あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「霊視」(1999)の巻

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S原:久しぶりにこんな映画ですよ。その名も「霊視」!

Y木:うわーほんまに面白くなさそう……おれ、レンタルでも絶対に借りないと思う。

(あらすじ)

サイコメトラーVS猟奇殺人犯、追い詰められるのはどっちだ?「ヤングガン」「ダーク・シティ」のキーファー・サザーランドが渋味の効いた演技を見せる、異色のサイコ・サスペンス。

 

S原:これはなー。やりたいことは分かるねんけどなー。

Y木:「異色のサイコサスペンス」って書いてるやん。そのへんが上手くいっていないってことか?

S原:うーん。これ、主人公が「霊視」できる能力を持つ話やねん。主人公は刑事。高いところから落ちたショックで、霊視能力がつく。事件の被害者(遺体)に触ると、殺される直前に見た風景がフラッシュバックするのよ。もともとアル中なので、自分ではアルコールで精神がやられたかと疑うが、同じような能力(?)を持つゲイの男ができてて「自分も同じだ」と説明をするが、主人公は相手にしない。

Y木:ほう。

S原:そうこうしているうちに、10年前連続殺人犯(未逮捕)がまた殺人をはじめる。「ジャバオッキー」というニックネームで、殺人後にトランプのカードを置く特徴があるねん。主人公は犯人を追う。その一方で、霊を研究する女性博士がでてきて、ゲイの霊能力者と主人公と一緒に事件を追うことになって…という感じで話はすすみます。

Y木:まあ普通やん。ちょっと変形の刑事ものというか。

S原:でもなー。なんで主人公を刑事にしたんやろ?って思うわ。

Y木:ん?どういうこと?

S原:例えば、一般人でたまたま犯罪の現場の近くにいたら霊視してしまった(犯人が分かった)、でも警察組織が信じてくれないから自分で犯人捜しをする……となるのが普通やん。

Y木:ああ、一般人が工夫して事件を解決するパターンか。それもベタやけどな。

S原:事件を探るのに障害があるから面白いわけやん。ベタでもサスペンスが盛り上がればええやん。でも、この映画では刑事やからな。刑事が犯人を霊視できるなら、ある意味「仕事ができる男」とほぼ一緒やん(笑)全然ハラハラドキドキしないのよ。

Y木:これ、ホラーではないの?ジャケットデザインはホラーっぽいやん。

S原:ホラー要素はないです。刑事サスペンスです。

Y木:謎解きと言うか、事件が分かっていく過程が見どころやろ。そこはどうなん?

S原:そこもなあ。実はよくわからんかったのよなあ……(苦笑)

Y木:あかんやん。

S原:ぼくの頭が良くないのもあるけど、どうなんかな。なんというかサイキックパワーとサスペンスが噛み合ってないのよ。

Y木:そうなんや。

S原:主演はキファー・サザーランド。アクションドラマの「24」でかっちょいいアクションを披露した人。親父はドナルド・サザーランド。「SF/ボディスナッチャー」(1978)であんぐりと口を開けていた人(笑)

Y木:あーあのラストな。「カアアアアアア!」って口を開いておしまいのやつやろ(笑)

S原:うん。あれはトラウマになるよな。あと、この映画ではなんかよく似た雰囲気の男優が多いねん。日本人としたら、外国の俳優たちの顔って区別つきにくいやろ。

Y木:まあな。

S原:それなのに、さらに容姿が似た俳優たちを使うから、わけが分からなくなるという……監督の趣味かしらん?

Y木:知らんわ。まあ、でも服のファッションとか髪型とか工夫すればええ話やからな。B級映画あるある、というか監督のセンスやろうな。ラストはどうなん?

S原:これもパッとしません。一応内容は伏せるけど、「どんでん返しやで!驚いたやろ?」って感じで演出してるけど、観ているほうは「あーそうなん…?」で終わります。

Y木:あかんやん。

S原:ちゃんと作ろうとしてるんやろうけ、どうにもフットワークが重い。面白い部分もあるねんけどな。例えば、主人公は、ゲイではないのになぜかゲイバーでお酒を飲むのが好きという設定とか、街の風景が曇天が多くてなんとなく閉塞感がある雰囲気とか。

Y木:へえ。

S原:でもそれだけやった……さーみなさま。キファー・サザーランドが好きなら無問題です。というか、彼が苦しそうな顔をしているのを延々と観る映画です。というわけで、スカッとしないモヤモヤ映画ですので、体調の悪いときは観てはいけません。え、なんですって?じゃあ体調の良いときに観たら楽しめるのか、ですって?もうこれ以上は言うだけ野暮ってことですよ、あなた。この映画を中古店で見つけてもスルーしてくださいませ~!