あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「食人族3  食人族vsコマンドー」(2004)の巻

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Y木:こ、これは……!

S原:さあ、あの伝説の珍作「食人族」の第三弾です。誰もが望んでいないのに、DVD発売されました!

(あらすじ)

ウィルソン少尉率いる小隊がブラジルに降り立つ。任務は行方不明になったアームストロング議員の娘サラを探し出し連れ帰ること。しかし、それは食人族との恐ろしい戦いの序章にすぎなかった・・・!

 

S原:これは、普通やった。もっとメチャクチャな映画やと期待したんやけどな。

Y木:普通か。まあ。食人族に「普通」は求めてないわな。

S原:うん。しかも、あの「食人族方式」(POV撮影)でもないねん。こんなん、ガッカリやわ~。

Y木:あーあのカメラブレブレの臨場感あふれる演出はやめたんや。いや、臨場感あふれてないけど(笑)

S原:まあ、この映画はPOVで演出してもとくに面白くはならんかったと思うけどな。

Y木:やっぱりな。

S原:今回はとにかく話が薄いねん。

① ある娘を探すために、軍の特殊部隊(コマンドー)がジャングルに行きます。

② コマンドーたちが、食人族と戦います。

③ コマンドーたちが、食人族に食べられます。

これだけやもんなー。

Y木:かなり薄味やな。でも、食人の場面がすごいんとちゃうの?

S原:いや全然すごくなかったで。だって、ほんまに人肉を食べてるわけじゃないやん?

Y木:当たり前やろ、映画や映画!

S原:これ、最初からつまずいてるねん。コマンド部隊の隊員たちがヘリコプターから降りてくる場面がオープニングやねんけどな。壮大な音楽で、次々とカッコ良く登場する人たち……って、あんたら誰?(笑)

Y木:そりゃ知らんわな。

S原:もしかしたら、パート2で説明済なんかもしれんけどな。とにかく「どうよ、かっこいいだろ~?」という雰囲気で演出されても、こっちはまいっちんぐです。で、コマンドー部隊が現地ガイドとともに、娘がいるらしい危険な場所に行きます。そこには危険な「沼族」がいると言われて隊員たちはビビります。カッコをつけて登場したわりに行きたくない雰囲気満載です。

Y木:弱腰なコマンドー部隊やなあ。

S原:ジャングルをすすでいく途中、イタリアのB級ホラーにでてくるような死体をみつけて、ナイフでつんつんします。あー言い忘れてたけど、現地のガイドが、貴乃花の息子(花田優一)に似ています。

Y木:知らんがな。

S原:で、ジャングルのなかで花田優一が突然立ち止まります。顔も体もそのまま固まります。隊員たちは「なにごとだ?」と焦ります。花田優一は、まだ動きません。「こいつのカンはするどいんだ」「ここは、やばいぜ」と緊迫する隊員。やがて花田優一が言います。「あの後ろに…何かがいる……!」

Y木:おお、ついに食人族が登場か。

S原:しばらくじっとしていた花田優一がいいます。「ただの鳥やったわ…メンゴ♡」

Y木:……そのシーン、要る?

S原:そんな風に遊んでいたら、ほのぼのレイクみたいな原始人ファッションに身を包んだ男たちに囲まれます。原始人をみた途端、問答無用でマシンガンを乱射して殺しまくります!

Y木:あかんやろ、勝手に現地の人を殺したら。

S原:そのときに怪我をした隊員がいます。軽傷なので大丈夫そうですが、隊長は「これしかねえ!」といって、自分の部下を撃ち殺します。そして、苦悩の表情で「これしかなかったんだ…!」「アディオス!兄弟よ!」

Y木:その隊長、ヤバすぎるぞ。

S原:面倒なので飛ばしますが、その後、食人族が登場します。

Y木:やっとか。それで?

S原:食人族のひとりは、不貞を犯した女性原始人を殺します。女性のチョメチョメにむかって石を何度もぶつけて女性は死亡。そのあと、内臓をとりだして「ひゃっほー♡」そんなチャーミングな場面のあと、ついにコマンドー部隊と食人族が出会います。

Y木:いよいよか。

S原:この場面がなあ。なんというか未開の部族をものすごくバカにした描写の連続やねん。ナイフを渡したら、「ウホウホ♡」って感じで喜ぶし……バナナを渡した猿と同じ扱いという(苦笑)製作者たちの白人至上主義が露骨にでています。

Y木:そういう映画やん。

S原:まあそうなんやけどな。なんかもう少し食人族をリスペクトしてほしいわー。食生活は違えど、同じ人類やん?

Y木:どうでもええわ。それで、コマンドー部隊と食人族が遭遇してどうなるの?

S原:結局、探していた女性(サラ)をみつけて、なんとか救出しようとします。かなり卑怯な手を使って食人族を殺しまくります。とくに悪いことをしていないのに、食人族の村に火を放ちます。卑劣です。鬼畜です。ですが、食人族も負けてませんよ~。がんばって反撃して、コマンド部隊メンバーを次々と殺していきます。もちろん、殺したあとは「人肉のディナーパーティ」です。

Y木:結局、そういう場面が売りなんやろ。カニバリズムというか。

S原:でも、大したことなかった。人肉を食べる描写を期待してた人も消化不良とちゃうかな。肉だけに、ネ♡

Y木:あーそう。最後はどうなるの?

S原:サラ以外が全員死んでおしまい。空しさを感じるラストです。いやこの物語の空しさじゃなくて、こんなものを観てしまった空しさ、ね♡

Y木:おまえは好きで観たくせに。

S原:さあ、みなさん。あの「食人族」はテレビで宣伝して、当時それなりの人が劇場に観に行ったんですからね。本当に良い時代でしたよ。さあ、食人族はパート4が製作されるのは間違いなし!今後は、きっと食人族が宇宙で大暴れする映画ですよ~!

Y木:いや、宇宙に行ったら人間がおらへんから人肉を食べられへんやん……