S原:さあ今回で、このシリーズも最後。最後は強烈ですよ! 「キャッツ♥アイ」じゃなくて、「みゃーっつ♥EYE」!
Y木:駄洒落にしても、なんかもう……(絶句)
(あらすじ)
ゆるく可愛く、ちょいセクシーに町から町へ盗人人生を送る彼女たち。同時に同じ男を好きになってみたりで、同時に同じ男にだまされてみたり、そしてマシンガン野郎と対決してみたり、秘法を探す道中のさまざまな出来事を乗り越えて、三人の心がひとつになった時、またあの男が現れた。
Y木:これ、ほんまにDVD買ったの?
S原:買ったで。
Y木:おまえ……これ、観たいんか?
S原:いーや、とくに観たくない。
Y木:なんで、買うの?
S原:聞きたい?
Y木:まあな。
S原:じゃあ、ありのまま起こった事を話すわ。
Y木:頼むわ。
S原:ぼくはワゴンセールコーナーの前で立っていた。
Y木:うん。
S原:と思ったら いつのまにか、このDVDを持ってレジの前にいた……
Y木:は?
S原:な……なにを言っているのかわからねーと思うが。
Y木:わからんな、たしかに。
S原:……頭がどうにかなりそうだった…催眠術だとか超スピードだとかそんなチャチなもんじゃあ断じてねえ。
Y木:あーそう。
S原:もっと恐ろしいものの片鱗を味わったぜ……
Y木:それは大変やったな。
S原:そういうことなんだ、ジョースターさん。
Y木:誰がジョースターさんや!
S原:わかった?
Y木:わからんわ。
S原:こういうDVDを買うのは、もう何というか、店頭で見つけた時にカゴにいれないとあかんねん。だって、躊躇して「今度、買えばええか?」って買うのを止めてみ? もう二度と買う気が起こらへんやろ?
Y木:それでええやん。無駄遣いしなくて。
S原:いや、そのときにゲットしないと、もしかしたら明日に地球が真っ二つに割れるかもしれへんやん? そのときに「あ、あの「みゃーっつ♥EYE」を買ったほうが良かったんかな?」とか焦りたくないやん。
Y木:それよりも、地球が真っ二つに割れている状態に焦れよ。
S原:ま、わかる人にはわかると思うわ。
Y木:一生、分からんでもええわ。それで、この映画の内容を話せよ。
S原:これは「キャッツ♥アイ」のパロディ風なんやけど、とにかく全体的にぬるいねん。演出、演技、ストーリーすべてが晩夏の2日目の風呂水みたいでな。セリフは棒読み、アクションは付け焼刃、起承転結もすごくユルユル。なんか観ていると、「このまま観ててもええんやろうか?「単純に人生の無駄遣いちゃうやろか?」とドキドキしてくるという。
Y木:いやなドキドキやなー。出てくる娘は可愛いんちゃうの?
S原:普通やった。可愛さで言うと、天神橋筋商店街で歩いている娘と同じくらいかな。
Y木:なんやよくわからん。
S原:紗綾、伊東愛、山田空がたぶんキャッツ・アイじゃなかった「みゃーっつ♥EYE」の怪盗(?)3人娘やと思うねんけどな。見分けがつかんから、わかりません。
Y木:適当やな。キャッツ・アイみたいに泥棒するんやろ?
S原:泥棒……してたと思う。
Y木:それも覚えてないんかい。
S原:ほんまに薄味すぎて、観ている最中から記憶がなくなっていくねんって! 復讐の話やったかなー……パンチとかキックとかしてたなー……もう忘れたなあ……あ!もしかして、シュワちゃんの「トータル・リコール」ってこういう感じかな?
Y木:ちゃうわ。あれは模造記憶の話やろ。
S原:あとはレオタードやな。
Y木:レオタードがどうしたんや。
S原:3人娘は、レオタード着てるねん。
Y木:そりゃそうやろ、キャッツアイのパロディなんやから。
S原:そのレオタードがな、ちょっとだぶついてるねん。
Y木:うん?
S原:サイズが大きかったんかのしれんけど、これではあかんよ。レオタードは体にピタッとしているから、レオタードやん? キャッツアイの泪姉さんがダボっとしたジャージでできたら魅力半減やん?
Y木:ジャージの話とちゃうがな。
S原:まあ、レオタードに対するこだわりもないのに、こういう映画を撮ったらあかんって。北条司先生は、もちろんダメ出しするやろうしな。
Y木:北条司がこんな映画観てるわけないやろ。絶対、嫌ってるわ。
S原:まあ、とにかくピタッとしないレオタードは認めませんってことを強く言っておきます。この点は、寺澤武一先生も同意してくれるんとちゃうかな。
Y木:それは「コブラ」にでてくる女性がボンテージ姿なだけやろ。
S原:じつは一つだけ、面白い点があるねん。それは、この「みゃーっつ♥EYE」3人娘が、全員とも猫ひろしが好きやねん。猫ひろしが、3股をかけているという設定ね。
Y木:そう。それで?
S原:最後は「待て~♡」って、3人娘が、猫ひろしをおいかけて、おしまい。
Y木:……は?
S原:その走っている3人娘が、ものすごいやる気がなさそうやねん(笑) いやー、ヤングな娘がダラダラ走る姿って、なんか萌えるよな。
Y木:キモイからやめろって。
S原:というわけで、みなさん。なにからなにまで意味不明です。今回シリーズで紹介したなかでも、最もおススメできません。あ! ひとつ言い忘れた!
Y木:なんやねん。
S原:ぼく、「キャッツ♥アイ 実写版」(1997)よりも、こっちのほうが好きかもしれない。
Y木:どうでもええわ!