S原:今回は、ダサいようなカッチョいいようなパッケージのこちら!
Y木:単純にダサいやろ。
(あらすじ)
アメリカのLAで核爆発が起こってしまう。それから三年後、政府は国民を監視下におき、テロリストと思われるだけで逮捕できる法律をつくる。政府のもとで働く科学者のパターソンは姉のサムと逃亡を図るが…。
S原:これは普通です。
Y木:うん。
S原:でも面白くないです。
Y木:また、そんなオチかい。
S原:うーん、やっぱり演出にキレがないんやろうなあ。
Y木:話が凝ってる感じ?
S原:もちろんSFやから、世界観は独特やけど、何と言えばいいのか。まず登場人物がイマイチやねん。観客としては「どういう人物」が「なにをするのか」がメインやろ。SFでもコメディでも一緒やと思うねんけどな。この映画の登場人物は、分かるようなそうでないような。どちらにせよ魅力的ではなかったです。
Y木:一応、ストーリーはあるんやろ?
S原:あります。舞台は近未来。政府がテロリストを駆逐しようとして、テロリスト達がヤケクソになって核攻撃をします。その結果、ニューヨークとかロスなどのアメリカの大都市が全滅します。200万人以上が死にます。アメリカ政府は戒厳令をだします。かっちょ悪い無人機が飛んで、市民を監視します。
Y木:よくある設定やん。
S原:そんなある日、政府の監視システムを開発した科学者(主人公)は、自分自身が潜在的テロリストの候補者リストに載っていることを知ります。そして、妹とともに逃げます。
Y木:普通のサスペンスやん。
S原:前半はそうなんやけどな。監督のこだわりが見え隠れするねん。どうも裏テーマに「宗教」「信条」があるのよ。
Y木:宗教?
S原:たとえば主人公が「最近は、お祈りも出来ていないんだ」と自分を責めます。
Y木:ふーん、なんかの比喩?
S原:頭の悪い僕には、アイドンノウです。わかりません。
Y木:あーそう。
S原:結局、主人公と妹は、逃げている最中に政府軍に襲われます。その襲ってくる奴らがパッケージの人です。
Y木:これがロボやな。
S原:いいえ。これはお面です。
Y木:え、お面……
S原:はい。縁日で売っている感じのお面を少し良くしたようなお面をかぶっています。
Y木:縁日って。なんでお面をかぶるの?
S原:わかりません。
Y木:あーそう……
S原:政府軍に襲われたときに、主人公と妹はレジスタンス達に助けられます。助けてもらったくせに「こいつらは、レジスタンスじゃないわ! テロリストよ!」とキレます。
Y木:へえ、ほんまにテロリストなんか?
S原:わかりません。
Y木:あー……
S原:その後、ぬるい感じの銃撃戦がありつつ、なんとなくカナダへ逃げようとします。
Y木:カナダ? なんで?
S原:わかりません。
Y木:………
S原:主人公たちを、抹殺担当の特殊部隊(イレーザー)が追いかけます。この隊長のキャラがブレブレで、良い奴なのか悪い奴なのかわからないまま、話はすすみます。そして、隊長は拷問されます。
Y木:拷問? なんで?
S原:わかりません。
Y木:…………
S原:じつは主人公は、政府軍のシステムに異常を起こすプログラムを仕掛けていました。それを妹に渡して、別々で逃げます。主人公はあっさりと殺されます。
Y木:あー、妹が兄の復讐のために一発逆転を狙うんやな。そのプログラムを使って、最後は政府軍をやっつけるんやろ?
S原:わかりません。
Y木:おまえなー! さっきから、分かりませんばっかりやないか!
S原:ほんまに分からへんねんって!
Y木:説明がないってことか?
S原:いや、説明はあった……はず。
Y木:じゃあ、分かるやろ。
S原:内容を忘れたちゃったの!
Y木:なんやねん! もうやめろよ、このブログ!
S原:しかしこれは参ったなあ。基本はSFの世界で逃亡するサスペンスで、隠れたテーマは「宗教」「思想」「信条」で、それを弾圧する恐怖世界を描きたかったんやと思う。でも、なんか焦点がぼやけた映画やったなあ。
Y木:おまえの大好きなロボットもでてこないし?
S原:そうそう。お面をかぶったおじさんではちょっとな。ということで、みなさま。これは大した映画ではなかったです。ロボ好き、SF好き、サスペンス好き、ダメ映画好き、全員におススメできません。ワゴンコーナーでみつけても素通りしてくださいませ~!