S原:さあ、今回はタイトルが素晴らしすぎる「女体収集エイリアン」!
Y木:うわー……
(あらすじ)
女性失踪事件の真相を暴くべく私立探偵ケスパーは捜査に乗り出す。しかし逆に女ゾンビに捕まり罠に堕ちしてしまう。そこに待ち受けていたのは美女の誘惑と邪神信仰の儀式だった。遂にその謎が解き明かされる時がやって来る!
S原:解説によると、「マニアの間で『魔の巣』以上と云われた究極のカルト映画が登場!」らしいで。
Y木:「魔の巣」って何?
S原:マニアの間だけで有名伝説の珍作です。きっと素敵なんだろうなあ。まだ出会ってないけど、いつかどこかで会えるような気がするのさ……love・you……
Y木:80年代のラブソングみたいなフレーズやな。
S原:で、この映画は「ガール・スナッチャーの侵略」という別タイトルもあるねん。「ガール・スナッチャーの侵略」も「女体収集エイリアン」も甲乙つけがたい名タイトルやな。
Y木:どうでもええわ。
S原:ただなー、今回は、この映画を話す自信がない。
Y木:お、どういうこと?
S原:映画が下手すぎて、ストーリーが頭に入ってこないねん。集中力も続かんかったしな。
Y木:苦行やないか。「女体収集」ということは、ポルノっちっくな映画を作りたかったんとちゃうの?
S原:いやーどうなんやろ。確かに、少しだけセミヌード(上半身)はでてくるねんけどな。よくわからん、としか言いようがない(苦笑)
Y木:ストーリーはあるんやろ?
S原:一応、あります。私立探偵たちが依頼をうけます。どうも女性の誘拐事件が起きており、それには裏がありそうです。いろいろと(ダラダラと)調べます。悪魔教の教祖らしきオジサンが、どこか(小屋?教会?)にいます。悪魔教と言いましたが、「エホバ」と連呼するので、エホバかもしれません。
Y木:怒られるぞ、エホバの信者に。
S原:その教祖や悪魔教の信者たちが何をしたいのか、よくわからないまま映画は終わります。
Y木:おいおい。
S原:ほんまに、わからへんねんって。というか、分かったとしてもどうでもいいです。
Y木:おまえなー。
S原:それくらい、変な映画やった。たぶん、女性の体に別の魂(悪魔?エホバ?)を入れるという話やと思うんやけどな、ぼくの頭では理解できなかったわ。
Y木:下手すぎて理解できないってやつやな。
S原:いやーたぶん、ぼくの知性が低いんやと思う。蓮實重彥やったら、理解できるんとちゃうかな?
Y木:蓮實重彥が、こんな映画観るか!
S原:まあ、映画としてはカルトと言うか珍作というか、まともな出来ではないです。ただ、おもしろい場面もあるねんけどな。
Y木:どんな?
S原:最初に、私立探偵たちがモーテルの部屋でスパイ大作戦みたいに、カセットテープで指示をうけます。「今回の仕事は、誘拐された件を調べることだ……」「なおこのテープは3秒後に消滅する……」
Y木:それで?
S原:しかし、しばらく待ってもテープは何もおきません。おじさんは、カセットテープを出して、尻ポケットに入れます。そのあと5分くらい会話があって、突然お尻のカセットテープが燃えて「アチチチ!」………あなた、ここは笑うところですよ。
Y木:笑えません。
S原:あとは、変な儀式のために女性の上半身(裸)に、変な文字を書きます。そのときに、必要がないのに乳首をひっぱります。それも、さりげなく、自然な感じで。
Y木:うそつけ。
S原:ほんまやって、ほんまにそういう場面があるねんって! 絶対にあれは役者のアドリブ(性癖)やで!
S原:他にも面白い場面があるねん。女性が後ろ手に縛られたまま、走って逃げます。銃をもっています。おいかけてくる男性に向かって、おならみたいに、銃をパンパン撃ちます。
Y木:おなら……
S原:アイデア賞やな。
Y木:ちゃうわ。
S原:他には何があったかな。あーそうそう、ニトログリセリンを飲んだ女性がおるんやけどな。
Y木:ほう
S原:後ろからやってきたスケベ男が抱きついたら、ドカーーン!
Y木:ドカーーン……
S原:あなた、ここは笑うところですよ。
Y木:笑えません。
S原:さあ、というわけでみなさん! なぜかカントリーソングが流れ続けて緊張がなくなっているBGMといい、3秒くらい鼻をつまんで人を殺す場面といい、女性が「痛いから太ももをさすって~」と言われて、太ももをさする(それだけ)という場面といい、ブラジャーに発信機をつけたのに女性がブラジャーをつけ忘れたという設定といい、もう珍作中の珍作です。マニア(だけ)に、マストバイですよ! いやー世の中にはいろんな映画がありますなあ。
Y木:そんなことを言いながら、好きなくせに。
S原:テヘッ♡
Y木:………