あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「パーマネントミッドナイト」(2006)の巻

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S原:今回はシリアスな映画ですよ。

Y木:おー、珍しい。

 (解説)

バッドボーイズ 2バッド』などを手掛ける脚本家、ジェリー・スタールの自叙伝をベン・スティラー主演で映画化。実在するハリウッドの人気脚本家の成功と破滅、麻薬漬けの日々を描く。オーウェン・ウィルソンエリザベス・ハーレイら豪華キャストが共演。

 

Y木:なんで急にシリアスな映画を取り上げるんや?

S原:ワゴンコーナーで売ってたから(笑)これは、実在の脚本家、ジェリー・スタールの自叙伝を原作にしているらしい。なのでリアルと言えばリアルなんやけど、映画としては超シンプルな映画やった。『ドラッグに溺れた男(ハリウッドの人気脚本家)が、心を入れ替えて更正する』、それだけやったわ。

Y木:べつにシンプルでええやん。そういう映画やろ。

S原:ドラッグを扱っている映画が好きな人っておるやろ?そういう人にはええと思う。でも、正直に言ってあんまり面白くない。なんか焼き魚定食を頼んだら、味噌汁や野菜は普通やけど、肝心の魚はほとんど骨ばっかりで食べる部分がないって感じやわ。

Y木:よくわからん例えはやめろ。ドラマ部分が弱いってこと?

S原:というか…………陰気臭いやん?

Y木:だからそういう映画なんやって!

S原:ストーリーを少し話すと、主人公は、映画の脚本家なんやけど、まだ売れっ子でないところから映画は始まります。ドラッグにどんどんハマっていって、やめたくてもやめられない。友達の紹介で偽装結婚をしたり、テレビの番組の脚本を書くチャンスをもらったりする。脚本家として成功するけど、さらにドラッグにのめりこんでしまう。そのせいで大事な約束を守れなかったり、いいかげんな返答をしたり、人間関係を壊したり、どんどんダメになっていく。

Y木:あー…

S原:恋人との間に子供もできる。父親になるんやからしっかりしなくちゃ、と思うのに、やっぱりドラッグに溺れる。赤ちゃんが泣いている横でドラッグを注射する場面があるねんけど、ここはキツイ。観ていて嫌悪感マックスやった……やがて恋人は主人公から去っていく……このへんの主人公のダメさ加減が、映画のキモ思うんやけど、やっぱり重い気分になるわ。

Y木:ドラッグをする主人公に感情移入するのは難しいかもな。

S原:「落ちぶれていく哀しみ」とか「自業自得なんやけど、自分では止められない負の連鎖」みたいな部分が上手く伝わらなくて、主人公にイライラするだけやった…(苦笑)なんか、単純にエピソードを並べてるだけのような…

Y木:演技が良くない?

S原:主人公はベン・スティラー。コメディ映画で有名やけどシリアスな演技もなかなかイケます。周りの出演者もわりと良いよ。でも、なんやろ。やっぱり辛気臭いねん(笑)

Y木:わかったわかった。ところで主人公は、更正をしたいという気持ちがあるんやろ?

S原:うん。厚生施設に入ったり、同じ境遇の女性を仲良くなったりする。

Y木:ドラッグはやめれるの?

S原:一応、やめれます。でも、気付けば孤独になっている。そんな自分の人生を見つめなおして本にして出版する。最後は、主人公がテレビに出演して、自分の本について語る場面で、おしまい。

Y木:たしかにシンプルな構成やな。

S原:テンポは悪くないから、途中で眠くなるっていうのはなかった。何度も言うけど、こういう映画って基本スタンスは真面目やん?

Y木:そりゃな。

S原:なんかマジメな映画を観てると、お尻がムズムズするねん(笑)

Y木:おまえ、もう真面目な映画を観れない体になってるやん……

S原:さあ、みなさん。宇宙人もロボットもゾンビのでてこない映画ですが、悩んでいる人たちはたくさんでてきますよ。「(ドラッグは)ダメ!ゼッタイ!」というキャッチコピーがありましたが、それにならうと「(ワゴンコーナーでみつけても買うのは)ダメ!たぶん!」と言う感じかな。

Y木:なんかムリヤリな終わり方やなあ(ため息)