S原:今回はベトナム産のアクション映画!
Y木:ベトナム!へえ~。
(あらすじ)
ベトナム発のファンタジーアクション大作。最終戦争後の荒廃した世界。人々を支配する皇帝軍の処刑人・ダオは、非情な戦いの繰り返しの中で倦み疲れ、たどり着いた砂漠の村で脱走した女戦士・アンを見つけるが…
S原:これは、中国の時代劇・武術ものっぽい雰囲気やけど、中身はちょっと違う。じつはSF風味のカンフーアクションやねん。
Y木:へえ、なんでこんなジャケットにしたんやろ。それはええとして、どういう映画やったの?
S原:中二病全開の映画やった(笑) 香港アクション(とくにカンフーとワイヤー)とかマッドマックス2とかマトリックスとか北斗の拳とかアキラとか、ああいうをごった煮にした感じです。
Y木:ベトナムにもおるんやな。そういうオタク野郎が。
S原:絶対日本の漫画とかアニメが好きやと思うで。かっちょいいアクションや、雰囲気重視の画面つくりが優先されてます。表面だけのマッドマックス、もしくは知能指数の低いウォン・カーウァイみたいな。
Y木:よくわからんぞ。
S原:画面のカッコよさで勝負ってことやな。その分、ストーリーが置いてけぼりになって分かりにくい。あと意外にワクワクしないというか盛り上がりに欠ける。まあでも、あれよ。別にストーリーがわからなくても、ワクワクしなくてもええやん?そういう映画を観てるわけちやうし。
Y木:いや、これはそういう映画やろ。
S原:まあ欠点に目をつぶれば楽しいよ。合コンでも100点満点のイケメンを探すから、あかんねんって。多少、ブサイクで映画オタクでも許してあげて~、ガールズたちよ!
Y木:誰に向かって言ってるねん。はよ、映画の話をせえ。
S原:この映画の舞台は、たぶん異世界もしくは核戦争後(?)の荒廃した世界。そこでは、地味に暮らしている人たちと、「マスター」と呼ばれる戦士たちがいます。マスターたちはもともと僧侶たちだったんやけど、一部の僧侶たちは皇帝軍として人々を支配するようになっています。もしも皇帝軍を裏切ったり、脱走した者は容赦なく殺されます。
Y木:ほう。
S原:主人公はダオという男。こいつは、そうした脱走者を追い求め世界を放浪する「処刑人」やねん。オープニングは、脱走者をおいかけて、ダオがかっちょよく酒場に登場する場面です。ここはもう、演出はアニメそのもの。ところが、最近はダオ自身、非情な戦いの繰り返しのなかで、いつしか皇帝軍への忠誠が揺らぎ始めてます。
Y木:ふーん。ジャケットに映っている女子が主人公とちゃうの?
S原:彼女は皇帝軍が9年間探し続けている女戦士アン。もう一人の主人公です。かつてアンは皇帝軍を脱走したのよ。いまは旦那と息子と平和に暮らしています。そこへダオがやってきます。
Y木:なるほど、そういう話か。
S原:こういう映画は、単純なほうがええと思うねん。結局、ダオは皇帝軍を裏切ってアンの味方になる。それを知った無敵のロン将軍がダオとアンを追ってやってきて、いよいよ戦いが始まります。この戦いがクライマックスね。
Y木:剣で戦うの?
S原:うん。ほかにはカンフーとか超能力です。
Y木:カンフーに超能力か。監督の趣味全開って感じやな。
S原:やりたかったんやろうなあ、というのがひしひしと伝わってきます(笑) この戦いの場面は結構良いです。あとはアンの衣装やな。
Y木:衣装?
S原:ちょっとな。
Y木:なんやねん。
S原:ちょっとエッチやねん。
Y木:また、そういうことを言うから女性読者が増えへんねんって。
S原:いや、それはこの監督に言ってよ(笑) 衣装が工夫(?)されてて、ボディラインが強調されてたりちょっと胸が開いていたり、チラリズム趣味全開です。ねえねえ、Y木さん。
Y木:は?
S原:はっきり言ってもええかな。
Y木:なにを?
S原:こういう衣装………ぼくは好き!
Y木:知るか!
S原:いやー、この監督は分かってるで。目の前に唐突に巨乳がバーン!って現れても、男子って興奮せえへんやん?やっぱり焦らして焦らして……あーん、もう!金井たつお先生たら!みたいな。
Y木:なんで金井たつおやねん。きもいわ。
S原:まあ、そういう映画やった。でもこういう作りならOKやな。製作費がないから、ほとんど砂漠と小さな町のセットで撮影しているけど、こういうところにお金をかけて正解やと思う。やたらと派手なVFXにお金をかけるよりも、こういう風に作ってほしいわ。
Y木:今回は、頑張ってると?
S原:うん。B級なのは間違いないし上手い作りではないけど、これでええと思う。というわけでみなさん、チラリズムが好きな人、中学2年生アクションが好きな人にはおススメです。中2(監督)が作った、中2(あなた)のための映画!ワゴンセールで見つけたら、マストバイですよ!