Y木:なんじゃ、これは……(絶句)
S原:さあ、お待ちかね。オタク(だけ)が知っているカルト作を紹介いますよ。
(あらすじ)
不良グループに弟を殺された女子高生アミは復讐に乗り出すが、逆に捕らえられ拷問の末に片腕を失ってしまう。なんとか逃げ出した彼女は、同じく息子を殺されたミキと特訓を開始。腕のかわりに鋼鉄製マシンガンを装着して戦いに挑む。製作はアメリカ、スタッフ・キャストは全て日本人という異色のB級スプラッター・アクション。「猫目小僧」などの鬼才・井口昇が監督・脚本を手がけ、映画初出演のグラビアアイドル・八代みなせがヒロインに抜擢。
S原:井口昇って知ってる?
Y木:知らん。
S原:もうマニアックな映画ばっかり作ってる頭のおかしい人なんやけどな。AVなんかも平気で撮る守備範囲が広すぎる人やねん。これは、そういう井口監督の代表作(?)やと思う。
Y木:(DVDの表紙をみて)まーこういう映画はなー、なんというか。
S原:分かってる。「最高や!」て言いたいんやろ?
Y木:最高ちゃうわ!
S原:えー、めっちゃ面白そうやのに。
Y木:ど・こ・が・や・ね・ん! まあ、おまえみたいな奴のための映画やろうけどな。しかし、女子高生の片腕がマシンガンに改造されて、撃ちまくる映画か………観たくないなあ。
S原:またまた~! もう無理しちゃって~!
Y木:無理していないわ!
S原:いやーでも、こういう映画は、これでええと思うねん。だってセーラー服の女子高生が片腕に装着したマシンガンで、悪い奴らを殺しまくる!それ以上、何も期待せえへんやろ?
Y木:まあな。
S原:それで充分やと思うねん。スターウォーズの新三部作(EP7~9)とか、いまだに批判されてるやん?あれは、みんな期待してるからやと思うねん。マトリックスの続編もそうやろ。その点、この映画に対して批判は少なくて、褒めてるレビューが多い。これは、みんなが期待せずに楽しんでる証拠やと思うねん。ある意味、すごくハッピーなことだと思わないかい?
Y木:いや思わん。単純に観てる絶対数が少ないだけという話やと思う。
S原:そういう細かいことはどうでもええよ。人生は短いよ。もっと、この映画を楽しまなくっちゃ~!
Y木:だから楽しみたくないんやって! もうええから、あらすじを言えよ。
S原:え?
Y木:あらすじを話せって。
S原:あーあらすじはなあ。弟をやられた主人公がマシンガンで復讐する、これだけやねん。
Y木:ほんまに単純やな。
S原:とにかく、体が真っ二つになったり、マシンガンで顔に穴が開いたり、顔がドロドロに溶けたり、首チョンパしたり、顔が半分に切れたり、顔に釘を順番に刺していったり、足が切れてそこにチェーンソーに装着したり……
Y木:わかった。もうわかった。それ以上は言わんでもええ。
S原:あードリルブラも登場するで。ブラジャーがドリルになって攻撃するねん。
Y木:あーそう。よかったな。
S原:うん。みんな、ありがとう。
Y木:誰にお礼を言ってるねん。こういう映画って、どうせパンチラもあるんやろ?エロと言うか。
S原:いやエロくはないよ。でもパンチラはある。ブラチラもあるで。
Y木:ブラチラって……
S原:「ブラジャーがチラリ」っていう意味な。
Y木:わかってるわ! しかし、ええ年したおっさんが、「ブラチラ」って。ほんまにキモイからやめてくれ。
S原:仕方がないじゃないか、君ぃ! ブラチラはブラチラなのだから!(怒)
Y木:なんでキレてるねん。
S原:で、ブラチラは物語の展開上仕方がないと思うねんけどな。戦って途中で制服の前がはだけてしまうから。でも、パンチラについては、ちょっと言いたいことがあるねんよ。
Y木:どうでもええけどな。
S原:この映画でも少しパンチラがあるねんけどな。ぼくは、パンチラは写さへえん方がよかったと思うねんな。編集でいくらでも外せるし。
Y木:いやーパンチラが好きな奴(オタク)もおるやん。
S原:だから、なのよ!そうでなくてもマニア向けの映画やから、そういう部分がクリーンな方がええと思うねん。エロを主体にしていない矜持を持って欲しかった……
Y木:どういう矜持やねん。
S原:あだち充先生のほのかなエロさを目指して欲しかったなー。
Y木:おまえ、あだち充で例えるのが好きやなー。しかし今回は完全にマニア向けやな。それこそ、普通の女子高生なんか観ないやろ。
S原:観ないやろうな。逆に現役のJKが「この映画、大好きなう♡」とか言ったら、「もうちょっと普通の映画を観たら?」と心配するやろうな。さあ、徹頭徹尾マニアックな映画ですが、頭を空っぽにするのには最高の一本です。意外に高値で取引されてるみたいなので、中古店でみつけたらマストバイですよ~!
Y木:いや、買わんほうがええって。こんな映画……