S原:長かったこのシリーズも一旦終了! 今回は、カルトの名作!
Y木:あーこれ有名やな。観てないけど。
(あらすじ)
ある日、交通事故に巻き込まれたメアリーは、仲間の死が忘れられず、遠く離れた村でひっそりと生活を始める。事故以来、メアリーは他人に冷たく感情の薄い人間になっていた。そんなある日、朽ち果てた遊園地に訪れた事をきっかけに、不気味な男の姿を見る様になる。それは、精神的に不安定なことが原因の幻覚なのか? 影のように付きまとう男を見る回数は日毎に増え、次々と不可思議な現象に巻き込まれて行く。
S原:これは結論から言うと良かったで。小説でいうと、ストーリーを楽しむというよりも文体を味わうという感じの作品です。
Y木:ロメロのゾンビものの元ネタとか言われてるやな。
S原:うん。「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」とか、シャマランの「シックスセンス」の元ネタとか言われてます。
Y木:その時点でオチが読めてしまうなよな。
S原:そうやな。初見の人は、出来るだけレビューを読まずに観て欲しい……とはいうものの、カルトで有名やからネタバレとかは分かるやろうな。でも、さっきも言ったけどどんでん返しとかじゃなくて、やっぱり雰囲気を味わう映画やと思う。
Y木:不条理なホラーという感じ?
S原:サスペンスとか幻想譚に近いかな。白黒映像で不安定な雰囲気で、ゆったりとすすみます。いまにヤングが観たら、どう思うんかな。
S原:あとは、ロケ(風景)がいいねん。最初に自動車事故を起こす橋も良いし、とくに廃墟の遊園地が素晴らしい。
Y木:廃墟の遊園地か。無人なんやな。
S原:うん。そこで、主人公は不思議な男をみかける。白い顔の奇妙な男で、主人公は不気味に感じる。この男性は監督自身が演じているみたい。
Y木:へえ。
S原:なかなか気持ち悪い人やったわ(笑)
S原:それから、この男がだんだんと主人公につきまとわっていきて、だんだんと追い詰められていく……この経過が映画のほとんどを占めます。
Y木:そういう映画なんやな。だいたい分かった。
S原:なので、ちょっと緩いというかスローやねん。今の映画ではこんな風に撮らないから、さすがに時代を感じたな。観る人によっては「なんじゃ、これ?」で終わるかも。
Y木:ラストは……まあ言わないほうがええかな。
S原:うん、いまなら普通のオチやけど、当時としては異色作やったやろうな。
Y木:だからこそ、カルトなんでしょ。結局、おまえとしてはどうなん? おススメ?
S原:うーん、やっぱり観る人を選ぶやろうなあ。B級とかじゃなくて、丁寧に作られてるんやけどな。やっぱり、こういう映画(白黒で昔のホラー)が好きな人向けやと思うわ。
Y木:今回のカルト・レトロシリーズの中では、まともやろ。他の映画がカルトすぎる、というかマニアックすぎるという話なんやけどな。
S原:そうかもです。というわけで、みなさん。古典ホラーが好きな人、不条理な雰囲気を味わいたい人にはおススメです。ジブリ映画とは対極かもしれませんが、こっちも別の味わいがあるので、一度体験してくださいませ~!
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