女の子が大暴れ！「バレットレイン美しき暗殺者」（2007）の巻

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S原：タイトルは、「バレットレイン」。バレット（銃弾）を、雨（レイン）のように撃ちまくるという意味ですよ～。

Y木：このパッケージ、ださいなあ。

（あらすじ）

強くてセクシーなヒロインが花嫁姿で暴れまくるハードボイルドアクション。恋人・リックと共にマフィアから1,000万ドルのダイヤを強奪するも、逃走中に彼を殺されたジャクリーンは、復讐の決意を胸にマフィアの親玉を誘惑、結婚の約束を取り付ける。

S原：まずパッケージで言うと、この女性は出てこないねん。もっと別の中年女性が主人公です。

Y木：あーそう。

S原：あと、バレット（銃弾）を、雨（レイン）のように撃ちまくらへんねん。

Y木：また、そんな映画か。

S原：今回は、あなたにちょっとアドバイスしようと思ってな。

Y木：なにを？

S原：こんな映画、観なくてもええで。

Y木：わかってるわ。こんな映画、観るか！

S原：あとタイトルが美しき暗殺者になってるけど、べつに美しくなかったしなあ……はあー（ため息）……こんな映画ばっかり観て、ぼくの人生はどうなるんやろか？

Y木：知らんがな。

S原：ストーリーはべつに普通やねんけどな。最初は結婚式の場面です。海辺に佇む静かなチャペルで、人々は笑顔で祝っている。花嫁（ジャクリーン、主人公）は、ゆっくりとヴァージン・ロードを歩く。ところが、いきなり拳銃を瞬く間に取り出して、次々と引き金を引いて人を殺していく…これがオープニングです。

Y木：ほう。

S原：本編が始まると、主人公が教会で神父に告解している場面になります。その告白内容が映画のストーリーになる……はずなんやけど、どうにも変やねん。主人公の告白が映像化されて話がすすむんなら、基本的には主人公が経験した事柄が中心になるやん。

Y木：まあな。

S原：ところが、この映画では平気で主人公が知らない別の場面を挿入する。しかも、白黒で回想シーンまでいれるから、わけがわからない。

Y木：失敗というか映画演出の基本から外れているやん。話はどうなるの？

S原：さっきも言ったけど、過去の話（主人公が神父に語る話）が中心やねん。ジャクリーンは恋人のリックと共に、1千万$のダイヤをマフィアから強奪する計画を実行しようとしています。マフィアの船に乗り込み、一瞬にして高額なダイアモンドを盗む計画です。やがて実行しうまくいくかにみえたが逃走の最中にリックは一味に捕らわれて、殺されます。ガソリンをかけられてボカーン！

Y木：それで？

S原：実は、ジャクリーンの父親はマフィアの幹部やねん。で、主人公は（市民権を与えるために）好きでもない男と無理やり結婚させられています。この男が主人公を無理やりレイプするような最低男やねん。そういうやつらに復讐していくわけです。

Y木：話自体は普通の復讐映画っぽいけどな。

S原：いやーこれは演出が悪すぎて全然頭に入ってこないのよなあ……こういうのは、主人公が復讐するシーンでスカッとさせないとあかんやん。

Y木：まあな。

S原：まったくカタルシスはありません。ダルいというのかメリハリがないというか、俳優とキャラクターが合っていないというか、映像がザラザラというか、撮影とか構図が格好悪いというか。

Y木：ええところ、なしやん。

S原：アクションはのろいし、拳銃の場面もほとんどないしなあ。主人公は魅力的でないし、わき役にはイライラするし、捕まえに来る警官は1人だけやし、役者は顔色が悪いし、セリフも棒読みやし、カメラのピントも甘いし、劇中の音楽もフニャフニャやし、編集もへたくそで分かりにくいし、回想場面の挿入のタイミングが悪いし、ロケ地はそのへんの空き地やし、カワイ子ちゃんのシャワーシーンはないし、しょぼいし、ダサいし、センスがないし……

Y木：わかったわかった、ひどい映画やということは分かった。

S原：まあ、主人公が黒い下着で拳銃を撃つ場面は最高やったけどな♡

Y木：楽しんでるやないか！

S原：しかし、映画自体はひどかったなー。こういうのって、監督（アリ・ノヴァク）のセンスなんやろうか。

Y木：どうなんやろ。どこまで監督に権限があるかにもよると思うけどな。この監督って他にどんな映画を撮ってるの？

S原：「ジュラシック・ハンターズ」（2015）という映画を撮ってるみたい。

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