(あらすじ)
山梨県の私立高校・アルプス女学園は、寮生も在籍する由緒ある学園である。卒業間近になったある日、寮長の麻美(仲原舞)は寮母から、アルプス女学園開校当時から続く乙女寮が学校の経営不振により閉鎖されることを知らされる。たくさんの思い出が詰まった乙女寮をこのまま閉鎖させたくないと、同じく寮生の千鶴(宮崎理奈)、吉乃(石田佳蓮)、錦(桃瀬美咲)、多香子(百川晴香)、恭子(石條遥梨)たちが寮を取り戻すために秘策を考えるが……。
S原:これは「複数のアイドルグループが、レーベルの垣根を越えて共演を果たした青春ムービー」らしいわ。
Y木:ふーん。
Y木:うん。
S原:あとは、SUPER☆GiRLSの宮崎理奈ね。
Y木:…うん。
S原:ほかには、青春!トロピカル丸の百川晴香ね。
Y木:……うん。
Y木:………うん。
S原:あとは、えーと。
Y木:もうええわ! 知らん小娘ばっかり紹介されても困るわ。
S原:えー結構、みんな可愛かったで。
Y木:そうなんか。
S原:まあ、見分けはつかんけどな。
Y木:なんやねん。もう、こういう映画を観るのをやめろよ。
S原:でも、あれやで。ぼくらはアイドルとか興味ないから、「垣根を越えて集合」という凄さがわからんけど、ファンにとっては重大なことちゃう?
Y木:そうなんかな。
S原:だって考えてみてよ? もしも、爆風スランプの江川ほーじんの後任ベーシストとして、ボウイの松井常松(恒松)が加入したらどう思う?
Y木:べつにどうも思わん。
S原:もしも「ドーベルマン刑事」の武論尊と、「ホールインワン」の金井たつおが、タッグを組んだら、どんな漫画になると思う?
Y木:たぶん面白くないと思う。
Y木:リズムが合わへんと思う。
S原:垣根を超えるってことは、そういうことよ。
Y木:ちゃうやろ! はよ、映画本編の話をせえよ。
S原:これは、すごくレビューが少ないんやけどな。観ている絶対数が少ないというのも差し引いても、レビューが描けない気持ちがよくわかるねん。
Y木:どういうこと?
S原:ほとんど印象に残らないから(苦笑)
Y木:そういうことか。
S原:まあ、アイドルたちが可愛かったらオールオッケーな映画なんやけどな。それでもちょっとな。
Y木:出来がひどいとか?
S原:いや、完成度としては普通やった、というか、むしろ良い出来ちゃうかな。アイドルたちが可愛く撮られてるし、演出も無難やしな。最初の場面は、女子寮での食事シーンからスタートです。主人公が、女子寮のメンバー1人ずつ紹介していきます。この演出は良かった。つぎは教師たちが登場します。女性高校生らしくワチャワチャしたり、将来どうするかと悩んだり、経営難で学校がどうなるか? という、観客にとってはどうでもええ話が続きます。
Y木:それで?
S原:自分たちはもう少しで卒業です。ところが、そのあとに寮が閉鎖させることを知らされます。主人公たちは猛反対します。
Y木:自分たちは卒業やろ。別にええやん。
S原:ぼくもそう思います。でも主人公たちは抵抗します。全共闘世代の遺志を引き継ぐ革命維新軍です。
Y木:うそつけ。で、女子寮は継続されるの?
S原:閉鎖されます。
Y木:そうなんや。じゃあ主人公たちはババ泣きするとか?
S原:いや普通に卒業します。おしまい。
Y木:えー、なにそれ?
S原:そういう映画やった。いくらアイドル映画でも、もう少し面白いエピソードが欲しかったわ。
Y木:恋愛要素はないの?
S原:あー少しだけあるで。主人公の友人が、学校(応援団)の大事なイベントがあるにもかかわらず、気になる男性(他校の男子生徒)会いに行く、というエピソードがあります。
Y木:ほう。それで?
S原:会いに行っただけやった。
Y木:なんやねん。
S原:これは「失恋」の展開にしたら、もう少し印象に残ったと思うんやけどな。
Y木:観てないからわからん。
S原:さっきも言ったけど、ちゃんと出来てるねんで。ロケ(南アルプス)もきれいな場所やし、キャラクターも展開もわかる。でも、登場人物たちが魅力的にみえるほどではなかった。
Y木:まあ、おまえみたいなオッサンはターゲット層ではないけどな。ファンは満足なんちゃうの?
S原:いやファンも物足りないんちゃうかなー。ということで、みなさん! 小娘たちがバラバラな演技をしているところがなんともシュールですが、メイキング映像を観ると、もう本当に子供ですよ。よほどのアイドルオタクにだけ、おススメします~!