むねん!
S原:まあ「Deep Love アユの物語」も面白くなかったけど、悪くない部分もあった……ような気がする。もう忘れたけど(苦笑) で、この原作はよく知らんけど、映画としての「Tokyo Real トウキョウ・リアル 」は数段落ちるなあ。
Y木:あーそう。

Y木:でも、こういう映画に何を求めるかってことちゃうの?
S原:そうそう。話はかなり暗いねん。女子高生がいろいろあって、ドラッグにハマっていくという話やから。当時、ケータイ小説でかなり読まれたらしいから、やっぱり十代(とくに女子)の心に響くものがあったんやろうな。でも、映画としては、かなり出来が悪い。
Y木:わけがわからんとか?
S原:一応分かる。でもなあー。観終わって猛烈に空しくなる。
Y木:はあ。
S原:これって、やっぱり「人間」をみせる映画やん? どこにでもいるような女子高生が危ない目にあってドラッグにはまっていく。周りの人間たちも、優しい奴もいるしクズみたいな奴もいる。そういった人間関係と主人公の心を描くドラマやん。
Y木:まあな。
S原:この映画では、主人公の秦みずほ演じるアヤという女性の心を描いている……はずなんやけど、全然伝わってこない。ゆったりとした静かな雰囲気で、主人公がジッと夜景を見るショットとか、歩いている姿を長廻しで撮るとか、やりたいことは分かるねんけど、作り手側から「このキャラは孤独なんですよ~」「これって、孤独を表しているんですよ~」「ほら、男って性欲にまみれてるでしょ~」って説明されてるみたいやねん(苦笑)
Y木:それって説明的……じゃなくて表現がベタすぎるんちゃうの?
S原:よく分からんけど、そうなんやろうなー。

S原:要するに、これは観客に主人公に感情移入させないといけない映画やと思うねん。でも感情移入出来ない。
Y木:それは、おまえがオッサンやから、というわけではない?
S原:うん。だって、主人公のキャラがブレブレやもん。もちろん心の弱さがあって、ドラッグに逃げるんやけど、観ていて「結局、おまえは何がしたいねん!」「おまえは、どういうキャラやねん!」ってイライラしてしまいます。
Y木:まあ、いまの時代にこの映画を観てイライラしているおまえがキモいけどな。
S原:さあ、ということでこれはちょっと褒めようがない出来です。当時のJK文化(?)に興味がある人のみどうぞ。いやー世の中にはいろんな映画がありますなあ……(ため息)
