あなたの知らないワゴンセールの世界

ほとんどの人が見向きもしない中古屋やレンタル落ちのワゴンの中…しかし、その小宇宙にはまだ知らない映画たちが眠っている(はず)!そんな映画を語るブログです(週末 更新予定) 娘曰く「字ばっかりで読むしない」「あと、関西弁がキモイ…」そういうブログです

特定のアイドルファンのための映画(?)を観てみる!「プリズン13」(2019)の巻

プリズン13 [DVD]

S原:今回はこれ、おそらく主演の堀田真由と板野友美のファン向けに作られてます。

Y木:監獄実験か。

(あらすじ)

大学生のマリ(堀田真由)は、人気VTuberのソフィアが行う公開実験に参加する。それは12人の被験者を看守と囚人に分け、4メートル四方の部屋で7日間にわたって監獄での生活を疑似体験させるというものだった。そこでマリは看守の役割を与えられるが、実験は徐々に過激になり・・・

 

S原:これは、1971年のスタンフォード大学の監獄実験を再現するため、Vチューバーが行ない、主人公のマリ(堀田真由)が、その被験者として実験に参加する、という話です。7日間過ごせれば100万円もらえます。

Y木:あの有名な実験な。それで?

S原:それだけです。

Y木:おいおい。

S原:いやーこの映画は参ったなあ。ほんまに、それだけの映画やねん。演出が下手とか演技が変とか言う前に、映画としてあまりに稚拙です。スタンフォード大学の監獄実験は、よくドキュメント番組で紹介されてるやん。再現ドラマを混ぜたりして、そっちのほうがよっぽど面白い。それは、現実に起こったことやからドキドキするわけやん?

Y木:まあな。

S原:だからこういう映画を作るなら、それ以上のサムシングやサプライズが欲しいのよ。

Y木:要するに「そのまま」やと?

S原:イエース。この映画で、唯一良いのは映画の始まりの部分。話がサクサクすすんで、監獄の実験にいろんな人物が集まってくる。YouTubeらしく、細かい編集に紹介の文字があって分かりやすい。そのなかには怪しげな奴もいて、不穏な雰囲気が漂う。ここは良いよ。でも、実験が始まると途端に失速してしまう。いや失速というか停滞やな。

Y木:今回は、手厳しいな。

S原:申し訳ないけど、これを褒める奴はおらんと思う。例えば、看守役と囚人役を分けるやろ。それからどうなると思う?

Y木:どうなるって、最初は普通やけど、看守がエスカレートするんやろ。

S原:その通り。囚人はどうなると思う?

Y木:「出せよ!」「所詮ゲームだろ!」とか反抗するんやろ?

S原:その通り。じゃあ、看守たちは囚人たちにどうすると思う?

Y木:もっと残酷になるんやろ?

S原:その通り。パッと話しただけで、そういう展開は読めるわけやん。それこそ(実際に行った)実験の通りの展開なんやし。それがそのまま繰り返されるねんで?これで面白くなるはずがない。

Y木:「だんだん残酷になっていく」のが見せ場ちゃうの?

S原:いやどうやろ。たしかに陰湿なイジメみたいな感じやったけど。例えば、トイレに行かせてくれ、と頼むときも丁寧に頼まないといけないとか、そんな感じ。

Y木:トイレに行くときの許可が要るんやな。

S原:うん。意地悪しすぎてお漏らししてたけどな。この場面がまた長い。気分が悪くなるだけという(苦笑)

Y木:映画ならではの展開はあるんやろ?謎というか。

S原:いや、とくにないです。しいていうなら、謎は「このゲームの主催者(ソフィア)は誰か?」やけど、観客にとっては別に主催者が誰でもええやん?

Y木:それはそうやけど……ファン向けの作品としてはどうなん?

S原:いくら堀田真由やほかの出演者のファンでも厳しいんちゃうかな。堀田真由演じる主人公の性格が良くて(他人に厳しく出来なくて)、途中で看守から囚人に変更されてしまう。この映画の起承転結の「転」の部分なんやけど、普通主人公の立場が変わったら、物語が動くやん?たとえば、実は主人公はわざと囚人になるのを狙っていた(大人しいふりをしていた)とか。

Y木:そうでないんやな。

S原:その通り。ただ、看守から囚人になっただけ(笑)一応、主人公の姉(板野友美)が、妹を心配して何とか助け出そうとするという部分があるけど、これもとってつけた感じやねん。全然、噛み合ってないし。あ!いま思い出したけど、実験が始まってすぐに、囚人役の女性が「こんな食事、嫌だよ~」「この実験、やめま~す」って自ら離脱するねん。

Y木:それで?

S原:それだけ。普通、この女性の存在や行動が伏線になったりするやん?後で再登場するとか。でも何もなかったのさ……(虚無笑)

Y木:ラストは?一応、終わるんやろ?

S原:だんだんエスカレートして、看守たちが暴走してよくわからないまま死人がでてしまう。全員がパニックになっているときに、主人公の姉が助けに来る。助け出すときに、マリのTシャツの染みが映ります。それはハートマークで、この企画の主催者ソフィアのハートマークと同じです。

Y木:どういうこと?

S原:わかりません。

Y木:なんやねん。

S原:ほんまにわからんねんって!一応、主人公が主催者、もしくは主催者側の一人ということなんかもしれんけど、伏線も匂わせもないから唐突すぎてポカーンとするだけ。このあとにエンドクレジットになるけど、縦に字が並んでいて、しかも途切れずにでてくるので読みにくいです。

Y木:クレジットまであかんのかい。

S原:さあ、みなさま。これはおススメできません。とにかくぼくはこの映画に対して語る言葉は、これ以上は持っていません……というわけで、ホットパンツの生足女子の萌える人のみどうぞ~!