あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

(おまけ)翼よ、あれがカーペンター映画だ!「要塞警察」(1976)「ゴーストハンターズ」(1986)の巻


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ゴースト・ハンターズ [DVD]

S原:さあお待ちかね、みんな大好きなジョン・カーペンター兄貴の映画ですよ!

Y木:あーあったなあ、こういう映画……

 

要塞警察のあらすじ)

移転を間近に控えた警察署に、ストリートギャングに追われる男が逃げ込んできた。ストリートギャングたちは彼を追って警察署を完全包囲。残っているのはわずかな署員のみ。黒人警官は署に収容されていた凶悪犯と協力し、ストリートギャングたちに立ち向かうことに!

 

(ゴーストハンターズのあらすじ)

ジャックと親友のワンは、中国からやってくるワンの恋人を迎えに空港へ。だが、彼女は二人の前で誘拐されてしまった! チャイナタウンの地下に封印されていた魔王ロー・バンが眠りから覚め、始皇帝の呪いを解くために「緑の瞳」の女性を狙っていたのだ! 早く探さないと彼女が生贄になってしまう。ジャックとワンは、妖魔うごめく地下へと潜入する!

 

S原:あなたは、全然ジョン・カーペンターの映画なんか評価してないやろ?

Y木:「ニューヨーク1997」(1981)はやっぱり面白いと思った。あとは「遊星からの物体X」(1982)は好きやで。犬のシーンや顔のシーン以外でも独特の雰囲気やろ。他の映画は、評価もなにもほとんど覚えてないからなー……あ!「ダークスター」(1974)!あれはもすごかった。いや褒めてないねんで(笑)

S原:そうやろうな。で、まずは「要塞警察」(1976)から。これも覚えてない?

Y木:覚えてないなあ。警察署内に立ちこもるやつやろ。

S原:そうです。じつはかなり昔に観たときはピンとこなかったのよ。確かレンタルVHSで観たはずやけど、もうザラザラの暗い画面でイライラしっぱなしでな。この映画は大半が夜のシーンなので、余計に辛い。今回のDVDは、デジタル・ニューマスターで画面がクリアになっていて、今回観なおしてすっかり作品の評価を改めたのよ。(S原注:ブルーレイではさらにキレイらしいです)

Y木:へえ。画像がクリアになったら面白く感じるんか。そういうもんかな。

S原:たまたま今回は波長があったのかも。やっぱり鑑賞するときの体調とかにも影響するから(笑)で、まあ楽しく観たんやけど、よく考えればもう突っ込みだらけの変な映画やねん。

Y木:突っ込み、というか設定が変なんやろ?

S原:そうなのよ。まず『警察署にほとんど人がいない(引っ越し作業中だから)』という設定はナイスなんやけど、ギャングが襲ってきたら警察用無線で連絡つくはずやろ?一応、無線が使えないという説明も少しだけあるけど、警察やからな。ちょっと不自然かな。あとは、銃を撃ちまくられても「消音銃なので周辺住民が全く気付かない」(一応、周辺に民家がないという設定)という設定と、犯罪者を連れてきた警察官たちがあっというまに殺される場面は、やっぱりちょっと……

Y木:まあ、立てこもりの攻防をみせる映画やからな。そういう細かいことはええんちゃう?

S原:確かに観ているうちに気にならなくなる。で、この映画の魅力は、なんというか「味」があるのよ。

Y木:味?

S原:映画の空気感といえばええのかな。とくに凝った撮り方してるわけじゃないし、アクションも今観ると普通なんやねんけどな。あとは主演の黒人警察官(オースティン・ストーカー)と白人犯罪者(ダーウィン・ジョンストン)の2人がすごく魅力的やねん。この2人が役にはまっていて映画の背骨みたいになったと思う。

Y木:へえ。

S原:反対にギャングたちの中にも魅力的なキャラがいると、もっとメリハリがでたと思うんやけどな。例えば、銃で撃つだけでなく頭も切れるタイプだと、主人公たちとの駆け引きなんかも表現できてさらに面白かったと思います。

Y木:あーそういうのは、カーペンターは苦手ちゃう?

S原:たぶんな。というわけで、「要塞警察」は評価を改めました。

Y木:で、つぎの「ゴーストハンターズ」は?

S原:うーん、これはなー…

Y木:昔観たで。全然面白くなかったことだけは覚えてるわ。

S原:そうやなあ。「要塞警察」よりも製作費は多いと思うんやけど、あんまり面白くないなー…リトルチャイナで、主人公(カート・ラッセル)たちが、魔王ロー・バンと戦うというのがメインストーリーなんやけど、どうにも緩いというかぬるいというか。

Y木:アクションがショボい?

S原:この時代なら普通ちゃうかな。べつに派手な爆発があればいいってもんでもないし。でも、やっぱりキャラクターがダメなんやと思う。カート・ラッセルもどうも浮き気味かなあ。あとは中国系のキャストも、いまいち役柄に合っていないような気がする。というか、西洋人って過剰にオリエンタリズムを意識するときってあるやん?

Y木:あーあるなあ。

S原:中国は「魔術とか使える凄い国」って思うのは勝手やけど、もうちょっと演出に切れ味がないとただのコスプレにしかみえません(苦笑)

Y木:特撮は?

S原:今観るといかにも80年代で楽しいよ。でも、それだけではちょっと……

Y木:まあ、今回は「要塞警察」はアタリ、「ゴーストハンターズ」は外れってことやな。

S原:好みなんやけどな。というわけで、この時代の映画ファンは周知の映画ですが、とくに「要塞警察」は再見しても良いと思います。2005年に「アサルト13 要塞警察」でリメイクしていますが、出来はどうなんでしょうか?だれか観た人、教えてくださーい!