あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

あの頃、洋楽ミュージシャンは映画に出ていた…【 音楽好きの友人と語る その3 】

ハード・デイズ・ナイト : 作品情報 - 映画.com

 

S原:ビートルズはどう? ドキュメントとかライブ映像はすごく多いやろ。ファンに追いかけられる映画とかは、また別の機会に話すとして(笑) 印象に残ってる映画はある?

K木:昔にポール・マッカートニーが製作主演した「ヤァ!ブロード・ストリート」(1984)を観たな。

S原:あーあれ、ぼくは観てないねん。たしかマスターテープを盗まれる話やったけ?

K木:そうそう。あとは演奏シーンがたっぷりと入ってます。細かいことは忘れたけど、最後が夢オチなのは覚えている。

S原:えー夢オチ?

K木:うん。もう完全な夢オチ。伏線もなにもなし(苦笑) 観たときはさすがに、突っ込んだで。いやーあれはファンはどう思ったんやろ。

 

 

S原:「バック・ビート」(1994)はどうやった? 5人目のビートルズ(だったかもしれない)メンバーの話やろ。

K木:うん。ビートルズが結成されて間もないころ、スチュアート・サトクリフというメンバーもおったのよ。ドイツ(ハンブルク)が舞台でな。スチュアート・サトクリフは恋人とドイツで暮らすためにバンドを辞める話やな。

S原:バンドよりも恋をとったんやな。映画自体はどうなん?

K木:これも覚えてないなあ……なんか印象に残らないねん。

 

HandMade Films - Wikipedia

 

K木:ジョージ・ハリスンは、確か映画製作してたんとちゃうかった?

S原:ジョージ・ハリスンは、ハンドメイド・フィルムスという映画製作会社を作ったくらいやから、結構映画好きやったんちゃうかな。詳しくは知らんけど、ウィキペディアによると、最初に作ったのは「ライフ・オブ・ブライアン」(1979)みたい。

K木:「ライフ・オブ・ブライアン」! やるなあ、ジョージ。ナイスなセンス(笑)

モンティ・パイソン/ライフ・オブ・ブライアン | Netflix

 

K木:ただ、ジョージがどこまで関与しているかはわからんな。むこうは名義貸しもするし。映画の製作なんか、まず儲からんやろ?

S原:ハイリスクな世界やろうな。他のラインナップをみても大半は(興行的には)失敗やったんちゃうかな。

 

デューン/砂の惑星』 - 映☆画太郎の MOVIE CRADLE 2

 

S原:スティングはどう? ハンサムやし、俳優としても結構映画にでてたやろ?

K木:「砂の惑星」(1984)は、観たで。

S原:あれは映画としては失敗作ちゃう?

K木:うん、そうやな。とにかく面白くないうえに長い。最近、リメイクされたのもネットフリックスで観たけど、これも長かった。しかもこれで前編って。まだ同じくらいの長さの後編があるのかよ!って(苦笑)

 

映画「デューン/砂の惑星(DUNE)」がフルで無料視聴できる動画配信サイト。字幕・吹き替えで見れる? - 海外映画ドラマ情報局

 

K木:スティングは、「さらば青春の光」(1979)にも出てるで。

S原:ザ・フーのアルバムを元に作った映画やろ、たしか。

K木:アルバム「四重人格」(Quadrophenia)を原作としてて、モッズとロッカーズの対立の映画なんやけど……おれは、あかんかったな。

S原:あなた、好きそうやのに。意外やな。

K木:うーん、なんかピンとこんかったなあ。

 

1960年代イギリスの若者達を描いたカルト映画「さらば青春の光」 | RENOTE [リノート]

 

S原:ぼくは、ザ・フーの音楽自体云々よりも、あのパフォーマンス(楽器を壊します)が、あんまり好きじゃないから、ちょっと観る気になれない。絶賛してる人もおるけどな。ドラムの奴は、ほんまにヤバかったんやろ?

