
Y木:これ、いかにもB級で安っぽい感じやなあ。
S原:いやいや、これは意外と……!
(あらすじ)
未確認生物に攻撃され荒廃した未来世界。生き残った人類は巨大地下都市に隠れて暮らしている。ある日、まだ地下都市しか知らない若い兵士が地上の監視塔に配属されるが―。
S原:これ、事前にレビューもあらすじも全く読まずに鑑賞したんやけどな。かなり面白かった!
Y木:へえ、これがなあ。
S原:実は、ロボットはでてこないんやけどな。
Y木:どないやねん。
S原:いやーロボやと思ったのは、ぼくの勝手な勘違いやから……(苦笑) B級かどうかと話で言えば、「製作費が少ない」という意味なら、その通りかも。
S原:でも、これは異色SFとして評価してもええと思うねんけどな。観た後に、ネットでチェックしたら結構の数のレビューがあったから、みんな同じ気持ちではないかと。
Y木:ふーん。高評価なん?
S原:評価は分かれています。確かに暗くて地味な映画やから、わからんでもない。これ、ドイツ映画やねん。
Y木:へえ、ドイツ。
S原:アメリカンな感じではなくて、かなり雰囲気重視やった。
Y木:DVDのジャケットの銃を構えている人が主役やろ?
S原:そうです。未来世界。57年前、宇宙から来た謎の侵略者“EXO(エクソ)”の襲撃を受けて、人類の95%が死滅しているという設定やねん。人間は、地下で生活をしています。主人公は軍人(兵士)で、地上での監視業務を命じられます。任務期間は100日間。敵を探すのが任務ね。しかもたった一人やねん。
Y木:えー、100日間も1人だけ? それはちょっと。
S原:なので、主人公はネズミと仲良くなります。勤務と生活する場所は監視塔みたいなところやねん。その建物の中で、主人公が1人で仕事をしたり生活をしている場面が続きます。
Y木:建物の外には行かへんの?
S原:行きます。空気が汚染されているのか、ジャケットのような装備で外の世界をパトロールします。そこで、すこしずつ世界の謎が分かってくる……という感じです。

Y木:主人公の心の動きを重視したストーリーなんやな。
S原:そうそう。もちろんミステリー/サスペンス要素はあるねんけど、この世界観とか主人公に「同期」しないと、たぶん退屈やと思う。とくに前半はかなりスローやから。
Y木:ほとんど1人か。舞台みたいな感じ?
S原:すこし舞台(芝居)っぽいところもある。後半になると、重要な人物がでてきて主人公と絡んでいく。
Y木:SFとしてはどうなん?
S原:及第点やと思う。もちろんハリウッド製の大作と比べると、かなり厳しいけど、デザインも悪くないしな。

Y木:主役はこのひと?
S原:そうです。イワン・リオンという人で、イギリス人みたい。観ている間はてっきりロシアか北欧系やと思ったんやけど。真っ白なコンタクトをいれててちょっと気味わるいねん。この人、なかなか良い味やったで。
Y木:最後は世界の謎が分かっておしまい?
S原:言えません。やっぱり、まっさらで楽しんでほしいので。

S原:ただなー、実はEXO(エクソ)というのはでてこないのよな。
Y木:え?
S原:日本語字幕だけで勝手に付けてるみたい。レビューではこの点に厳しいのが多かったです。
Y木:相変わらず適当にタイトルつけてるんやな。
S原:これは、地球外侵略者というタイトルもいまいちやろ? 誰がみてもB級SFやと思うやん? 本当にもったいない。
S原:あとは、たぶん隠れたメッセージとか暗喩とかSF的な解釈ができるように作ってるっぽい。意味深な名前(SUM1、MAC、VAX7)とか裏がありそうな設定があるねんけど、まったく分からんかった(苦笑)
Y木:監督はそういうのも盛り込みたかったんやろうな。
S原:そう思います。というわけで、この映画は地味ですがなかなか見応えがありました。ラストは評価が分かれるでしょうが、そこまでの雰囲気を味わう映画と思います。もしも、ワゴンコーナーでみつけたら手に取ってくださいませ!