あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

特定のアイドルファンのための映画(?)を観てみる!「BAD女(ガール)」(2012)の巻

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S原:今回は、逢沢りな主演!

Y木:……誰?

(あらすじ)

江戸の世に名を轟かせた世紀の大盗賊「浜島庄兵衛」。その末裔・浜島ユキ(逢沢りな)も、現世で盗賊を生業としてきた。幼少の頃より、父・門馬(前田耕陽)から全てを叩き込まれてきたユキ。しかし、次第に“血”よりも、“普通の女の子になりたい”という想いが募り、家を飛び出してしまう。そんなユキに門馬は最期のミッションを叩きつける。ヤクザとマフィアの取引現場襲撃!!思わぬ結末にユキはーーー?!

 

S原:これは、解説によると、

『超人気アイドル・逢沢りな“清純派”覆す“悪女(ダークヒロイン)”に!人気アイドル逢沢りな、女優として新たな一面を魅せる意欲作が誕生した!!』

ということですよ、あなた。

Y木:いや清純派とか言わても、知らんからな。あーそうなんですか、としか言いようがない。

S原:じつは、ぼくも逢沢りなという人は知りません。知らない俳優ばかりでる映画を観るのは慣れてるから、それは全然ええねんけどな。

Y木:出来はどうなん?

S原:普通です。ちょっと物足りません。

Y木:普通やったら、それでええやん。

S原:ヘイ、いいかい、一度しか言わないぜ。こういう映画で、一番大事なことってなんやと思う?いや、みなまで言うなよ。わかってるぜ、ブラザー。この手の作品で最もインポータントなのは、主演の逢沢りなが、いかに魅力的かどうか?そうだろ、違うかい?

Y木:普通にしゃべれ。逢沢りなって子がイマイチやった?

S原:わりと良かった。頑張ってクールに演じてるし、キレイな顔が画面映えするように撮ってると思う。

Y木:じゃあ、それでええやん。

S原:ファンはこれでOKちゃうかな。ただ、もう少し「ケレン味」が欲しかった。クールな表情はなかなかハマってるねんけど、もっと徹底的にクールな「BAD女」を期待したんやけどな。

Y木:これって、いわゆる低予算やろ?

S原:その通り。ロケ場所とか苦労の連続やったと思う。同じ話でも、潤沢な製作費で作り直したら印象は変わるはず……いや、一緒かな。というのは、ストーリーがシンプルすぎるから。

Y木:シンプルなストーリーか。こういう映画はそれでええと思うねんけど。

S原:昔から、盗賊(窃盗)として生きてきた一族の末裔が、逢沢りなやねん。父親(前田耕陽!)は、娘に厳しくいろいろな技を教える。娘はエキスパートになっていく。娘は年頃になって、「普通の女の子になりたい」と思うようになっていく。だけど、これが最後の仕事だから、と父と仕事仲間から言われて仕事に参加することになる。今回の仕事には、怪しげな風情で調子がよいチンピラ2人組も加わる。で、ヤクザとチャイニーズマフィアの覚せい剤の取引現場を襲う計画に参加する。ところが……という話です。

Y木:まあ、典型的なパターンやな。

S原:うん。これ、オリジナリティはないよ。だからこそ、逢沢りな次第やと思うねんなあ。どうも、殺人術(護身術)を極めた女子にみえない。たとえば、「普通の女の子」としての生活を知らないから、ピント外れなことをしてしまう、とか、ついつい盗賊の癖がでるとか、スケベ心で近づいてきた男をあっという間にやっつけるとか、そういう場面と期待したんやけど、ちょっと違うかった。あと一歩、面白くなりそうで、ならない。歯がゆいのよ。これは、観ないと分からんしれんけど。

Y木:たしかに観てないから全然わからん。

S原:反対に、逢沢りな以外の男優たちの演技・演出に力が入っています。なので余計に逢沢りなの存在感が薄くなってしまう。黒い革の衣装とか決まってるので、もっと活躍させてほしかった。思い切って、「殺しまくる女性」でもよかったと思うんやけどな。

Y木:そういう場面はお金がかかるやん。

S原:いや、直接写さなくてもええやん。Vシネマ風に、バギューン!って撃たれて「おまえ…!」とか「こんなことをして…おまえ、わかってるのか!」とか、そういうやり取りは飽きたやん?(笑)

Y木:まあな。

S原:さあ、みなさん。もしかしたら、これが序章のつもりで作ったのかもしれませんが、残念ながらパート2は無いようです。Vシネマ風の1本で、それ以上でも以下でもない、というのが正直な感想です。もうちょっと、逢沢りなが暴れてほしかった~!