K木:うん。キース・ムーンな。奇人のエピソードだらけ。ホテルで大暴れして備品を壊しまくったりして出禁になってたのは有名やな。

S原:時代やなー。

K木:ほかにも、爆竹でトイレを破壊したり(銃で破壊したという説もあり)、自宅の窓を銃で撃ったり(空気銃という説もあり)、パーティで全裸になったり(半裸という説もあり)。ついたあだ名は「破壊王」(笑)

S原:すっげえ、橋本真也みたい(笑)

K木:隣に住むスティーヴ・マックイーンの家にバイクで飛び込んだこともあるらしい(車という説もあり)。でも、キース・ムーンは本当な内気でナイーブな人間やったという話もある。結局、飲酒とドラッグで早死にした。たぶん心の病気やったんやろうなあ。

 

ザ・フー 四重人格 ECPI-1-2-TR | レコード買取

 

K木:あと、楽器破壊の繋がりで言うと、「欲望」もリバイバル上映された時に観てるねんけどな。

S原:(ミケランジェロ・)アントニオーニの「欲望」(1967)? 観てないねんけど、楽器が関係あったけ?

K木:ヤードバーズの演奏シーンがあるねん。しかもジミー・ペイジジェフ・ベックのツイン・ギター編成。最後はなんとジェフ・ベックのギタークラッシュ!

S原:へえ、珍しい。

 

「欲望(1966)」ジェフ・ベックの画像

「欲望(1966)」ジェフ・ベックの画像

K木:で、折れたギターのネックを主人公が手にしてもみくちゃにされながら、ライヴ会場から出るってシーンがあるねん。

S原:へえ、面白そうやん。

K木:まあ、このシーンしか覚えてないねんけどな。

S原:どないやねん。

K木:で、演奏してる曲がまた問題でな、「トレイン・ケプト・ア・ローリン」を演る予定やったみたいなんやけど、楽曲の使用許可がおりんかったみたいで、どうしたかというと歌詞書き換えて「ストロール・オン」って曲名にして演奏してん。もちろんメロディーは全く同じ。よう訴えられんかったなって(笑)

S原:なんという適当な……

K木:もしかしてジミー・ペイジ、これで味しめて、後のツェッペリンでブルーズのパクりとかやってたんか? 

S原:そうかもな(笑)

K木:現行CDではちゃんとクレジット与えてるけど。

 

TINA ティナ - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ・動画配信 | Filmarks映画

 

S原:「ティナ」(1993)は? 実はDVDを中古で買ったまま、まだ観てないねん。

K木:これはなー。映画としてはまあまあやねんけど、観ていて結構辛い。というのは旦那のDVがすごいねん。

S原:アイク・ターナーか。離婚したやろ。

K木:そうそう。アイク&ティナ・ターナーでデビューしてから、旦那が金とドラッグと女遊びをする上に、ティナ・ターナーに暴力をふるう。もう最低な奴やで。離婚するときも大変で、根こそぎお金をもっていかれるねん。

S原:うわー……

K木:まあ離婚して良かったんちゃう? そのあとに「マッド・マックス サンダードーム」(1985)に出演できたしな(笑)

S原:あー、あれは楽しそうに演じてたもんな。

K木:元気になって、よかったで、ほんま。

 

Bazaar80: We Don’t Need Another Hero (Tina Turner)

 

映画「マッドマックス3 サンダードーム」がフルで無料視聴できる動画配信サービス。HuluやNetflixで観れる? - 海外映画ドラマ情報局

 

(居酒屋トークは、今回はこのへんでおしまい。そして別れ際に・・)

 

S原:あー対談のお礼にこのDVDあげるわ。

K木:なにこれ?

 

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S原:これ、ジーン・シモンズがでてるねん。ぼくも観てないから、あとで感想を教えて。

K木:ジーン・シモンズか。それはええけど、面白くなさそうやなあ(苦笑)

 

---------------おまけ----------------

 

(2週間ほど後に、感想を聞きました)

 

K木:ないだ借りたDVDを観たで。

S原:どうやった?

