あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

「逃亡者2001」(1999)の巻

逃亡者2001 [DVD]

 

S原:さあ、今回はこれ!

Y木:よくある感じのデザインやなあ。食指が動かん……

(あらすじ)

中古車を買ったヴァージル。ところが、その車は4マイルも走らないうちに故障してしまう。頭に来てディーラーを訴えた彼は、なんと敗訴してしまう。おまけにトランクから死体が発見されてヴァージルは警察に追われる羽目に。職を失い、ガールフレンドのフィオナにも逃げられ、ツキに見放されたかのようなヴァージルだったが、偶然出会ったティファニーの協力を得て真犯人探しをはじめる…。ニュー・ブリティッシュ・シネマの先鋭スタッフが放つ逃亡アクション。

 

S原:これは、カーアクション映画やと思うやろ?

Y木:うん。

S原:でも違うのです。

Y木:逃亡せえへんの?

S原:一応、逃亡します。でも、全然DVDのジャケットと内容が違いすぎるねんなあ。なんて言えばいいんかな。ミートスパゲッティを食べたいときってあるやろ?

Y木:あるな。

S原:でも、そのときに、納豆定食がでたらガクッとなるやん。

Y木:そりゃ、なるわな。

S原:手塚治虫の「ブラックジャック」を読みたいと思って、神田の古本街に探しに行ったとするやろ?

Y木:うん。

でも、古本屋さんで「こっちのほうが良いですよ」と、『ザ・シェフ』(剣名舞原作/加藤唯史作画)をすすめられても、困るやん?

Y木:困るわな。というか、そんな店、ないけどな。

S原:例えば、パット・メセニーのライブに行ったとしたらな。

Y木:うん。

S原:パット・メセニーのそっくりさんが出てきて、ギターを弾かずに漫談したら、あかんやん?

Y木:あかんよな。というか、それは詐欺やがな。

S原:あと、布袋のギターやと思って聞いていたら、JUSTY-NASTYジャスティ・ナスティ)のギター(辻剛)やとしたら……

Y木:もうええわ!しつこいねん! なにが布袋のギターやねん。例えになってないやろ。

S原:まあ、そういうことよ。

Y木:わからんわ。はよ、映画の話をせえよ。

S原:これ、最初はたしかに車は出てくるねんけどな。主人公は、イケてないサラリーマンで、気に入った車(ジャガー)を買うけど、すぐに壊れてしまう。店に文句を言うが、お金を返してもらえない。営業成績が悪くて、仕事はクビ寸前。彼女ともイマイチな感じで、会社の同僚からは見下されている。こういう負のスパイラルにはまっている男が主人公です。

Y木:それで?

S原:ある日、警察から呼ばれて、買った車のトランクを開けると死体が入っている。自分は知らないと主張するが、信じてもらえない。なんとか警察から逃げた先で、偶然助けてくれるティファニーという女性(とその家族)がいて助けてくれる。このティファニーと家族がちょっと変わっていて、純真無垢な部分もあるけど、生活のために高級車をと盗んで地元のギャング(?)に売り飛ばしたりする。主人公は、段々とティファニーに惹かれつつ、そんな生活が面白くなっていく。そして、主人公は自分をはめた真犯人を探し復讐を誓う……こういう感じです。

Y木:普通やん。

S原:ハリウッド製なら、すごいテンポであれよあれよと話がすすんで、伏線回収してハッピーエンド!やろうけど、これはイギリス映画やから、なんというか一癖あるのよ。

Y木:一癖って?

S原:なんというか……テンポがのろい(笑)

Y木:あかんやん。

S原:のんびりムードと言えばそうなんやけど、最初に言ったように、こっちは車のアクションシーンを期待してたから、「いつまでたっても、車のアクションシーンが出てこないなあ……」と思ってたら最後まででてこなかった(苦笑) そういう意味では消化不良やったわ。

Y木:期待してたのと違うのはわかった。映画としてはどうなん?

S原:普通かな。そんなにひどくないけど、「隠れた佳作」とは呼びにくい。小粒すぎるんやろうなあ。

Y木:ラストはちゃんと終わるの?

S原:あーラストは結構ええねんで。実は、ティファニーは重病を患わっていて、余命わずかやねん。で、自分が死んだ後の「死体」を利用して、主人公をハメた相手を「犯人」にしてしまう。

Y木:へえ。

S原:かなり強引やったけどな。それぞれの役者に個性があるから、ちゃんとオフビート気味の逃亡サスペンスと宣伝すれば、もっと観る人がおるはずやのになあ。なんで、こんなジャケットにしたんやr?

Y木:ちょっとでも、レンタル店に買ってもらうためちゃうの?

S原:逆効果やと思うけどな(苦笑) というわけで、いまいちピントがずれたまま鑑賞しましたが、はじめから巻き込まれ型の映画だと分かっていたら楽しめたんでしょうか……? 決して面白くないわけでないですが、「面白いの?」と言われれば、返事の困る、、そういう映画でした~!