あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

まだまだあります!(たぶん)知られざる日本映画を12本観る!「悪魔ハンティング」(2013)の巻

悪魔ハンティング

S原:今回はホラーですよ。

Y木:うわー……なんやねん、これ。

(あらすじ)

霊によって起こる現象は6つあり、それぞれの段階によって霊の力の大きさは変化するという。人知を超えた世界に導かれ生贄となった者を救うため、すべてを委ねられた男が立ち上がる。

(DVD裏面の解説)

偶然訪れた心霊スポット。身体の重みを感じた瞬間から次々と起こる異常現象。この世のものとは思えない状況の連発に周囲の人間たちの精神はみるみるうちに崩壊していく。果たして生き残るのは一体誰か?

 

Y木:これ、自主映画?

S原:よくわからん。ネットで調べても情報がほとんど出てこない。出てくるのは「ひどい」「面白くない」「ダメ」といったレビューばかり(苦笑)

Y木:あーやっぱり出来はひどいんやな。

S原:作った人には申し訳ないんやけど、ちょっと褒めようがないです。ただ自主映画なら、よく頑張ったと言いたい……いやー言いにくいなあ。

Y木:要するに面白くないんやろ。

S原:結論から言うと、イエスです。ホラーが撮りたいという気持ち(だけ)は伝わるねんけどな。監督の製作者も脚本担当も、他の映画を参考にしてないんとちゃうかな。

Y木:いや、ホラー映画を観てホラーを撮りたくなったんやろ。

S原:そうなんかな。なんというか、「そのまま」やねん。いかにもな出だし、いかにもな展開、いかにもなメーキャップ。それがストレートに表現されて稚拙やから、普通に観ている人は失笑してしまうという。

Y木:ありきたりなんやな。

S原:そうそう。いつも言うけど、お金がないのは分かってるねん。撮影日数も短くて、実際作るのは大変やったと思う。でも、「いかにも」「普通」の切り口でいくと、本当にお金をかけて上手く撮る必要があるやろ。低予算でチャレンジするねんから、もっと「切り口」を考えて欲しかった。

Y木:いままでに誰もしていない角度から作るとか?

S原:そうそう。「ブレアウィッチプロジェクト」なんか、アイデア賞やん。「食人族」もそうやん。「カランバ」なんかビビったやろ?

 

カランバ 映画

 

Y木:「カランバ」っておまえ、どんな映画を例えに出してるねん。

S原:斬新なアイデアでなくてもええから、もっとこだわりをみせてほしかった。

Y木:大体わかったけど。これは、どういう話?

S原:雑誌の女性編集者の2人(先輩と後輩)がいます。後輩が撮影した写真が使い物にならないので、改めて撮影に行きます。そのへんの街角ですが、心霊スポットだったらしく、先輩に悪霊が乗り移られます。あっという間に顔にブツブツが出来て、後輩は近くにクリニックに連れていきます。そこは整形外科です。

Y木:整形外科……なぜ?

S原:ここは、レビューでみんなつっこんでます。ベッドに寝ている先輩が暴れます。顔面は真っ黒で、口からオエ~と緑色の液体を吐きます。

Y木:それ、エクソシストやがな。

S原:クリニックの医師(整形外科の医師)が言います。「WHOを呼んで!」

Y木:WHO? 世界保健機構やったけ。なんで?

S原:理由はありません。そして、すぐにWHOから2人の男性が来ます。若い男で島耕作の部下みたいな感じです。

Y木:よくわからん例えはええから、話を先に進めてくれ。

S原:で、WHOの男性は言います。「これは……悪霊に取り憑かれています」「霊界事案です!」

Y木:霊界案件?

S原:WHOのマニュアルで、そういう事案があるんやろうな。で、マニュアルに従って、悪魔ハンターがのっそりと登場します。悪魔ハンターは、ニトリで売っているカーテンを体に巻き付けています。そして、悪霊にとりつかれた女性をみて、説明します。「これは、悪霊にとりつかれてます」

Y木:わかってるわ。はよ除霊せえよ。

S原:すぐに除霊はせずに、悪霊の説明を始めます。6種類あるらしくてな。第3種は~とか、第4種は~、と延々と説明します。

Y木:だから除霊せえって。

S原:「助けてください」という後輩に、キメキメの顔で言います。「わたしは……そのために来た!」

Y木:だから早く除霊せえって!

S原:やっと除霊が始まります。変な呪文を言いますが、すぐに「はあ、はあ」と疲れます。「わたしの力では無理だ……」

Y木:なにしにきてん、もう。

 

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S原:そして、再度WHOに電話して、ゾンビを車に乗せてどこかに運びます。車が発進して、クリニックのスタッフは深々とその車に向かってお辞儀をします。

Y木:そりゃ、患者が亡くなったときのお見送りやがな。

S原:車の中で、悪魔ハンターは後輩に悪霊とはなにか?を説明しますが、いつの間にか人間の欲望を批判したりしています。「魔界や魔物の存在を公表しても信じない」「それは人間が愚かだからだ」とブツブツ言います。

Y木:なにを愚痴ってるねん。

 

 

S原:面倒なので、話を飛ばしますが、山の中で先輩ゾンビがウロウロします。悪霊ハンターは、日本刀をもって追いかけます。やっつけます。でも後輩もゾンビになってしまいました。悪霊ハンターは、ついでに後輩もやっつけます。なにもやっていないような気もしますが、「おれは、やったぜ……」という感じでかっちょ良く歩く後ろ姿で、ジ・エンド。

Y木:なんか、よくわからん。

S原:というわけで、みなさん。この映画をおススメするのは2種類のタイプのみです。①ゾンビが出ればOKなゾンビマニア ②ダメな映画(演技、演出含む)をあえて観たい人 のみ! というわけで、ちょっと残念な映画でした~!