K木:感想を一言で言うと酷かった……(苦笑) タランティーノが「フロム・ダスク・ティル・ドーン」に抜擢せんかったら、ジョージ・クルーニーは一生こんな映画に出続けることになってたやろな。

S原:たしかに。ジーン・シモンズは、でてるの?

K木:ちゃんと出てたで。

S原:へえ、演技はちゃんとしてるんかいな。

K木:うん。当時は、ほかにも映画出演してたから、いたって普通に演技をしてたわ。なので演技に突っ込むというのはないけど、映画自体はつっみどころ満載やったわ。

S原:そっちが聞きたい(笑) これ、ほとんどレビューがないねん。たぶん日本で数人しか観てないんちゃうかな。どんな話なん?

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K木:原題は「Red Surf」でなんで赤を青に変えたんかようわからん。ジョージ・クルーニーの売人グループにトゥルー・ブルーってあだ名の奴がおったけど、こいつは端役でしかも途中で殺されるしな。

S原:あー、邦題をつけた奴も映画の本編を観てないんやろな。

K木:で、あらすじなんやけど、ジョージ・クルーニーは元サーファーで今はドラッグディーラー。その仲間にジーン・シモンズもいます。ちなみに彼はメカニック担当ね。

S原:ほう。

K木:クルーニーは、恋人が妊娠したのを機に堅気になることを決意。恋人は、ディディ・ファイファーが演じています。ミシェル・ファイファーの妹らしいわ。

S原:へえ。

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K木:仲間と大仕事をして大金せしめて引退しようとするねんけど、ディーラー仲間の一人がオトリ捜査で捕まってしまうねん。で、何故か普段取引してる大物のアジトがガサ入れされ何人か逮捕され、そのボスから逮捕された仲間が疑われて、クルーニーたちに殺さないともう取引はしないと言われてしまうねんな。だけど仲間を殺せるわけもなく、ボスの眼の前で替え玉(どうみても服を着せた人形)に一発ぶちこみごまかそうとするけど、当然バレて仲間は結局ボスに殺されます。この殺された奴のあだ名がトゥルー・ブルー。

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S原:それで?

K木:そんなことは知らずにクルーニーは、仲間と一緒に最後の仕事のため取引現場に行きます。で、なぜか沖合で皆ジェットスキーで向かうねん。そのジェットスキーを調整してんのがジーン・シモンズね。取引現場に行くと、そこにあったのは仲間の首。しかも取引相手は武装して待伏せしてて、なんとクルーニーは殺されます。

S原:ふーん、それがラスト?

K木:いーや、この時点でまだ残り20分。残された仲間は復讐を誓い、後日ボスのアジトに乗込むねん。何人かは殺され最後は2人だけになりながらもジーン・シモンズの好アシストもあり、ボスを殺して大金もせしめます。そしてジーン・シモンズは生き残ったもう一人にクルーニーの恋人が駅にいると言って、メキシコに旅立ちます。

S原:メキシコ?なんで?

K木:ヨットを作るんだと(笑)

S原:……その設定、要る?

K木:で、もう一人は駅に向かいクルーニーの恋人に手に入れたお金を渡します。

S原:ええ奴やん。

K木:そこでキレイに別れれば、ええ奴やねんけどな。

S原:うん?

K木:なぜか「ポートランドまでバイクで送るよ」と言って、身重のクルーニーの恋人をバイクに乗せてポートランドへ向かうところで終幕。

S原:おいおい。

K木:観ていて「いいのか、これで……?」と。これでジョージ・クルーニーは浮かばれんのか? そもそも妊娠してる女性をケツに乗っけてバイクに乗るってどうよ? お腹の子供は大丈夫なんか? と最後は突っ込みどころ満載で終わります。

S原:なんかすごいなあ。いろいろと破綻してるところが良い味でてるよな。

K木:でも観ないほうでええで。面白くないから。

S原:それにしても、あなた。

K木:なに?

S原:こんなダメ映画をよく観るよなあ。

K木:いや、おまえが観ろって渡したんやろ!