S原:さあ、今回はドイツからやってきた人形映画!
Y木:どっかでみたことがある感じやぞ。
(あらすじ)
赤毛の人形を主人公としたラブコメディー。結婚間近のカップルの前に現れたぬいぐるみの少女ベラ。毒舌で、下品な話が大好きなベラはあらゆるトラブルを巻き起こし、二人に婚約解消の危機が訪れる。
S原:これは、ぬいぐるみのクマが下品なジョークや大人な行為をコメディとして描いた「テッド TED」(2012)と同じです。クマが、このおさげの女子人形に変わっただけ。
Y木:「テッド TED」は、結構流行ったやろ? 観た?
S原:観てない。
Y木:おまえなー。どうせなら、そっちを観てからこの映画の感想を言えよ。
S原:いやー、だって人形のクマが動いてるのを観ても、べつに面白くないやん?
Y木:じゃあ、この映画も観るなよ! 同じなんやから!
S原:これ、「未体験ゾーンの映画たち2016」で劇場公開されたらしい。これを劇場で観た人の気持ちは計り知れんものがあるなー。
Y木:で、結局はどうなん? 面白いんかいな?
S原:普通です。まあ大体、予想の範疇やから(苦笑)
Y木:おまえ、人形がでる映画好きやん。ホラーとか。
S原:うん。これはホラーではなくてブラックコメディやった。あ、ブラックコメディって、エディ・マーフィがでているコメディっていう意味とちゃうで。
Y木:……おまえ、エディ・マーフィに一回本気でビンタされたほうがええんちゃう?
S原:あーアカデミー賞の式場とかで?
Y木:それは、ウィル・スミス! 話がややこしくなるから、やめろ。
S原:人形の話に戻すと、この映画に出てくるベラは、なかなか動きも良くて良い出来やで。豊胸手術したといって、胸の部分に裁縫してパッド(?)を継ぎ足したり、という辺りは面白いねんけどな。なんというか、アイデアだけで勝負してしまった感があるなー。
Y木:まあそういうもんでしょ、出オチというか。
S原:うん。まさに出オチ。だから、30分くらいみたら「まあ、この後も一緒やろうから、もう観んでもええかな?」と思うという。
Y木:あかんやん。話はあるんやろ?
S原:あるよ。主人公は、もちろん人形のベラ。まず、女性(ヤナ)が登場します。彼女は家庭に恵まれず苦労したんやけど、適齢期となり、ある男性(ウォルフガング)から、猛アプローチを受けて結婚することになります。そこへ、人形のベラが登場します。ベラは、ヤナの親友なんやけど、数年間、音信不通やったのよ。久々の再会です。
Y木:なんで?
S原:数年前に、スターになる事を夢見て、ヤナの前から姿を消したみたい。でも、うまくいかず自己破産までしているという状態らしい。ヤナとウォルフガングは驚くけど、そのまま強引に(誤魔化して)2人の新居に居候することになって……という感じです。
Y木:なるほど。
S原:あとは予想がつくと思うけど、アダルトなことを平気でする人形が、周りをまきこみながらてんやわんや!って感じやな。
Y木:「アダルトなことを人形がする」というところが面白さなんやろ?
S原:そうそう。タバコを吸ったり、チョメチョメをしたり。そういう部分が面白さなんやけど、どうもなあ。だって、街の喫煙場所をみたら、タバコを吸ってるオッサンなんかいくらでも見れるやん?
Y木:人形がタバコを吸うから面白いんやって。
S原:チョメチョメだって、べつにアダルトサイトをみればいくらでも観れるやん?
Y木:だから、人形がチョメチョメするから面白いんやって!
S原:はあ………
Y木:……
S原:……あのな。
Y木:なんやねん。
S原:もっとちゃんとした映画を観た方がええんちゃうかな?
Y木:誰が・誰に対して・言ってるねん! 知るか!
S原:まあそういうことよ。
Y木:わけがわからんぞ。一応、映画としては起承転結があるんやろ?
S原:ちゃんとあるよ。ウォルフガングのことが気に入らないベラが、他の男とくっつけようとして画策して結婚が破断寸前になったり、ベラが、ヤナの父親を探すという話が展開していくけど、まあそんなに盛り上がることはなかったかな。
Y木:結局、アイデア一発勝負ってことやな。
S原:イエース。というわけで、みなさん。ちゃんと最後まで観れます。話もわかります。人形の動きもスムースです。でも、あまりおススメできません…… あ!子供にみせてはいけませよ! それにしても、なかなか人形を扱った映画にアタリは少ないですなあ……(ため息)