あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

ぼくはチープでレトロで、ちょっとカルト「恐怖の足跡」(1962)の巻

恐怖の足跡 [DVD]

S原:長かったこのシリーズも一旦終了! 今回は、カルトの名作!

Y木:あーこれ有名やな。観てないけど。

(あらすじ)

ある日、交通事故に巻き込まれたメアリーは、仲間の死が忘れられず、遠く離れた村でひっそりと生活を始める。事故以来、メアリーは他人に冷たく感情の薄い人間になっていた。そんなある日、朽ち果てた遊園地に訪れた事をきっかけに、不気味な男の姿を見る様になる。それは、精神的に不安定なことが原因の幻覚なのか? 影のように付きまとう男を見る回数は日毎に増え、次々と不可思議な現象に巻き込まれて行く。

 

 

 

S原:これは結論から言うと良かったで。小説でいうと、ストーリーを楽しむというよりも文体を味わうという感じの作品です。

Y木:ロメロのゾンビものの元ネタとか言われてるやな。

S原:うん。「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド」とか、シャマランの「シックスセンス」の元ネタとか言われてます。

Y木:その時点でオチが読めてしまうなよな。

S原:そうやな。初見の人は、出来るだけレビューを読まずに観て欲しい……とはいうものの、カルトで有名やからネタバレとかは分かるやろうな。でも、さっきも言ったけどどんでん返しとかじゃなくて、やっぱり雰囲気を味わう映画やと思う。

Y木:不条理なホラーという感じ?

S原:サスペンスとか幻想譚に近いかな。白黒映像で不安定な雰囲気で、ゆったりとすすみます。いまにヤングが観たら、どう思うんかな。

 

 

S原:あとは、ロケ(風景)がいいねん。最初に自動車事故を起こす橋も良いし、とくに廃墟の遊園地が素晴らしい。

Y木:廃墟の遊園地か。無人なんやな。

S原:うん。そこで、主人公は不思議な男をみかける。白い顔の奇妙な男で、主人公は不気味に感じる。この男性は監督自身が演じているみたい。

Y木:へえ。

S原:なかなか気持ち悪い人やったわ(笑) 

恐怖の足跡 1962 <古城と怪奇映画など

 

S原:それから、この男がだんだんと主人公につきまとわっていきて、だんだんと追い詰められていく……この経過が映画のほとんどを占めます。

Y木:そういう映画なんやな。だいたい分かった。

S原:なので、ちょっと緩いというかスローやねん。今の映画ではこんな風に撮らないから、さすがに時代を感じたな。観る人によっては「なんじゃ、これ?」で終わるかも。

 

 

Y木:ラストは……まあ言わないほうがええかな。

S原:うん、いまなら普通のオチやけど、当時としては異色作やったやろうな。

Y木:だからこそ、カルトなんでしょ。結局、おまえとしてはどうなん? おススメ?

S原:うーん、やっぱり観る人を選ぶやろうなあ。B級とかじゃなくて、丁寧に作られてるんやけどな。やっぱり、こういう映画(白黒で昔のホラー)が好きな人向けやと思うわ。

Y木:今回のカルト・レトロシリーズの中では、まともやろ。他の映画がカルトすぎる、というかマニアックすぎるという話なんやけどな。

S原:そうかもです。というわけで、みなさん。古典ホラーが好きな人、不条理な雰囲気を味わいたい人にはおススメです。ジブリ映画とは対極かもしれませんが、こっちも別の味わいがあるので、一度体験してくださいませ~!

 

 

※ このポスターも味があります。

 

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Film Review: Carnival Of Souls (1962) | HNN