あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

たぶんマイナーな日本映画をまた10本発掘!「極道刑務所」(2014)の巻

極道刑務所 [DVD]

Y木:うわ、竹内力かいな。

S原:みんな大好き、竹内力の濃厚顔面芸が堪能できる映画ですよ!

(あらすじ)

刑務所が民営化された世界――。極道の組長・貴崎(竹内 力)は極海島刑務所を経営し所長に就任していた。囚人は女のみ。収監されたばかりの麻里(森下悠里)は反抗的だ。看守たちの暴力にも屈しない。麻里は貴崎に近づくために自ら罪を犯したのだった。一方その頃、貴崎に怨みを持つ謎の集団が、極海島刑務所襲撃作戦を練っていた。海に浮かぶ絶海の孤島である刑務所を舞台に三つ巴の戦いの火蓋が切って落とされる・・・。

 

Y木:…いつもの竹内力やん。

S原:いーえ、よくあらすじを読んでくださいませ。竹内力は極道の組長でありながら、なんと刑務所長(民間経営)なんですよ、これぞ逆転の発想!

Y木:くだらねえー…

S原:いやいや、これは意外にバカバカしくて面白かったで。

Y木:ほんまいかいな。

S原:あらすじは、上の通り。刑務所を民営化しているというおバカな設定といい、女子受刑者がスポーツブラ&スパッツ(黒色)を着用している意味不明な設定といい、刑務所を襲ってくる謎の集団といい、もうどれをとっても知能指数ゼロ分署!

Y木:それ、レスリー・ニールセンのバカ映画やがな。

S原:いやー、頭を空っぽにして観るには最高やと思う。とにかく、竹内力が高血圧&高濃度脂分たっぷりの顔面芸でな(笑)セリフとか恰好とか動きとか、もうコントそのもの。

Y木:おまえ、バカにしてるやろ。

S原:してないって。こういう映画はこれでええねんって。あなた、こういう映画に芸術性を求める?アイロニーエスプリを求める?凝ったカット割りや構図を求める?哲学的なモノローグを求める?いーえ、答えはノーです。

Y木:おまえが答えるんかい。

S原:ほんまに単純なストーリーやし、予定調和でべつにハラハラドキドキもせえへんから、ゆっくりと酒を飲みながら観るのにピッタリですよ。

Y木:わかった、わかった。気軽に観れるのはええから、はよ内容を話してくれ。

S原:森下悠里が受刑者として極海刑務所に来ることからはじまります。彼女はヤクザを7人も殺した罪で収監されます。さっきも言ったけど、刑務所は民営化されていて、なぜかヤクザが運営しています。もちろん我らの兄貴、竹内力は刑務所長兼組長です。

Y木:いろんな意味で、嫌な刑務所やなあ…

S原:刑務所では、当然ヤクザの下っ端たちが監視していて、女囚たちに暴力をふるう。竹内力が、唾液を飛ばしながらセリフを放ちます。「牝豚どもよ~!地獄に突き落としてやるぜ~!」あ~もう!気分は平松伸二!しびれる~!

Y木:しびれへんわ。

S原:あと、この刑務所は孤島にあるので脱走しようとしても、まわりは海だらけです。

Y木:あーアルカトラス島と一緒やな。

S原:あれよりもヒドイです。だって、周りの海には機雷がプカプカ浮かんでいて、接触するだけで体が、木っ端微塵!

Y木:おいおい……

S原:新しく収監された森下悠里はすごく気が強い。竹内力や看守たちにも平気で抵抗します。ところが、じつは女囚のなかでも待遇が良い女囚もいます。お察しの通り、体を売ってるんやな。

Y木:女囚ものの定番やな。

S原:他の女囚から、森下悠里も「売春」を誘われますが、本人は断固拒否します(男性経験がないらしい)。そうこうしているうちに、刑務所を襲ってくるグループがやってきます。なぜかピザ屋のバイトみたいな恰好をしています。

Y木:え、海には機雷があるんとちゃうの?

S原:そーっと避けて島に上陸します。

Y木:……(無言)

S原:看守も囚人も殺されます。竹内力も黙ってません。というわけで、Vシネマ定番のゆるい感じのアクションが続きます。森下悠里も刺されたり、刺したり、黒スパッツでなんとなくアクションをします。

Y木:それで?

S原:やがて、なんだかんだあって、なぞのグループは撃退されます。竹内力は、かっこよく日本刀を持って、シャキーン!と決めポーズ!ザ・竹内力

Y木:はー…(ため息)

S原:そのグループは世界浄化連合という組織やけど、どうも黒幕がいるらしいとわかる。最後は、竹内力が「面白くなってきたぜ~!」と叫んだあと、誰もいない方向にむかって「シャ~!シャ~!」とガラガラ蛇のモノマネをして、おしまい。

Y木:ガラガラ蛇って。

S原:ほんまやねんって。ほんまにヘビのモノマネするねんって。

Y木:まあそこはどうでもええけど、これって話は、ちゃんと終わってないやん。

S原:大丈夫。このあとに、ちゃんとパート2の予告編が始まります。

Y木:あーそういうこと。おまえ、パート2は観るの?

S原:え?観るわけないやん。

Y木:喜んで観てたくせに、なんやねん。

S原:さーみなさま。刑務所といってもいろいろあるでしょう。たぶん世の中にはこんな刑務所があるのでしょうね。いつか収監される日のために、準備をしておいて損はないでしょう。マストバ~イ…かな?