特定のアイドルファンのための映画（？）を観てみる！「女囚Σ（シグマ）」（2006）の巻

Y木：うわ、なにこれ。

S原：さあ、この世の中で一体何人が観ているのかわからない、このDVDを紹介しますよ。

（解説）

リンチ・拷問・レイプ・・・女囚達が牝奴隷と化していく恐怖の刑務所。自由を勝ち取るため、少女の孤独な戦いが始まる。人気絶頂のグラビアアイドル、浜田翔子初主演作品!

Y木：おまえ、ほんまにこのDVDを買ったの？

S原：買ったで。ワゴンコーナーで見つけて迷わずゲットしたでわ。

Y木：正気とは思えんわ。

S原：えーそうかなあ。これ、面白そうやん。

Y木：どこがやねん。

S原：でも考えてみてよ。例えば、このDVDの横にスピルバーグの映画が並んでるとするやん？

Y木：ほう。

S原：スピルバーグの映画はどこかで観れるやん？テレビ放映もあるかもしれんし、配信でもレンタルでもどこかで観れるやん？

Y木：まあな。

S原：でもこれは違う。「女囚Σ（シグマ）」は、出会ったときにゲットしておかないと一生観れない。だから、スピルバーグじゃなく「女囚Σ（シグマ）」を選んでしまう。一期一会って大事にせなあかんってことよ。

Y木：べつに、こんなDVDを観なくてもええやん。

S原：そうかな。あなた本気でそう思う？本当にあなたの人生に「女囚Σ（シグマ）」は必要ないと思うの？

Y木：必要ないです。

S原：あーあなた……偏見やわ。実際に観てないのに、そういう偏見はよくないと思うわー。

Y木：おいおい。じゃあ、実際に観てどうやったの？

S原：………はー（ため息）

Y木：なんやねん。

S原：こんなもん、おもろいわけないやろ！

Y木：ほらみろ！いわんこっちゃない。

S原：いやーこれはヒドイ出来やった……（深いため息）まあ、一応グラビアアイドルの浜田翔子のちょいエロな感じを観るタイプの作品なんやけどな。その点ではまあまあやと思う。

Y木：脱いでるの？

S原：脱いでません。でも、黒い下着姿になったりします。完全にマニア向けやな。

Y木：黒い下着かー。

S原：まあ、よくみると水着やったけどな。

Y木：なんやねん。これ、ストーリーはあるの？

S原：一応、あるで。美獄刑務所という女性用刑務所があります。その刑務所内で、主人公（浜田翔子）の妹が死にます。で仇を討つために主人公が刑務所に入所します。で、刑務所内では、看守長が女囚たちとチョメチョメしたり、拷問をしています。主人公は復讐のために看守長に近づいていく……こんな感じの話です。

Y木：なんか中学生が考えたエロ漫画みたいな話やな（苦笑）

S原：うん中学生レベルやった。途中は、SMっぽい場面とかチョメチョメの場面があって、それがメインなんやけど、どうかな。エロ目的で観ると肩透かしやと思う。

Y木：そうやろうな。いまはネットでエロ動画がみれるやん。こういうDVDを作る意味がよくわからんねんけどな。

S原：たぶんマニアがおるんやと思う。「ソフトエロ」のマニアが（笑）ま、きっかけはソフトエロでもええねんけど、せっかく作るんならもう少し面白くならんかったんかなあ。工夫次第で面白くなるはずなんやけど……

Y木：それはどうやろ。作品としての出来なんか、作る方もあんまり意識してないんとちゃうの？

S原：かもなあ。演技が良かったりするわけでもないし、ストーリーが面白いわけでもないし、刑務所のセットが良いわけでもないし、凝った場面や編集があるわけでもないし……良いところがないもんな。

Y木：ひどいな。喜んでゲットしたくせに。

S原：あーそういえば、最後がちょっと面白いねん。変なお坊さんがでてくるねんけどな。こいつが急に妖怪みたいになって、主人公を襲うねん。眼がピカーって光るねんで。

Y木：意味わからんぞ。

S原：ストーリー展開に脈絡もないし、こいつが出てくる必然性もない。ただ、唐突に出てきて暴れるだけ……そういう映画やったですわ。

Y木：しかし、よくも飽きずにこういうの観るよなあ。

S原：いやさすがに飽きてきた……でも、つぎに中古店でみつけたら、また買っちゃうんやろうな（夕焼けを空をみる）

Y木：無駄遣いとしか言いようがないよな。

S原：いつまで続くのか、この無間地獄が……

Y木：知らんがな。

S原：おお、神様……！

Y木：は？

S原：この世にDVD中古店を作ったあなたが、憎い！

Y木：いや神様のせいちゃうやろ。

S原：そして、ワゴンコーナーを作ったあなたが……あなたが憎い！

Y木：おまえ、そのうち罰があたると思うで……